社会人となり働きはじめ、ようやく1年が経ちました。銀座店での一年間はこれまでの人生の中で、いちばん革製品に触れた一年間となりました。昨年末から私たち銀座店ではシューケアイベントを月に１、２度開催するようになり、イベントのために来店されたシューシャイナーの方からも革に関する知識を多く教えてもらっています。
私がこの一年間で触れた革は牛革がほとんどでした。例えばジョセフ チーニーの革靴ですと、牛革のカーフ、グレイン、スエード等でしたし、グレンロイヤルの革小物でいえばブライドルレザーがほとんどでした。その中で始まったシューシャインイベントでしたが、Dratewka 伊藤さんにシューケアをしていただくためにお客さまがお持ちくださったシューズのほとんどは、私がこれまでに触れたことのない、見たことのないような革のシューズばかりでした。
その中でもひときわ目を惹き、多くのお客さまが目を輝かせながらお持ちになってくださったのがコードバンシューズでした。コードバンという言葉さえも、ブリティッシュメイドに入って初めて聞いた言葉です。
もともと銀座店ではグレンロイヤルのコードバン製品を少量取り扱っていました。入社してすぐにその革のことが気になり調べてみました。馬のお尻の部分の革ということは理解できたのですが、ブライドルレザーと比べて革の種類が異なるとしか認識できませんでした。そして再度調べたところ、コードバンとは、馬のお尻の部分の皮の中にあるコードバン層と呼ばれる部分を丁寧に削り取った皮であることを知りました。その削り取る技術が極めて難しく、希少であることから「革のダイヤモンド」とも呼ばれているそうです。
私にはあまり馴染みが無いと思っていましたが、実際に、銀座店では私以外の男性スタッフ全員がコードバンシューズを持っています！お気に入りなのでしょうか、結構な頻度で履いているのをよく見る気がします。ちなみに男性スタッフは靴だけでなく、財布や名刺入れ、システム手帳など小物も持っていると言っていました。
希少な革といえども、どうしてそこまで人気が高いのか？私はコードバンについて調べつつ、ときおりInstagramを見ていましたが、綺麗に磨かれたコードバンシューズの写真に目を奪われました。
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通常のカーフとは異なった滑らかな曲線のしわ、光沢のあるきめ細やかな革……これこそが、当店のスタッフやDratewka 伊藤さん、その顧客の方など、さまざまな人を虜にするコードバンシューズなのだと感銘を受けました。
さて、このようにコードバンについて調べていたところ、奇遇にも、グレンロイヤルのコードバン財布が再入荷いたしました。
今回入荷したのは、WHISKY × NATURALとBURGANDY × CIGARの2色です。
GLENROYAL － マネークリップ（小銭入れ付き）（コードバン） ￥90,200（税込）
グレンロイヤルの商品でおなじみのマネークリップ。マネークリップで小銭入れが付いている物は比較的珍しいとのお声をお客さまからよく頂き、大変人気な商品です。定番のブライドルレザーのマネークリップも素敵ですが、コードバンを使用したことでいつもとは違った高級感や風格が出ているように思います。
マネークリップながら、内側に4枚分、小銭入れのフラップの裏側に3枚分、計7枚分のカードスロットが付いております。カジュアルなデニムのポケット、スーツやジャケットの内ポケットから取り出す所作もスマートで、シーンを問わずお使いいただけます。
同系色のコードバンとブライドルレザーのコンビカラーとなります。お色の変化をよりお楽しみいただけるWHISKY × NATURAL、コードバンの中で最も人気の高いBURGANDY ×CIGAR、どちらも上品な雰囲気がありますよね。
ブライドルレザーとコードバン、両者のエイジングのツヤの特徴や、各色の統一感をぜひ味わってみてはいかがでしょうか。ちょうど、WHISKYカラーのエイジングサンプルがあったため、皆さまにお見せします。
右は新品、左はエイジングしたWHISKYのお色です。全体的に光沢感が生じていて、さらに元の色よりも深みのあるトーンに仕上がっています。
ちなみに再入荷と言いましたのは、実はこの商品は約5年前にごく少量ご用意していたのです。そして今回の再入荷をきっかけに、久しぶりにコードバンの財布をずらっと店頭に並べてみました。現在銀座店では、高級感あふれるコードバンシリーズを一望いただけます。
さて、コードバンはタンナーごとに経年変化や革の質感が異なるのも特徴で、中にはタンナーにファンが付くほどらしいのです。調べてみると、アメリカではホーウィン社、イタリアではロカド社、日本では新喜皮革が名タンナーだと分かりました。タンナーによって、美しさや耐久性、通気性、防水性に特徴があり、ツヤや色の深みも異なるそうです。それを聞くとそれぞれのタンナーがつくるコードバンの雰囲気を楽しみたくなってしまいます。
では、グレンロイヤルのタンナーは一体どこの会社なのか？
グレンロイヤルは、なんと180年以上歴史のあるイギリスの老舗タンナーであるクレイトン社（現スパイア社）のコードバンを使用しております。
クレイトンレザーグループとなっており、その中にクレイトン、セドウィック、ウィリアムクラーク、サミュエルシャープと4つのタンナーが所属しています。（2017年5月時点）
伝統的なブライドルレザーの鞣しが有名なクレイトン社ですが、コードバンの生産が開始されたのもここ数年であるため、生産数も少なく、とても希少性が高いのです。さらにクレイトン社のコードバンの目を見張るべきポイントは、そのクオリティにあります。生産を始めたのが近年にもかかわらず、ヨーロッパで長い歴史を誇るコードバン鞣しの工程を受け継いでいるため、手作業で高いクオリティを誇るコードバンを作ることができるのです。
左が一般的なコードバン、右がブリティッシュコードバンです。比較すると、光沢感は抑えられ、ややマットな印象ですね。クレイトン社のマットなコードバンとブライドルレザーは見た目の相性も良く、それらが両方使われた今回の財布はエイジングさせたときの感動もひとしおなのかもしれません。
今回ご紹介しましたコードバンの魅力やクレイトン社については、こちらの記事でもより詳しく説明されていますので、ぜひご覧ください。
本日はコードバン財布についてご紹介させていただきましたが、冒頭に触れたDratewka 伊藤さんのシューシャインイベントもご紹介いたします。コードバンがお好きな方は、ぜひ伊藤さんにお会いになっていただきたいと思います。
「Dratewka」× BRITISH MADE 銀座店 シューシャインイベント
※伊藤晃太氏インスタグラムアカウント @itokutsumigakiten
開催日時：4月16日（土）11:00～20:00（最終受付19:00）
詳しくはこちらのページをご確認ください。
万世橋に店舗をかまえる「Dratewka」伊藤氏が特に得意な素材はコードバンです。これまで伊藤氏はコードバンシューズのケアを全て一週間のお預かりのみで承っていましたが、銀座店でイベントを行うにあたり、1時間でのカウンター磨きのコースを用意してくださいました。伊藤氏のコードバンシューズのケアを生で見ることができるのは、ブリティッシュメイド 銀座店のみとなります。ぜひこの機会に伊藤氏の磨きの技を体験してみてください。
また、先月のイベントより新メニュー「ブラードポリッシュ」を追加いたしました。こちらもご好評につき、引き続き承ります。
ブラードポリッシュ仕上げについて
ハイシャイン、グラデーション仕上げが革表面に凹凸のない鏡面仕上げであるのに対して、ブラ―ドポリッシュは革表面に凹凸を残しつつ、ツヤのグラデーションを出していくナチュラルなポリッシュサービスです。鏡面仕上げが不要の方や、カジュアルシューズなどと相性の良いケアメニューとして新たに追加しております。
多くのお客さまにご愛顧いただきまして、おかげさまでGINZA SIXおよび、BRITISH MADE銀座店は、この4月20日に5周年を迎えます。それを記念して4月14日（木）〜4月17日（日）の4日間、GINZA SIXカード・アプリの5倍ポイントアップキャンペーンを開催します。当日アプリを入会してくださった方も対象となります。年に２、３度しかないお得な機会をぜひご利用くださいませ。
今回のブログをきっかけに、先輩スタッフやシューシャイナーの方たちから様々なお話を聞き、ブリティッシュコードバンの魅力にせまることができました。タンナーごと、さらに使い手によって千差万別な表情を見せるコードバン。皆さまもぜひ一度、店頭にて再入荷したお財布をご覧になってはいかがでしょうか。皆さまのご来店を心よりお待ちしております。
銀座店 福島
BRITISH MADE 銀座店
〒104-0061
東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 5F
TEL：03-6263-9955
Email：ginza-six@british-made.jp
営業時間：10：30～20：30
