慣用句(イディオム)でも親しまれている黒い羊 | 札幌店 | BRITISH MADE Staff blog

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慣用句(イディオム)でも親しまれている黒い羊 | 札幌店

皆さまこんにちは。

イギリスでは羊が宝物のように大事にされていると言われています。皆さん羊にはどのようなイメージがありますか。

もふもふしていて、見ているとなんだか和ませてくれるような気分になるのは私だけでしょうか。このスタッフブログでも自身が羊が好きなこと、イギリスが羊を宝物のように大事にしていることを何度かご紹介させていただいております。

ブリティッシュウールは、英国の厳しい環境の中で育った羊の毛で、ウールの中でもごくわずかな量しかとれない非常に希少価値の高い羊毛です。英国政府によって公的に管理されており、赤いステッキのマークが本物のブリティッシュウールの証。

英国政府が管理するくらい羊は大事にされていて、きっとイギリス全体でいい印象を持たれているのだろうと思っていました。

しかし、先日ふと学生時代の英語の教科書に載っていた内容を思い出しました。記憶が曖昧な点はご了承ください。テキストの内容は2人の会話形式で、1人がお金の管理があまり上手くない人、もう1人はその人に対して指摘をする人です。その指摘する方の1人が以下のように言ったのです。

You were born with a silver spoon in your mouth, but now you’re the black sheep of the family.

ーあなたは裕福な家庭に生まれたのに、今では家族の厄介者だ。ー

羊の毛の色は白い品種が多いため、黒い色の羊は群れの中でとても目立ちます。そのため群れの中で目立つ厄介者を「black sheep」と表現するようです。また、家族の中で、一家の恥となる行為をした人に対して使われることもあります。それが上記の教科書の文章でも用いられたようです。「国によってことわざや慣用句の表現がなんだか違うなあ、面白いけど訳すの難しいなあ、(定期テストで赤点を取りたくないなあ……)」と思った記憶があります。

少し調べてみると羊が用いられることわざや慣用句は他にもあります。日本でも「羊の皮をかぶった狼」という言葉がありますよね。「臆病者」として用いられたり、「色目」としても用いられるとか。まだまだたくさん他にも羊が用いられる慣用句はありますが、可愛らしい羊のイメージがちょっと崩れる気がします。

ブリティッシュウールの公式のガイドブックにも、品種によりますが黒い羊毛は布団やカーペット、天然素材の断熱材に使われているとあります。ピーターラビットの作者であるビアトリクス・ポターはハードウィックという品種を湖水地方で大事にしていた人物としても有名です。ハードウィック種は人の毛のように羊毛が黒からだんだん白(もはやグレーですが)に変化する品種。そんな色のある羊毛も昔から守り続ける人がいたのです。

黒い毛を染めることは難しいですし、真っ白な羊毛は綺麗に見えるかもしれません。白い羊毛より価値は下がるかもしれませんが、色が付いていても黒色の羊毛はカーペットやラグ、一部ニットに混ぜる……など、現代でもあらゆる方法で使われています。

 

こちらはかつて牧場で撮った茶色い羊の写真。こんなにかわいい顔して近くに来てくれる羊もいます。

「黒い羊は決して厄介じゃないよ!暖かいし、見た目もかわいいよ!!」ということや、ものごとは考え方・捉え方次第で変わるんだなあと慣用句を通して感じます。羊は言葉として、文化としてもイギリスで親しまれているなと感じた今日この頃でした。

札幌店 石原

 

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