“コンチキチン”。
7月初めの京都・四条通の夜。祇園祭に向けて明かりが灯された提灯が揺れ、お囃子のお稽古の音が聞こえます。初めて聞くお囃子の音に興味を持ち、調べたところ、“コンチキチン”と表現されるようです。日中のにぎやかさとはまた異なり、夜の暗闇の中で光る明かりや音が賑やかでありつつも、どこか幻想的で……、まるで『千と千尋の神隠し』のような雰囲気を感じさせてくれます。今年の夏は祇園祭も通常開催となり、京都に活気が戻ってくるようです。ちょうどこのブログが公開される頃が1番の盛り上がりを見せるそうで、祇園祭を初めて見る私は今からとても楽しみです！
そんな京都は日本屈指の観光地であり、街のいたるところに名所があります。私も休みの日はバスの1日乗車券を使って京都巡りをすることもしばしば。気軽に旅行気分を味わえ、日々の疲れをリフレッシュできるので毎回楽しんでいます。
そんな数ある観光地の中でも、特にお気に入りのスポットが、「嵐山」です。
京都に住み始めてホームシックになりかけたところ、友達がわざわざ福岡から京都まで来てくれて、その時に行ったのが初めての嵐山でした。山に囲まれた自然豊かなところで美味しいご飯を食べたり、人力車に乗ったり、お寺や川沿いをゆっくり歩いたり……。心が穏やかになっていく感覚がとても心地よく、友達と今までのことやこれからのことを深く話すことができて、それ以降、思い出深い大好きな場所になりました。
そんな嵐山に、実は、英国のクリームティー文化を楽しむことができるカフェを発見しました！それがこちら、「TEA ROOM KIKI 紅茶＆スコーン専門店 京都・嵐山本店」さんです。
TEA ROOM KIKI 紅茶＆スコーン専門店 京都・嵐山本店
〒616-8373
京都市右京区嵯峨天龍寺車道町1
TEL：075-432-7385
営業時間：10:30～18:00（L.O.16:30）
https://lworld.co.jp/kiki_arashiyama/
嵐山に向かう嵐電（京福電車）の嵐電嵯峨駅から徒歩1分ほど。昔ながらの街並みに、さわやかなレトロさを感じる建物が、今回の目的地です。
店内に入ると、紅茶の茶葉の缶が絵画のように綺麗に積まれており写真の枠に収まらないほど圧巻でした。そして、奥に進むとカフェスペースがあり、そこはどこを切り取っても絵になるほどお洒落な空間でした。
この空間で、私はぼーっとしながら、頭の中に出てきたことを追っかけて、思いを巡らせて……。目に優しい色合いや装飾の店内が、時間を忘れさせてくれます。爆発的な快でも、重々しい不快でもない、ニュートラルな心地が、自分をリセットしてくれるような気がして、「やっぱり嵐山はいいなぁ」と思うのでした。
席についてメニューを見てみると、「KIKI’sクリームティー」というセットがありました。クリームティーが何か、その時はまだ知らなかったので、“クリーム”という響きに、なんだか濃密な時間が過ごせそうだと思い注文しました。
実は私、小学1年生の頃に通っていた英会話教室がイギリスの文化を取り入れていたこともあり、教室にはイギリスの文化を紹介している本や雑誌、写真の切り抜きなどがたくさんありました。そこで紳士淑女の優雅なお茶会のイラストを見た時、「イギリスで本場の紅茶を楽しみたい！」と思うようになりました。今回は、その夢に近づく第一歩！いったいどういうものなんだろうと、わくわくしました。
ふと我に返ると、鼻をかすめる良い香り。
クリームティーが届きました！いざ実食。
しっとりとした食感のスコーンに、さっぱりしつつもコクのあるイギリス伝統のクロテッドクリーム（イギリス伝統の乳製品）をつけることで、よりしっとり濃厚な後味に。さらに、甘酸っぱいジャムが程よく味を引き締めてくれて、絶妙な濃厚さとさっぱり感が口の中に広がります。どれもカフェ自家製で作られていて、特にクロテッドクリームに関しては、8時間も煮詰めて作っているとのこと！どれも尖っていない、まろやかな味わいで、心まで優雅な気分になりました。
ちなみに、ここで使用されている食器は、イギリスで170年の歴史を誇る「バーレイ」というブランドのものだそうです。職人の方々が１つ１つデザインを陶器に張り付けていくことでハンドメイドならではの風合いを楽しんでいただける食器だそうで、こういった繊細なこだわりからイギリス文化を知ることができるのもいいですよね！
スコーンだけでなく、紅茶もまた美味！KIKI’sクリームティーを頼むと、「ティーフリー」というメニューが含まれており、その「ティーフリー」にはこんな記載が。
「20種類以上の茶葉からスタッフのおすすめをランダムでお淹れいたします。」
初めは何のことか分からず、食前にきた紅茶を飲み干すと、すぐに次の紅茶が。食前、食中、食後と、飲み干す度にスタッフの方が淹れてくださり、私が飲んだのはなんと7種類！フレーバーティーの芳醇な香りに驚いたり、飲みなれたダージリンとスコーンとの相性が本当に良いことに気づいたり、ダージリンがスコーンの美味しさを引き立ててくれる縁の下の力持ち的存在であったことを発見したり。さらに、写真のように色味が透き通ったジュエルティーにも目が奪われ……。普段から好んで紅茶を飲む私も、改めてその美味しさに感動しました。特にスタッフの方が、スコーンを食べている私にベストな紅茶を、ベストなタイミングで出してくださり、最後の最後まで私の口の中と心には優雅な余韻が残っていました。
「クリームティー」を知らなかった私も、あっという間に虜になりました。スコーンと紅茶というシンプルな組み合わせだからこそ、それぞれの味に集中でき、またそれぞれが味の邪魔をせず溶け合ってできる美味しさを一口一口実感することができます。
自他ともに認める慎重派な私は、外食をしても決まったメニューを頼みがち。しかし、スタッフの方がおすすめを持ってきてくれるとのことで、絶対自分では選んでいなかった紅茶も飲むことができました。そしてそれがとにかく美味しくて、「もっといろんなものに挑戦してもいいんだな」と、とても良い体験をしました。イギリスを感じるとともに、自分のマインドについても新たな発見があり、また一つ嵐山での思い出ができました。日々の喧騒を忘れ、美味しい食事と最高のサービスや空間、それはまさに「優雅」そのものでした！
以上、京都嵐山のイギリスのカフェのご紹介でした！イギリスつながりでこのような素敵なカフェに出会えたことがとても嬉しいです。嵐山からブリティッシュメイド京都店まではバス1本で移動できるので、古き良き京都の地で、イギリスを感じていただくのも面白いのではないかなと思います。京都店も「優雅」なひとときを感じていただけるように頑張りますので、京都にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください！
京都店 古賀
BRITISH MADE 京都店
〒600-8005
京都府京都市下京区四条通富小路東入立売東町23‐2 2階
TEL : 075-606-5801
営業時間：12:00～20:00
定休日：毎週火曜日
