先日より始まったジョンストンズ オブ エルガンの予約会ですが、皆さま商品ラインアップを既にご覧になりましたか?私自身、シーズンで入ってくる新しい柄が何かをチェックするのが、この時期の一つの楽しみであると同時に、「色の名前が覚えづらい問題」が毎年起こります。
皆さまはジョンストンズ オブ エルガンの商品カラーの名称を見て、「これはどういった意味の英語だろうか?」と首を傾げたことはありませんか?タータンチェックの名称も調べてみると、様々なルーツがありますし、タータンに限らず他の色柄にもイギリスにまつわる生物、地名、ならわしに関連する名称が使われています。ルーツを重んじるイギリス人ならではのこだわりが垣間見える気がします。
そこで今回は、意外と知らないジョンストンズ オブ エルガンこだわりの色名をいくつか取り上げ、その意味からイギリスの文化や歴史を学んでいきたいと思います!普段の接客でもここまで掘り下げてお話することはないのですが、少しでもイギリスの文化や歴史に興味を持っていただけたら幸いです。
Otter(オッター)
Johnstons of Elgin ー WA56/プレーンストール(カシミヤ)¥71,500(税込)
日本限定色として今季も登場しているオッターはベージュの中にグレーが混じっているようなメランジが特徴のカラー。女性に人気の高いこの色の由来は「カワウソ」です。
イギリスのカワウソは、生息していた川の汚染によって1970年代に絶滅の危機に瀕していた動物でもあります。そこからイギリスでは環境保全が進み、今ではカワウソの生息数が回復したそうです。5月25日を「世界カワウソの日」として制定したのも実はイギリスのNPO団体です。もしかすると、環境保全の願いも込めてこの色の名称にしたのかも、と思いました。
Peregrine(ペレグリン)
Johnstons of Elgin ー WA16/タータンチェックストール(カシミヤ)¥28,600(税込)
今季登場したチェック柄ですが、淡い色合いに濃いグレーの格子模様があることでメリハリが効いています。調べてみるとこちらもとある動物に由来していました。
「ハヤブサ」です。こうして画像で比較すると「だからこの柄なのか」としっくりきます。イギリスでハヤブサは中世から狩猟用に飼われていた歴史があり、王侯貴族の間で大切にされていた鳥でもあります。階級ごとに狩猟用の鳥はランク付けされ、ハヤブサはとりわけ高値で取引されていました。イギリスの階級文化がこうしたところにも表れていたのですね。そんなハヤブサは今でもロンドンの上空を飛ぶ姿が時折見かけられるそうです。
Thistle(シスル)
Johnstons of Elgin ー HAA02870/チューブラースカーフ(カシミヤ)¥25,300(税込)
フューシャピンクより紫に近い、発色のよいピンク。英名ではあまりなじみはないかもしれませんが、ジョンストンズ オブ エルガンのブランドロゴにもなっている「アザミ」を指します。
ご存じの方もいるかもしれませんが、アザミはスコットランドの国花であり、勝利をもたらした花とも言われています。一説によると、ノルウェー軍の侵攻があった際に眠りについていたはずのスコットランド兵たちが敵軍を撃退できたのは、敵軍の中にアザミのトゲを踏んだ痛みに思わず大声で叫び出した兵士がいたおかげであるというエピソードがあります。
アザミを実際に見たことのある方ならお分かりいただけると思いますが、鋭く触れたら痛そうなトゲだらけの植物です。真偽のほどはわかりませんが、こうして今日まで国の象徴としてスコットランド人に親しまれているのも納得できてしまう興味深いエピソードです。そう考えるとシスルこそスコットランドらしさの詰まったカラーなのかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか?
他にも、プラスカルデン修道院(Pluscarden Abbey)やランドルフス リープ(Randolph’s Leap)、ハイランド(Highland)といった自然豊かなスコットランドの名所など、スコットランドのブランドならではのこだわりの詰まった名称が数多くあります。この機会に皆さまも商品カラーとして単に色名を見るだけでなく、その背景にあるスコットランドの文化にもぜひ触れてみてください!
丸の内店 國見
BRITISH MADE 丸の内店
〒100-6502
東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング2F
TEL:03-5876-6520
営業時間:
月-土 11:00-21:00
日・祝 11:00-20:00