侮ることなかれ!羊の目のすごい能力 | BRITISH MADE Staff blog

BLOG

侮ることなかれ!羊の目のすごい能力

皆さまこんにちは。

 

札幌も秋めいてきており、通勤時に涼しいと感じることが増えてきました。店頭にもアウターにマフラー、ストールやニットが並び始めて、冬に向けて何を着ようかなあと楽しみになります。そろそろ羊毛がたくさん目に入るシーズンになると思うとわくわくしております。羊やもふもふしたものが好きな私にとっては楽しみで仕方ありません。

さて、そんな羊のお話を今回もさせて頂きます。

 

突然ですが、北海道大学を舞台にした『動物のお医者さん』(白泉社)という漫画があります。そのなかで「羊の目は横たわる三日月」なんて表現をして子どもを怖がらせる、という場面があります。

 

そんなに怖かったかなあと思いつつも、そう言われると怖いような気もします。実際に撮った写真がこちら。

毛むくじゃらだと目が見えないですが……まつげが長い子もいて、私はシンプルに人間の人相と同じように、羊によるかなあ……なんて思っております。みなさまはどのように感じるでしょうか。

 

先日見たサブスクリプションの動画配信でイギリスの牧場のドキュメンタリー番組を観ました。イギリスのウェールズにある伝統的な牧場を舞台に羊に関する実験をして、その能力を検証する番組です。そのなかで羊の目がすごいことが特集されており、単純にすごい!と思ったのでご紹介させていただきます。

 

もはや目ではなく脳の話にもなりますが、羊は群れの仲間の顔を覚えているというのです。人間のように、羊の脳には顔認識に特化した領域があるのだとか。

 

どれだけ認識しているのか、スランウエノグというウェールズの品種で実験されました。大きな写真パネルを2種類用意して検証です。どちらもスランウエノグが写る写真ですが、ひとつは同じ仲間の写真、もうひとつは160キロ離れた場所にいる群れの羊の写真。2つとも背景は同じで、顔の部分だけ違う羊になっています。見事な合成で、私はパッと見ただけでは分かりませんでした。

 

その2種類のパネルを牧場に置き検証スタートです。仲間のパネルの少し離れた場所に、もうひとつのパネルが設置されています。検証では仲間のパネルには明らかに興味を示し、低く「メ―」と鳴いて匂いを嗅ぎました。そして、もうひとつのパネルには近づきませんでした。知らない羊の近くには寄りたがりません。先程鳴いていた羊がさっきより長く大きく「メー!」と鳴きました。見覚えのない羊なのが分かったのでしょうね。

 

同じ実験を別の羊6頭で行ったところ、仲間の羊のパネルの前で草を食べ始めました。研究により、羊は群れの仲間が見える場所だと、安心して草をはむことがわかっているそうです。仲間がいた方が、敵が来た時に気づきやすいですよね。

 

ちなみにもしかすると、仲間のパネル側の草の方が美味しいからかもしれない、とパネルの位置を交換してみると、羊たちも仲間の写るパネルのほうに移動して食べ始めていました。

 

羊は羊以外の動物の顔も認識していて、人間の顔もわかるようです。検証ではさらに、その牧場で働く人のそっくりさん(服も同じでした)に餌を持ってもらい、少し離れて同じように実験したところ、羊はすぐに面識のある牧場スタッフの元へ行きます。念のため、2人の場所を入れ替えても、羊は迷うことなく牧場スタッフのところに行きます。羊によっては一旦立ち止まってどっちに行こうか考えていましたが、やっぱり見覚えのあるスタッフの元へ行きました。

顔認識はやはり目が見えないと分からないし、こんな能力があるなんて飼い主さんしか身近に感じられることもなかなかないですよね。

 

私自身、確かに羊は記憶力がいいなと思ったことがあります。何度も通った牧場ではお気に入りのイギリス原産のサウスダウン種に追いかけられたなあ……と思い出しました。笑

下を向いて草を食べていると敵に襲われないか心配になるかと思います。でも大丈夫です!羊の目には驚きの機能があります。

 

羊の黒目は横長の楕円形。 上からの眩しい光ではなく、横から光を取り込むことができます。人間の視野は190度と言われていますが、実は両端がぼやけていて、よく見えておらず、真ん中だけクリアに見えています。意外と視野が狭いなと自分でも思います。

 

羊の視野は、なんと320度。しかも、両端も全てクリアに見えていて頭の後ろにも目があるようなものです。それで横たわる三日月と言われたのか、と合点がいきます。

さらにびっくりするような機能があります。羊は頭を下げると、 眼球が回転し、横長の黒目が地面に対して水平を保つのです。

イメージで言うとスマホを横向きにすると、画面も横向きに自動で回転するのと似ています。なので、頭を下げて草を食べている間も、自分の周りで何が起きているか見ることができるのです。

 

撮った写真でもそれが分かります。下を向いていても常に地面と平行になるかのように横向きです。楕円形の黒目と回転する眼球のおかげで、人間や犬が近づくのが見えているというのです。だから草を食べていても逃げない子も多いのか!と納得です。

羊はウインクもできるみたいです!この写真は可愛いのでお気に入りの1枚です。

 

羊はイギリスでもやっぱりバカにされちゃうことが多いですがいいところもあります!(お目々編)ということで締めさせていただきます。

 

次の機会には羊毛についてのお話を、と思っております。羊の魅力が多くの人に伝わりますように。

 

札幌店 石原

 

BRITISH MADE 札幌店
〒060-0005
北海道札幌市中央区北5条西2 札幌ステラプレイス イースト2階
TEL:011-209-5140
営業時間:10:00-21:00