コリン・ファースの戒め | BRITISH MADE

ブリティッシュ“ライク” コリン・ファースの戒め

2015.11.27

前回のvol.2では、英国人俳優ヒュー・グラントについて取り上げた。その数珠つなぎと言ってはなんだが、今回は同じく英国人俳優コリン・ファースを紹介したい。なぜならば、彼らは同年齢にして、オックスフォード卒のヒュー・グラントに対して、セントマーチン卒のコリン・ファースと、両者共にキャリアハイであり、ラブコメディを経て個性を磨いた俳優である。極めつけは、誕生日がわずか一日違いという偶然まで持ち合わせた、今もなお映画産業に貢献し続けている英国人だからである。まるで、かつての大映映画を支え、共に切磋琢磨した二枚看板、勝新太郎と市川雷蔵のようである。

颯爽としたヒュー・グラントと異なり、毅然とした雰囲気を醸しているのがコリン・ファースというところだろうか。188cmの長身を活かした堂々たる立ち居振る舞いは優雅であり、いかにも英国人らしい。そんな抜きん出た美点を存分に発揮した近年は、「英国王のスピーチ」、「シングルマン」、「キングズマン」と、秀作を連発しており、皆さんの目に触れる機会も多いのではないだろうか。

今回紹介したい映画は、若かりしコリン・ファースも出演している「アナザー・カントリー」という作品だ。ストーリー自体も秀逸だが、着目いただきたい箇所とやや異なるため、ストーリーの説明は割愛させていただく。僕が着目した場面は、ボーディングスクールに身を置く少年たちが、自ら靴を磨き、服にアイロンをかけている姿である。幼少のうちからこういった術を先輩に教わり、生活に実践しているというのは驚異だ。怠れば容赦なく白い目で見られ、時には折檻される厳しい環境で育つことで、様々な場所で活躍していく要人となっていくのではないだろうか。


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先述した映画「キングズマン」に”MANNERS MAKETH MAN”.という決め台詞がある。ブランドに気を使うことは大変結構なことだ。しかし、他に忘れていることはないだろうか?この台詞は僕自身に対しても大変戒めになる言葉である。

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つい語勢を強めてしまったが、僕のように「キングスマン」の世界に感化され、一層傘を好きになってしまった方は少なくないはずだ。間違っても傘で人を殴打したり、柄でジョッキを挟んで投げつけたりしないことである。

BRITISH MADEでも取り扱いのあるPeerlessの傘

BRITISH MADEでも取り扱いのあるPeerlessの傘



Text&Photo by Shogo Hesaka

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部坂 尚吾

部坂 尚吾

1985年山口県宇部市生まれ、広島県東広島市育ち。松竹京都撮影所、テレビ朝日にて番組制作に携わった後、2011年よりスタイリストとして活動を始める。2015年江東衣裳を設立。映画、CM、雑誌、俳優のスタイリングを主に担い、各種媒体の企画、製作、ディレクション、執筆等も行っている。山下達郎と読売ジャイアンツの熱狂的なファン。毎月第三土曜日KRYラジオ「どよーDA!」に出演中。
江東衣裳
http://www.koto-clothing.com

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