傑作『007 カジノ・ロワイヤル』をフルオーケストラと共に堪能! | BRITISH MADE

BM RECORDS TOKYOへようこそ 傑作『007 カジノ・ロワイヤル』をフルオーケストラと共に堪能!

2018.02.08

「ジェームズ・ボンド 007『カジノ・ロワイヤル』inコンサート」開催決定!

前回は大ヒット中のスパイムービー「キングスマン:ゴールデン・サークル」公開記念として、スタイリッシュなスパイ映画3選をお届けしました。

そんな折、興味深いニュースが飛び込んできました。「ジェームズ・ボンド 007『カジノ・ロワイヤル』inコンサート」の開催が決定したそうです。

これは来たる4/29(日)13時より、東京国際フォーラム・ホールAにて、一日(一度)限り行われるもので、要は生演奏付きの映画上映ということです。
今回のコンサートは“シネオケR”という企画フォーマットにのっとって行われます。公式webによると、これは“大スクリーンでの映画上映 × オーケストラ生演奏による音楽”によるコンサートスタイルの総称のようです。

映画のセリフや効果音はそのままに、劇中に流れる音楽を全てオーケストラが演奏します。つまり、映像と音楽の迫力が臨場感を増幅させるのです。
こうしたスタイルのコンサートは欧米でも人気を博していて、日本でもこれまでに「ウエスト・サイド物語」、「ゴッドファーザー」、「スター・ウォーズ」、「E.T.」、「ハリー・ポッター」シリーズといった名作で上演されています。また、映画ではありませんが、人気ドラマ「相棒」シリーズも、これに似たスタイルのコンサートを行っていますね。

また本国イギリスでも2月よりQ THE MUSIC SHOWというボンド音楽の企画コンサートが行われていて、8月までイギリス各地で開催予定です。
ではここであらためて『007カジノ・ロワイヤル』について、ざっとおさらいしておきましょう。
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2006年に公開された本作は『007 ゴールデン・アイ』を手掛けたマーティン・キャンベルが監督を務め、007シリーズの21作目として誕生しました。5代目ピアーズ・ブロスナンから現6代目のダニエル・クレイグへとボンドが世代交代を果たした第1作目でした。
そもそも『007カジノ・ロワイヤル』は原作者イアン・フレミングによる007シリーズ小説の記念すべき第1作でした。しかし複雑に絡み合った権利関係(ここではかなり長くなるので端折りますが)のため、長年制作が実現しなかったという、いわくつきの原作でした。
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1967年にディッド・ニーヴンやウディ・アレンが出演したバージョンが上映されていますが、これは原作を大胆にアレンジした(というかほぼ原型をとどめていない)パロディで、言うなれば “番外”モノです。
まあバート・バカラックの音楽のみ高く評価されていて、日本でもファンの多いサントラですが、ともかく2006年版が正統にして初の『007カジノ・ロワイヤル』だったのです。
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6代目としてクレイグがアナウンスされた当時は「ボンドが金髪なんて!」、「イメージと違う!」、「長身じゃないぞ!」といった声が多数挙がり、「ダニエル・クレイグはボンドじゃない」なんていう、いわゆるヘイトスピーチならぬヘイトサイトまで立ち上がってしまいました。

後日、インタビューの場でクレイグは「あれには流石に傷ついたよ」と回想していましたが、それほど“誰がボンドになるか?”は世界中のファンの関心事だったというわけです。そして、これはダニエルが次作限りでの降板を宣言している現在もまた変わりありません。

大きなプレッシャーのもとで制作された本作でしたが、前作までの流れを一気にリブートしたシリアスかつリアル路線への方向転換が吉とでました。
ボンドの若さと未熟さと人間っぽさをリアルに押し出した“007エピソード・ゼロ”は、ル・シッフル(マッツ・ミケルセン)との息を呑むカジノでの攻防戦、ボンドにとって運命の恋人となるヴェスパー(エヴァ・グリーン)とのラヴシーン、アストン・マーチンが大破するカーアクション、そして終盤のベニスでの格闘など、手に汗握る数々の見せ場が設けられました。 で、蓋を開けてみれば全世界で興行収入5億9420万ドルを記録、007シリーズ最高記録を樹立しました(ちなみにこの記録、2012年には『007 スカイフォール』がさらに塗り替えることとなります)。

そんな『007カジノ・ロワイヤル』、サウンドトラックのスコアは『スターゲイト』、『インディペンデンス・デイ』、『ワイルド・スピードX2』、『ナルニア国物語』、『シャーロック』など数々の映画音楽で知られる作曲家・デヴィッド・アーノルドが担当しました。
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コンサートの公式webでも指摘していますが、アーノルドはそれまでのロックや打ち込み、ポップスのテイストが多用されていたサウンドトラックから一転、再びボンド音楽をオーケストラベースのスコアに戻しました。
おなじみのテーマ曲は本編の行方の手がかりとして部分的には流れるものの、フル使用はエンド・クレジットまで行われません。

またアーノルドは主題歌「You Know My Name」を、昨年惜しくも自死によりこの世を去ったクリス・コーネルと共同作曲し、そのメロディをスコア全体に織り込みました。さらにヴェスパーとの愛のテーマは、ボンドと彼女の関係性をよりドラマチックな姿へと導きました。
あ、忘れちゃならない恒例ファッションチェックも。本作でのボンドはスーツにブリオーニ、シャツがターンブル&アッサー、カジュアル(ポロシャツ)と下着類は主にサンスペル。ボンド・カーはアストン・マーチンDBSです。

そしてクレイグ・ボンド2作目となる次作『慰めの報酬』では、シューズのひとつとしてBRITISH MADE 取り扱いブランドであるチャーチのライダーⅢが登場します。ちなみにこれも以前ご紹介した通り、他にもブロスナン・ボンドがフィリップ、プレスリー、チェットウィンド、ディプロマットを愛用していましたね。
20180206_MG_3006 写真左:チェットウィンド 右:ディプロマット
話をコンサートに戻しましょう。今回、指揮をとるのはオーストラリア出身のニコラス・バック。数々の映画コンサートを成功させている指揮者であり音楽家です。さらに演奏は東京フィルハーモニー交響楽団が担当します。1911年創立された日本最古の歴史と伝統をもつオーケストラです。自主公演の他、新国立劇場などでのオペラ・バレエ演奏、NHK他の放送演奏など、国内外で多彩かつハイレベルな活動を展開しています。

というわけで、クレイグ・ボンドの原点にして傑作との呼び声が高い一作を、最高の布陣による演奏で体感することのできる、またとないチャンスです。
きっと新たな『007カジノ・ロワイヤル』の味わいに出会える瞬間となることを期待しています。

はい? 私ですか。無論、もうチケットを購入済みです。みなさんも今年のゴールドフィンガー……いやゴールデンアイ……じゃねえやゴールデンウィークの幕開けを飾るイベントとして(笑)、ぜひドレスアップして足を運んでみてはいかがでしょうか? 
チケットは各プレイガイドで発売中。S席9,800円、A席7,800円、B席2,800円(税込。※3歳以下のお客様のご入場は不可)。チケット予約やお問い合わせは公式webまたはキョードー東京まで。

ではまた次回!

Text by Uchida Masaki

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内田 正樹

内田 正樹

エディター、ライター、ディレクター。雑誌SWITCH編集長を経てフリーランスに。音楽をはじめファッション、映画、演劇ほか様々な分野におけるインタビュー、オフィシャルライティングや、パンフレットや宣伝制作の編集/テキスト/コピーライティングなどに携わる。不定期でテレビ/ラジオ出演や、イベント/web番組のMCも務めている。近年の主な執筆媒体は音楽ナタリー、Yahoo!ニュース特集、共同通信社(文化欄)、SWITCH、サンデー毎日、encoreほか。編著書に『東京事変 チャンネルガイド』、『椎名林檎 音楽家のカルテ』がある。

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