エルトン・ジョンに捧げるトリビュートアルバム | BRITISH MADE

BM RECORDS TOKYOへようこそ エルトン・ジョンに捧げるトリビュートアルバム

2018.04.12

稀代のシンガー、その功績を錚々たる面々が歌でリスペクト

このSTORIESでも度々紹介されていた『キングスマン:ゴールデンサークル』。早いものですでにBlu-ray&DVDがリリース、配信も開始されています。

その中で、世界中の音楽ファンの度肝を抜く怪演(笑)を見せたのが、エルトン・ジョンでした(いやほんとあれはびっくりしたよ……)。
あの映画を観るとやや説得力に欠けますが(苦笑)、エルトン、もちろんすごい人なんですよ。
1969年のデビュー以来、「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」、「クロコダイル・ロック」、マリリン・モンロー(ノーマ・ジーン)に捧げられ、ダイアナ妃逝去の際にはリメイクもされた「キャンドル・イン・ザ・ウィンド(風の中の火のように)」、「ダニエル」など数多の代表曲を持ち、シングルとアルバムの総売り上げは、ビージーズやストーンズ、ピンク・フロイドを上回る約3億枚を誇るのです。
先日、そのエルトン・ジョンに捧げられたトリビュート・アルバム『ユア・ソング〜エルトン・ジョン ベスト・ヒッツ・カヴァー』がリリースされました。
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これは海外でリリースされた『Revamp』と『Restoration』の前者に当たります。ちなみに『Revamp』はポップ・アーティスト達によるカバー集、『Restoration』はカントリー・ミュージシャンを中心にしたカヴァー集という内容で、Spotifyではこの二枚が合体した形でリスニングできるようになっています。

『ユア・ソング〜』(=つまり『Revamp』)では、エルトンと大の仲良しというレディー・ガガ、今月(4月)来日中で、デビューをエルトンに後押ししてもらったというエド・シーラン、さらにコールドプレイ、フローレンス・アンド・ザ・マシーン、マムフォード&サンズ、メアリー・J. ブライジ、ザ・キラーズ、Qティップ、サム・スミス、マイリー・サイラス、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジほかといった錚々たる面々が参加しています。
ちなみに『Restoration』ではウィリー・ネルソン、ドン・ヘンリー、ヴィンス・ギル、ロザンヌ・キャッシュ、エミルー・ハリス、マイリー・サイラス、ドリー・パートン、ミランダ・ランバートほかが参加。こちらも豪華な面々です。

『ユア・ソング〜』日本盤にちらっと触れていきましょう。まずはレディー・ガガの歌う「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」がリードトラックの役割を果たし、アルバムの1曲目を飾っています(※海外盤及び配信盤は曲順が異なります)。
そしてこちらはア・トライブ・コールド・クエストのメンバーだったQティップが、アメリカのティーンに人気のシンガーであるデミ・ロヴァートをフィーチャリングした「恋のデュエット」のMVです。
このアルバムの前頭には“REIMAGINING THE SONG OF ELTON JOHN & BERNIE TAUPIN”と書かれています。

エルトンの代表曲は、そのほとんどが作詞家であるバーニー・トーピンとのパートナーシップから生まれたもの。つまりこのトリビュート盤は、50年に渡って続いてきた二人の絆と、そのクリエイティブの功績に対して捧げられているのです。美しいメロディ、詩情溢れるリリック。二人の書いた数々の名曲の普遍的な魅力は、このトリビュート盤からも大いに感じられるはずです。
現在71歳のエルトンは、80年代に同性愛者であることをカミングアウト。1998年には長年の音楽活動に対する功績を称えられ、英王室からナイトの称号が授与されました。そして2014年には同性パートナーと正式に結婚、現在、代理母が出産した2人の子供を育てています。
そしてその家族と過ごす時間を増やすため、今年9月に始まる世界ツアーを最後に公演活動から引退すると表明しています(*アルバム制作や作曲活動は継続とのこと)。
ちなみにファッションのトピックにも触れておくと、このツアーをサポートしているブランドがグッチです。ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレ自らが指揮を執り、ツアーの衣装を手掛けます。エルトンとミケーレとの個人的な交友関係が契約に至った理由だそうです。また今期のグッチではエルトンのシングル「Levon」のジャケ写をモチーフとしたスペシャルコレクションコレクションも展開されています。
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この世界ツアーはアメリカを皮切りに2021年まで続く予定で、2019年末の来日予定もアナウンスされています。日本で観られる最後のエルトンのライブが今から楽しみでなりません。

『ユア・ソング〜エルトン・ジョン ベスト・ヒッツ・カヴァー』、ぜひチェックしてください。ではまた!

Text by Uchida Masaki

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内田 正樹

内田 正樹

エディター、ライター、ディレクター。雑誌SWITCH編集長を経てフリーランスに。音楽をはじめファッション、映画、演劇ほか様々な分野におけるインタビュー、オフィシャルライティングや、パンフレットや宣伝制作の編集/テキスト/コピーライティングなどに携わる。不定期でテレビ/ラジオ出演や、イベント/web番組のMCも務めている。近年の主な執筆媒体は音楽ナタリー、Yahoo!ニュース特集、共同通信社(文化欄)、SWITCH、サンデー毎日、encoreほか。編著書に『東京事変 チャンネルガイド』、『椎名林檎 音楽家のカルテ』がある。

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