こんにちは、川合亮平です。
みなさま、お元気でしょうか。
僕は個人的にダジャレとか言葉遊びの類とか、割と好きな方なんですが、あなたはどうでしょうか?
(例えばこんな本が好きだったりします↓↓↓)
長谷川義史さんの「だじゃれ世界一周」
言葉遊びって、ある程度言語のセンスを問われるものだし、まず大前提として、その言語のことをよくわかってないと楽しめないですよね。
そういう意味で、我々日本人にとって、英語の言葉遊びってなかなかにハードルが高いですが、 逆にいうと、チャレンジしがいがあるものだともいえるかもしれません。
イギリスで電車に乗ってて目にする広告や、食品のパッケージなどでふと目にするキャッチコピーには、シンプルなんだけど、ピリッと言葉遊びを効かせたものが少なくないように感じます。
そういうのに出会うのも英国に居ることの1つの楽しみでもあります、僕の場合。
そして、それらに出会うと、自分がちゃんと理解できるかどうか、ついムキになって考えてしまいます。
今回の記事では僕がイギリスで出会った3つの言葉遊びキャッチコピーを紹介します。
クイズ形式ですので、パッと見てそのコピーの面白さを感じられるかどうか挑戦してみてね!
What can I say? I’M HOT
というコピー。
さて、この文章の面白さは何処に?
ポイントは、hotがダブルミーニング(2つの意味を掛け持っている)になっていることです。
1つ目は、ホットコーヒーなので、カップが擬人化して「私を持つと熱いですよ」という意味のhot。
そして、2つ目の意味は、その前の文に What can I say?が付いているからこそ生まれる意味のhotなんです。
What Can I say?って、どういう意味かというと、
「そんなこと言ったって、仕方ないじゃない」みたいなニュアンスで、
開き直りの気持ちを表現するフレーズなんです。
この文にI’m hot.が続くことで、
「What can I say? I’M HOT(自分ではどうすることもできないのよ、私の美貌はね)」みたいな意味になります。
そうですね、hot2つ目の意味は、“魅力的な”になるんですよ。
まとめると、
持つ人に対して「熱いですよ」と業務的な連絡をするのと同時に、
このカップが擬人的に「自分ではどうすることもできないのよ、私の美貌はね」と言っている可笑しみを誘うものなんですね〜。
シンプルだけど茶目っ気があるナイスなコピー!
どこをどういう風につっこんでやろうかしらと思わずにはいられない看板です。
これはthe Edinburgh Dungeon、僕が去年エディンバラに行った時に撮ったものですが、“Dungeon”は、チェーンの娯楽施設で、
他には、Amsterdam, Berlin, Blackpool Tower, Hamburg, London, San Francisco, Warwick Castle、Yorkといったような場所にも同じアトラクションがあるようです。
ロンドン・ダンジョンは、ロンドンアイの乗り場のすぐ向かいにありますよね。
このダンジョンというアトラクション、僕は行ったことないのでよく知らないのですが、英国(ヨーロッパ)の血なまぐさい歴史をリアルなヴィジュアルや特殊効果でエンターテイメントとして楽しめる施設のようです。
なかなか骨太というか、“なんでもありか”と言いたいアトラクションですが、行ったら行ったで楽しいんだと想像します。
とまれ、このコピーに注目:Have you got the guts? 。
いかにもクレイジーな感じのLadyがおっしゃっている感じになってます。
このコピーのポイントは、Gutsがダブルミーニングになっていること。
Guts(人間の身体の中の内臓)という意味と、Guts(ガッツ・勇気)の2つの意味がかかってるんです。
どういうことかというと、
この“ダンジョン”というスケアリーなアトラクションに来たお客さんに対して一言;
「Have you got the guts?(この中に入る)勇気はあるのかい!?」とクレイジー・レイディーが問いかけているんです。
これがまあ基本の意味です。
そして、ふとレイディーの手に掲げられたものを見ると・・・、何やこれ。
お餅?
いや、お餅ちゃうちゃう、
人間のなんらかの内臓の一部でしょうね・・・、心臓かな。
つまり、2つ目の意味は文字どおり、
「Have you got the guts?(内臓、手に持ってる?)」
いや、持ってるかい!と反射的につっこんでしまいますが、彼女は持ってるわけでね。
内臓を手に持っている人から「内臓、持ってる?」って尋ねられるって、どんだけシュールなシチュエーション。
そんなダブルミーニングのコピーでした。
このコピーは、クレイジー・レイディーのいかにもクレイジーな表情がポイントだと思います。
ナイス!
さて、最後のキャッチコピーはこちら。
これが一番難しいかな?と思いますが、いかがでしょうか。
お分かりになりますか?
It takes two to tango.
というコピーの下に、なにやらカプセルの錠剤のパッケージが。
これもダブルミーニングなんですよ。
まず比較的分かりやすい意味としては、
「It takes two to tango.(タンゴは2人で踊ります)」ですね。
直訳すると:タンゴを踊るには2人必要、と。
しかしこの意味では、絵と全くマッチしてないじゃんか!ということになるわけです。
じゃあ、タブレットとタンゴにどういう関係が?
するとひらめくわけですね、「あ、なるほど!」
2つ目の意味は、
「It takes two to tango.(2つタブレットを飲むことでタンゴを踊れます)」
です。
え?どういうこと?飲むと急にタンゴが踊れるようになる魔法のタブレット?
22世紀の秘密道具的なやつ?
いや、そうじゃなくて、このお薬、簡単にいうと“痛み止め”なんです。
つまり、
「身体に痛みがあっても、この痛み止めを2錠飲むことで、痛みから解放されてタンゴが踊れまっせ」
という意味なんですね。
いやいやいや、痛みがあったらそもそもタンゴ踊らんで休んどいたらええやん、って僕なんかは思うんですけどね、
でも、「何をおいてもタンゴだけは踊らせてくれ、たのむ!」、という感じの方とか、
止むに止まれぬ事情でタンゴor Dieみたいなシチュエーションの方も世界のどこかにはいるかも知れませんしね。
なかなか洒落が効いているコピーだと思います。
ナイス!
さてさて、
まあ、そんなこんなで、英国の街で見かけた氣の利いたキャッチコピー3選、お届けしました。
こういったのを探して、見つけて、考えて、わかった!ってなるのも、
観光のちょっとした楽しみになりえると思いますよ。
では、また次回の記事でお会いしましょう。
川合亮平でした。
■この記事へのご感想やお仕事のお問い合わせはメールにて:ryoheikawai@hotmail.co.jp
関連リンク
使える英会話 イギリス独特の表現、スラングを紹介![後編]
使える英会話 イギリス独特の表現、スラングを紹介![前編]
みなさま、お元気でしょうか。
僕は個人的にダジャレとか言葉遊びの類とか、割と好きな方なんですが、あなたはどうでしょうか?
(例えばこんな本が好きだったりします↓↓↓)
長谷川義史さんの「だじゃれ世界一周」
そういう意味で、我々日本人にとって、英語の言葉遊びってなかなかにハードルが高いですが、 逆にいうと、チャレンジしがいがあるものだともいえるかもしれません。
イギリスで電車に乗ってて目にする広告や、食品のパッケージなどでふと目にするキャッチコピーには、シンプルなんだけど、ピリッと言葉遊びを効かせたものが少なくないように感じます。
そういうのに出会うのも英国に居ることの1つの楽しみでもあります、僕の場合。
そして、それらに出会うと、自分がちゃんと理解できるかどうか、ついムキになって考えてしまいます。
今回の記事では僕がイギリスで出会った3つの言葉遊びキャッチコピーを紹介します。
クイズ形式ですので、パッと見てそのコピーの面白さを感じられるかどうか挑戦してみてね!
その1:ヴァージン列車の車内コーヒーカップ
というコピー。
さて、この文章の面白さは何処に?
ポイントは、hotがダブルミーニング(2つの意味を掛け持っている)になっていることです。
1つ目は、ホットコーヒーなので、カップが擬人化して「私を持つと熱いですよ」という意味のhot。
そして、2つ目の意味は、その前の文に What can I say?が付いているからこそ生まれる意味のhotなんです。
What Can I say?って、どういう意味かというと、
「そんなこと言ったって、仕方ないじゃない」みたいなニュアンスで、
開き直りの気持ちを表現するフレーズなんです。
この文にI’m hot.が続くことで、
「What can I say? I’M HOT(自分ではどうすることもできないのよ、私の美貌はね)」みたいな意味になります。
そうですね、hot2つ目の意味は、“魅力的な”になるんですよ。
まとめると、
持つ人に対して「熱いですよ」と業務的な連絡をするのと同時に、
このカップが擬人的に「自分ではどうすることもできないのよ、私の美貌はね」と言っている可笑しみを誘うものなんですね〜。
シンプルだけど茶目っ気があるナイスなコピー!
その2:観光アトラクション:“ダンジョン”のコピー
これはthe Edinburgh Dungeon、僕が去年エディンバラに行った時に撮ったものですが、“Dungeon”は、チェーンの娯楽施設で、
他には、Amsterdam, Berlin, Blackpool Tower, Hamburg, London, San Francisco, Warwick Castle、Yorkといったような場所にも同じアトラクションがあるようです。
ロンドン・ダンジョンは、ロンドンアイの乗り場のすぐ向かいにありますよね。
このダンジョンというアトラクション、僕は行ったことないのでよく知らないのですが、英国(ヨーロッパ)の血なまぐさい歴史をリアルなヴィジュアルや特殊効果でエンターテイメントとして楽しめる施設のようです。
なかなか骨太というか、“なんでもありか”と言いたいアトラクションですが、行ったら行ったで楽しいんだと想像します。
とまれ、このコピーに注目:Have you got the guts? 。
いかにもクレイジーな感じのLadyがおっしゃっている感じになってます。
このコピーのポイントは、Gutsがダブルミーニングになっていること。
Guts(人間の身体の中の内臓)という意味と、Guts(ガッツ・勇気)の2つの意味がかかってるんです。
どういうことかというと、
この“ダンジョン”というスケアリーなアトラクションに来たお客さんに対して一言;
「Have you got the guts?(この中に入る)勇気はあるのかい!?」とクレイジー・レイディーが問いかけているんです。
これがまあ基本の意味です。
そして、ふとレイディーの手に掲げられたものを見ると・・・、何やこれ。
お餅?
いや、お餅ちゃうちゃう、
人間のなんらかの内臓の一部でしょうね・・・、心臓かな。
つまり、2つ目の意味は文字どおり、
「Have you got the guts?(内臓、手に持ってる?)」
いや、持ってるかい!と反射的につっこんでしまいますが、彼女は持ってるわけでね。
内臓を手に持っている人から「内臓、持ってる?」って尋ねられるって、どんだけシュールなシチュエーション。
そんなダブルミーニングのコピーでした。
このコピーは、クレイジー・レイディーのいかにもクレイジーな表情がポイントだと思います。
ナイス!
その3:タンゴ???
これが一番難しいかな?と思いますが、いかがでしょうか。
お分かりになりますか?
It takes two to tango.
というコピーの下に、なにやらカプセルの錠剤のパッケージが。
これもダブルミーニングなんですよ。
まず比較的分かりやすい意味としては、
「It takes two to tango.(タンゴは2人で踊ります)」ですね。
直訳すると:タンゴを踊るには2人必要、と。
しかしこの意味では、絵と全くマッチしてないじゃんか!ということになるわけです。
じゃあ、タブレットとタンゴにどういう関係が?
するとひらめくわけですね、「あ、なるほど!」
2つ目の意味は、
「It takes two to tango.(2つタブレットを飲むことでタンゴを踊れます)」
です。
え?どういうこと?飲むと急にタンゴが踊れるようになる魔法のタブレット?
22世紀の秘密道具的なやつ?
いや、そうじゃなくて、このお薬、簡単にいうと“痛み止め”なんです。
つまり、
「身体に痛みがあっても、この痛み止めを2錠飲むことで、痛みから解放されてタンゴが踊れまっせ」
という意味なんですね。
いやいやいや、痛みがあったらそもそもタンゴ踊らんで休んどいたらええやん、って僕なんかは思うんですけどね、
でも、「何をおいてもタンゴだけは踊らせてくれ、たのむ!」、という感じの方とか、
止むに止まれぬ事情でタンゴor Dieみたいなシチュエーションの方も世界のどこかにはいるかも知れませんしね。
なかなか洒落が効いているコピーだと思います。
ナイス!
さてさて、
まあ、そんなこんなで、英国の街で見かけた氣の利いたキャッチコピー3選、お届けしました。
こういったのを探して、見つけて、考えて、わかった!ってなるのも、
観光のちょっとした楽しみになりえると思いますよ。
では、また次回の記事でお会いしましょう。
川合亮平でした。
■この記事へのご感想やお仕事のお問い合わせはメールにて:ryoheikawai@hotmail.co.jp
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川合 亮平
(かわいりょうへい)
通訳者・東京在住
関西の人気テレビ番組で紹介され、累計1万部突破の『なんでやねんを英語で言えますか?』(KADOKAWA)をはじめ、著書・翻訳書・関連書は10冊以上を数える。
通訳者としては直近で東京五輪関連のビジネス会議、アスリート通訳に携わる。その他、歌手のエド・シーラン、映画『ファンタビ』シリーズのエディ・レッドメイン、BBCドラマ『シャーロック』のベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、ヒットドラマ『ダウントン・アビー』の主要キャストなど、ミュージシャン、俳優への通訳・インタビューも多数手がけている。