デヴィッド・ボウイがあなたの部屋に。 | BRITISH MADE

BM RECORDS TOKYOへようこそ デヴィッド・ボウイがあなたの部屋に。

2019.01.10

『DAVID BOWIE is』スマホARアプリ登場!

あけましておめでとうございます。2016年、自身の誕生日(1月8日)の2日後の1月10日に、デヴィッド・ボウイは突如この世を去りました。早いもので、あれからもう3年の歳月が過ぎました。

そんな彼の72回目の誕生日に当たる先日(2019年1月8日)、うれしいニュースが届きました。「David Bowie is」スマホAR(拡張現実)アプリ(iOS・アンドロイド対応)がリリースされたのです。
David Bowie 1973 Photograph by Masayoshi Sukita
このアプリは、2013年に英ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)にて開催され、トータルで世界11ヵ国、12都市を巡回、同博物館史上最大の200万人以上の観客動員数を記録した展覧会『DAVID BOWIE is』をARデジタル化したものです。同展は、V&Aのヴィクトリア・ブロークスとジェフリー・マーシュによってキュレーションされ、日本でも2017年1月8日〜4月9日に東京にて開催されました。このSTORIESでも紹介しました。下の映像はその際のドキュメンタリー映画予告編です。
アプリには、1972年レインボー・シアターにおけるライブ、1990年のサウンド&ビジョン・ツアー、1989年ハーブ・リッツ撮影によるフォトセッション、1974年『ダイアモンドの犬』ツアーのライブ、『ダイアモンドの犬』の実験的映像、1976年のステイション・トゥ・ステイションツアーのリハーサルの模様など、様々な映像をはじめとする400点以上もの資料が収録されています。

さらに本邦初公開資料として、ニューヨークのブルックリン・ミュージアムのみで展示された「ラザルス」の台本、彼のラストアルバムとなった「★」(ブラックスター)のミュージックビデオ制作に際して描かれたボウイ本人によるスケッチブック、オリジナル歌詞、ビデオコンセプトの下絵も収録されています。
また、ナレーション(英語)を2017年の映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』の名演もいまだ記憶に新しい、アカデミー賞受賞俳優のゲイリー・オールドマンが担当していることも大きなトピックです。
Photo: Hideo Oida
このアプリ、すでにダウンロード購入して実際に使ってみましたが、むちゃくちゃ優れモノです。ゴーグルなど別途必要なアイテムも必要なく、iPhoneかスマホがあってイヤフォンまたはヘッドフォンを装着すれば(絶対にしたほうがいいです!)、すぐさま楽しめます。しかも、アートディレクション、彩度、画角、比率、再現度、解説(日本語)、その全てのクオリティがものすごくハイレベルなのです!!
まず、入場すると、部屋でもどこでも、あなたがいま居る場所がミュージアムのロビーとなります。で、簡単な位置調節を済ませるとすぐに入場ができ、瞬く間にあなたの居る場所がボウイ空間となります。

衣装や貴重な展示品を、360度全方位からより細部に渡って鑑賞することが可能なため、展覧会ではガラスの向こう側にあった衣装の裏側をも鑑賞することができるのも、このアプリの大きな感動ポイントのひとつです。
無論、フレディ・ブレッディ、山本寛斎、アレキサンダー・マックイーンらが手掛けた数々の衣装も手に取るように鑑賞することができます。寛斎が手掛けたあのマントにも、かなり近くまで寄ることができるのです。
そもそもボウイはAR/VRとは相性が良さそうなアートワークの数々を遺したアーティストではありましたが、目の前にスターマンのミクロコスモスが広がると、あらためて彼の深遠なクリエイティビティのスケールに息をのみます。

彼の美麗な雄姿の数々が、自分の部屋を背景に立ち上ってくる様子は感動モノですが、ちょっと彼に申し訳ない気もします(苦笑)。自分のiPhoneで使った際のキャプチャーをアップしようと思ったのですが、私の雑然とした部屋を披露してもしょうがないのでやめておきます……(泣)。ともかく、この感動は是非ご自身で体感してください。
このアプリは、デヴィッド・ボウイ・アーカイブと2017年に「DAVID BOWIE is」の日本展を主催した株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントの共同企画による初めてのリリースです。AR/VR版のデザイン制作と開発は、ニューヨークの制作会社PLANETAが担当しました。前述のキュレーターとこのアプリを企画した日本人ディレクター嬢を含む、開発チームの努力と功績に、一ボウイファンとして、大きな拍手を送りたい思いです。

25にも及ぶセクションに所蔵された400点以上にも及ぶアイテムはいずれも見応え十分です。まさに美術館を巡るようにじっくりと、しかしいつでも好きな時に、自分のペースで楽しめる『DAVID BOWIE is』スマホARアプリは、1月31日まで特別価格¥960で販売中です。2月以降は¥1,200になるそうですが、いずれにせよ価格以上の喜びを得られることは間違いありません。私が保証します(というか、ぶっちゃけ安いと思うよこれは…)。

デヴィッド・ボウイとは何者だったのか? このアプリを通して、あなたなりの答えを導き出してみてはいかがでしょうか? 私もいま、あらためてこのアプリを楽しみながら、その行為と向き合っているところです。
『DAVID BOWIE is』スマホARアプリ、ぜひチェックしてください。ではまた!

『DAVID BOWIE is』スマホARアプリ
iOS版はこちら
Android版はこちら
1月31日まで特別価格¥960で販売中(2月以降は¥1,200で販売)。
https://davidbowieisreal.com
Text by Uchida Masaki

関連リンク
デヴィッド・ボウイ大回顧展『DAVID BOWIE is』好評開催中


plofile
内田 正樹

内田 正樹

エディター、ライター、ディレクター。雑誌SWITCH編集長を経てフリーランスに。音楽をはじめファッション、映画、演劇ほか様々な分野におけるインタビュー、オフィシャルライティングや、パンフレットや宣伝制作の編集/テキスト/コピーライティングなどに携わる。不定期でテレビ/ラジオ出演や、イベント/web番組のMCも務めている。近年の主な執筆媒体は音楽ナタリー、Yahoo!ニュース特集、共同通信社(文化欄)、SWITCH、サンデー毎日、encoreほか。編著書に『東京事変 チャンネルガイド』、『椎名林檎 音楽家のカルテ』がある。

内田 正樹さんの
記事一覧はこちら

同じカテゴリの最新記事