デュア・リパ。エラ・メイ。新世代のディーバたち
2月10日(日本時間11日)、第61回グラミー賞の授賞式が行われました。特に注目されたのは、チャイルディッシュ・ガンビーノの「This Is America」による最優秀レコード賞、楽曲賞のダブル受賞でしょう。ラップの曲がレコード賞を獲得するのは史上初。楽曲賞でも初めての快挙でした。ラップ音楽が誕生してから約半世紀。まさに歴史的な瞬間でした。
さらに、この曲のミュージックビデオを制作した、日本人監督ヒロ・ムライ(父は作曲家で音楽プロデューサーの村井邦彦。ユーミンやYMOのデビューにも関わっていた方です)も、最優秀ビデオ賞を獲得。日本のニュースでも大きく取り上げられました。
さて、このグラミー賞では、UK出身の二人の歌姫が受賞しました。最優秀新人賞を受賞したデュア・リパと、最優秀R&Bソング賞を受賞したエラ・メイです。今回はこの二人を紹介したいと思います。
まずはデュア・リパです。現在23歳。1995年、コソボ出身のアルバニア人の両親の元に生まれました。
実は昨年、次回の「007」シリーズ最新作(*タイトル未定。2020年公開予定)の主題歌に彼女が抜擢されるかも?というニュースが流れました。真偽はさておき、さらに脚光を浴びることは間違いないでしょう。
そしてエラ・メイです。彼女は現在24歳。1994年生まれ、サウス・ロンドン出身です。
2017年2月リリースの3作目『Ready』に収録されていたのが、のちに大ヒットを記録する「Boo’d Up」です。2018年にメジャー展開されたこの曲は、7月に全米チャート5位を記録。全米R&Bチャートでは1位を獲得しました。これはUK出身の女性ソロ・シンガーとして、リサ・スタンスフィールドの「All Woman」(91年)以来、26年振りとなる快挙だったそうです。
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内田 正樹
エディター、ライター、ディレクター。雑誌SWITCH編集長を経てフリーランスに。音楽をはじめファッション、映画、演劇ほか様々な分野におけるインタビュー、オフィシャルライティングや、パンフレットや宣伝制作の編集/テキスト/コピーライティングなどに携わる。不定期でテレビ/ラジオ出演や、イベント/web番組のMCも務めている。近年の主な執筆媒体は音楽ナタリー、Yahoo!ニュース特集、共同通信社(文化欄)、SWITCH、サンデー毎日、encoreほか。編著書に『東京事変 チャンネルガイド』、『椎名林檎 音楽家のカルテ』がある。