
本作は、スコットランド女王メアリー・スチュアートとイングランド女王エリザベスⅠ世の波乱に満ちた人生を描く。
生後すぐにスコットランド女王、16歳でフランス王妃となったメアリー・スチュアートは、未亡人となった18 歳にスコットランドへ帰国し王位に戻る。さらに、メアリーは隣国イングランドの王位継承権を主張、エリザベスⅠ世の権力を脅かす。恋愛、結婚、出産を経験し、若く美しく自信にあふれたメアリーに複雑な想いを抱くエリザベス。誰よりも理解し合えたはずの孤独な若き女王たちは、従姉妹でありながら恐れ合い、それぞれ陰謀渦巻く宮廷の中で運命に翻弄され戦うのだった……。

『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』が撮影されるまで
プロデューサーのティム・ビーヴァンとエリック・フェルナー、デボラ・ヘイワードは、ケイト・ブランシェット主演、シェカール・カプール監督作品『エリザベス』(99)とその続編『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(08)を製作した経験から、メアリー・スチュアートの生涯に興味を持っていた。 

アジア系や黒人が登場する英国史劇の誕生
本作の舞台は16世紀のスコットランドとイングランド。大航海時代の最中、イギリスが植民地支配進出に遅れを取っていた時代。しかし、本作には、エリザベスⅠ世の侍女として中国・香港系の両親を持つジェンマ・チャン(『クレイジー・リッチ!』)や、イングランド大使役でジャマイカ人の両親を持つエイドリアン・レスター(『デイ・アフター・トゥモロー』)など、人種の垣根を超えてイギリスで活躍する実力派俳優らが起用されているのだ。 
「俳優のオーディションをしているときに、非常に多くの俳優が時代ものの映画に出演する機会を持てずにいると聞き驚きました。イギリスで最も才能を持った素晴らしい俳優たちで、シェイクスピア劇など数え切れないほどの舞台出演を経験しているのに、映画ではないと。本作では純粋に素晴らしい才能を受け入れるキャスティングを心掛けました」と語っている。
撮影地とセット
プロデューサー陣とルークは、スコットランドとイングランドで撮影することに重要性を感じていた。その結果、グロスター大聖堂はエリザベスⅠ世が過ごすハンプトン・コート宮殿の修道院と回廊になり、大聖堂の地下室はメアリーの独房となった。スコットランドでの撮影は、大人数のクルー、馬や馬車や武器、時代劇の衣裳など移動だけでも挑戦だった。しかし、スコットランドの土壌性はメアリーを語るうえで欠かせない。スコットランド全土を旅し、数多くの城を渡り歩いたメアリーの旅を再現することで、精神的にも地理的にもスコットランドに根付いたものになった。

美術を担当したジェームズ・メリフィールドは雄大なスコットランドの自然に見合うように大規模なホリールード宮殿のセットを製作した。グロスター大聖堂の中庭はエリザベスⅠ世のベッドルームに投影されるように組み立てられた。

衣裳とヘアメイクの裏側
『エリザベス:ゴールデン・エイジ』でアカデミー賞®を受賞したアレクサンドラ・バーンは、エリザベスの衣裳を熟知していた。歴史的な正確さを追求することもできるが、完璧には知りえない、創造的な解釈の余地がある時代だからこそ、『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』では『エリザベス』二作とは違ったルックを探求した。エリザベスⅠ世は権力と外見に対して自覚的、一方でメアリーは実用的だったという考えのもとに、女王たちが身につける荘厳な衣裳を構築した。
『エリザベス』でアカデミー賞®を受賞した、ジェニー・シャーコアはバーンと綿密に意思疎通をしながら協働した。バーンがメアリーを中心にもたらした現代的な解釈をもとに、シャーコアはスコットランド男性たちを、ワイルドな環境に合わせて少しだけ毛深くした。そして、イングランド宮廷の人々はより手入れをされた髪型をデザインした。

イギリス演劇界のトップ女性演出家ジョージー・ルークを筆頭に、最高のスタッフが集結し、16世紀を生きたふたりの女王の激しくも華麗な物語を構築した本作。現代的な解釈と演出を大胆に加わえたその手腕にも注目してみてほしい。
『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマほか絶賛上映中。
www.2queens.jp
(c)2018 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
