日本未上陸!面白そうな英国映画8選 | BRITISH MADE

川合亮平、僕のUK観光道 日本未上陸!面白そうな英国映画8選

2019.05.21

こんにちは、川合亮平です。

皆様におかれましてはGWはいかがお過ごしでしたでしょうか。

Golden Weekはもちろん日本独特な風習で和製英語なので、普通にイギリスに暮らす人々に“Golden Week”と言っても「??」という反応が返ってくるのが予想されます。

じゃあなんと言って相手に分かってもらえば良いのかというと、色々言い方はあると思うんですが、単刀直入に“10-day vacation”とか、“10 days off”とか言うとスッキリ通じると思いますよ。

万が一「なぜ10連休も?!」みたいな雰囲気を相手が出して、少し込み入った言い方になりますが、例えば、

an extra-long holiday to commemorate the coronation of the country’s new emperor
(いつもより長い休日 新しい天皇即位を祝福して)

みたいな感じで説明するとよいと思います。

GW中、映画鑑賞を楽しまれた方も少なくないと思いますので、
今回の記事では日本未上陸の注目英国映画をバババーーーッと8本紹介します。
今回の記事は数で勝負だ。

基本的には新作、または準新作になります。
(僕の調査不足、またはこの記事を読まれるタイミングによっては日本公開が決まっている作品もあるかもしれませんが、そういった細かい点はどうぞご了承ください)

なお、僕も全て未見なので、個人的感想の記述に関しては、何の役にも立たず、箸にも棒にもかからない“観てない人のたわ言”であることをあらかじめお伝えしておきますね。

その1:Fighting with my family(ファイティング・ウィズ・マイ・ファミリー)

■概要:2019年公開。映画スターの“ロック”こと、ドウェイン・ジョンソン氏が英国に滞在中に、ホテルのテレビでたまたま観たドキュメンタリー番組が事の始まり。イギリスのワーキング・クラス家族がプロレスに情熱を傾けて、その娘さんがレスラーとして本場アメリカで大成功する、という実話サクセス・ストーリーを元にした作品です。

■評価:英国ではスマッシュヒットとなり、興行ランキングでも結構長い間上位に止まっていました。そして、題材も演出も俳優もみんな素晴らしいと、評価も上々でした。笑って泣けるエンターテイメントとのこと。

■感想:監督のスティーブン・マーチャント氏は、僕が敬愛してやまない英コメディアン:リッキー・ジャベイス氏の相棒として長年素晴らしい作品を世に送り出してきた方なんですよ。彼らは今は一緒に活動されていないんですが、この作品はたぶんマーチャント氏の初監督作品だと思います。脚本も担当されていて、そういう意味でもすごく気になっている作品です。ぜひ観たいな。

その2:Nothing Like a Dame(ナッシング・ライク・ア・デイム)

■概要:2018年公開。デイム(ナイトの称号を授与された女性に用いるサーに相当する表現)の称号を持つ泣く子も黙る英国大物女優4人、 ジュディ・デンチさん、アイリーン・アトキンスさん、マギー・スミスさん、ジョーン・プロウライトさんが、毒舌で(?)ざっくばらんに仕事や人生を語り尽くす、という斬新なトーク映画。

■評価:これ、面白くないと評価したら業界から消されるんじゃないでしょうかね?いや、そういう圧力はないと思いますが、やっぱりかなり見応えがある作品のようですよ。そりゃそうでしょうね。なかなか普段味わえるコラボレーションじゃないですからね。

■感想:人生勉強のために観たい1本です。学びがすごく多そうです。

その3:Fisherman’s Friends(フィッシャーマンズ・フレインズ)

■概要:2018年公開。英国コーンウォールの小さな漁村の漁師たちがボーインズバンドとしてデビュー!? という実話を元にしたドタバタ・ハートウォーミング・コメディ。

■評価:類似作品で言うと「フル・モンティ」的なテイストだと思いますが、「フル・モンティ」とは違い、こちらの作品は評論家の評価としてはあんまり高くないんです。僕が大好きなイギリスを代表する映画評論家のマーク・カーモード氏曰く「面白くなくはないけど、話がちょっと美化されている感じがして、入っていけなかった」と。

■感想:予告編を見る限りいかにもイギリス!って感じの作品。ぼく、コーンウォールに行ったことがなくて、是非行ってみたいと思っているんです。そういう理由で観たい作品。現地の景色などがすごく魅力的に描かれているらしいので。

その4:All is true(オール・イズ・トゥルー)

■概要:2019年公開。シェイクスピアの晩年を描いた作品。コメディの要素もあるしっかりしたドラマに仕上がっているようです。シェイクスピアの魅力を伝えさせたら当代随一というケネス・ブラナー氏が監督・主演。そして、助演にはジュディ・デンチさん。

■評価:評判通り“まちがいのない”作品のようです。つまり、観て損はない、という。あくまでゆっくり淡々とドラマは進んでいくようなんですが、見応えはバッチリという評価です。

■感想:内容が信頼に足りるか足りないか?というポイントがとても大切になってくるのが伝記物だと思うんですが、そういう意味でこの作品はかなりの高得点のようですね。観たいです。シェイクスピアさんの生誕地ストラット・フォード・アポン・エイボンを取材させていただいたこともあるので、より親身になって楽しめそうな気がしてます。

その5:Juliet, Naked(ジュリエット・ネイキッド)

■概要:2018年公開。ハートウォーミング・ラブコメ。 現代英国(ロンドン)が舞台で『About a boy』などで有名なイギリス人小説家ニック・ホーンビィ氏の小説が原作。アメリカ人俳優イーサン・・ホーク氏が落ちぶれたミュージシャンとして主演されています。

■評価:『アベンジャーズ』みたいなスケール感の作品じゃないけど、かなりの良作のようですよ。僕が思うホーンビィ作品の魅力は、大人の悲喜こもごもが、すごくリアル且つチャーミングに描かれている点なんですが、そのあたりはこの作品でも健在のようです。

■感想:観たい!ホーンビィ氏の描く世界観、好きです。

その6:Benjamin(ベンジャミン)

■概要:2018年公開。ジャンルでいうとビタースウィート・コメディということになるようです。つまり、甘くて切ないコメディ。人を愛せないと思い込んでいたゲイの映画監督が魅力的な男性に出会うことで、公私共に混乱する様子が描かれているよう。

■評価:いわゆるミニシアター系の作品だと思います。ドラマとしてもラブストーリーとしてもコメディとしてもとても高評価を得ています。

■感想:真摯な作品、という印象で、右往左往する等身大の主人公に感情移入して見入ってしまいそうな作品。見たいリストに入れました。

その7:Disobedience(ディスオビーディエンス)

■概要:2018年公開。アイルランド・アメリカ・英国の合同プロジェクト映画。英国俳優レイチェル・ワイズさんが主演。本当の自分と周りから期待される自分の狭間で揺れ動く2人の女性を、愛、忠誠心、宗教などの大きなテーマを絡めながら、丁寧に描いた作品。

■評価: 大きくて深淵なテーマながら、観客が物語にしっかり入っていける配慮が施された素晴らしい作品のようです。ストーリーテリング的には“繊細”という言葉が当てはまるようです。

■感想:僕はレイチェル・ワイズさんのファンなんですが、彼女の演技も素晴らしいということで、とても気になっている作品です。映画のテーマでもあるアイデンディティというのは僕自身の人生にとっても大きなテーマでもあるので、これは観ないと、と思っています。

その8:Being Frank(ビーイング・フランク)

■概要:2019年公開。英ミュージシャン・コメディアンの故クリス・シーヴィー氏が作り出したカルト的キャラクター:フランク・サイドボトムを軸に、フランクが巻き起こした社会現象とクリスさんの人生を振り返る、というドキュメンタリー映画。

■評価:様々な資料を元にしっかり作り上げられたドキュメンタリー作品ということで、クリスさんやフランク・サイドボトムのことを知らなくても観られる内容のようです。

■感想:いやぁ、世の中知らないことだらけだなぁというのを思い知らされる映画。70年代後半から80年代にかけて、マンチェスターを中心に一斉を風靡した張りぼてキャラ:フランク・サイドボトム。あなたはご存知でした?僕は全然知らなかった。中に入っているのがクリス・シーヴィー氏。この超ヘンテコなキャラと、本人クリス氏について関係者の証言や現存する映像などを元に深掘りする作品なんですが、これは面白そうだなと思ってます。今回紹介した8本の中でおそらく日本に上陸する可能性が一番低いのが本作だと思いますが、そういう意味でもすごく気になる作品です。


さてさて、いかがでしたでしょうか。
なにか「お!これは!!」と思うような作品はありましたでしょうか?

基本的に日本では(今の所)観られない作品群なので、どうしても観たい場合は、

1. 英国に足を運んでDVDを購入する(Amazonで輸入品があればそれをGETする)

2. 日本公開になるようにSNSで拡散したり、周りの人を巻き込んだりして、孤軍奮闘する

3. 毎晩妄想だけして楽しむ

のいずれかの選択肢になると愚考します。

もしご覧になった方がいらっしゃったら、SNSを通じてでもメールででもご感想教えてくださいね。

それにしても、日本で見られない映画って意外に多いんですよねー。今後、ストリーミング配信サービスがもっともっと発達すれば、せめてストリーミング配信鑑賞というチョイスは増えていくような気はするんですけどね。どうなんだろう。

では、また次回もブリティッシュな記事でお目にかかります。

川合亮平でした。

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Photo&Text by R.Kawai

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川合 亮平

川合 亮平

(かわいりょうへい)

通訳者・東京在住

関西の人気テレビ番組で紹介され、累計1万部突破の『なんでやねんを英語で言えますか?』(KADOKAWA)をはじめ、著書・翻訳書・関連書は10冊以上を数える。

通訳者としては直近で東京五輪関連のビジネス会議、アスリート通訳に携わる。その他、歌手のエド・シーラン、映画『ファンタビ』シリーズのエディ・レッドメイン、BBCドラマ『シャーロック』のベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、ヒットドラマ『ダウントン・アビー』の主要キャストなど、ミュージシャン、俳優への通訳・インタビューも多数手がけている。

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