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2019.06.14

名盤『オペラ座の夜』がクイーン公認で舞台音楽に

以前、このSTORIESでも取り上げた映画『ボヘミアン・ラプソディ』。大ヒットの興奮も未だ記憶に新しいなか、先日(6月13日)、ある舞台の情報が解禁されました。
演出家・劇作家・役者の野田秀樹が率いるNODA・MAP。彼らが今年の10月から開催する新作舞台は その名も『Q:A Night At The Kabuki』(キュー:ア・ナイト・アット・ザ・カブキ)。何と、クイーン公認のもと、1975年リリースの名盤『オペラ座の夜』に収録の全楽曲を、舞台音楽として使用することが発表されました。
『オペラ座の夜』(現代:A Night at the Opera)の世界観にインスパイアされたというこの舞台、ではアルバムの歌詞を舞台化するものなのか? それとも映画『ボヘミアン・ラプソディ』のようなバンドの物語なのか?……そうではない。戯曲は全くの新作で、しかも描かれるのはズバリ“禁断の恋”。ベースは、かのウィリアム・シェイクスピア不朽の名作、『ロミオとジュリエット』の“その後”だというのです。

悲恋のロミオとジュリエットが、本当は生きていたとしたら??

そう、何と『Q』には広く語り継がれてきたロミオとジュリエットと“その後のロミオとジュリエット”が登場します。しかも時は12世紀の末、侍の時代が始まる頃の日本だという、かなり斜め上の角度からの投球となるようです(笑)。

“4人のロミジュリ”を演じるのは、松たか子、上川隆也、広瀬すず、志尊淳。加えて橋本さとし、小松和重、伊勢佳世、羽野晶紀、竹中直人、そして野田秀樹と、世代もキャリアも異なる総勢10名の豪華俳優陣が一堂に会します。

ここで『オペラ座の夜』についてちょっと振り返ってみましょう。
クイーン4枚目のオリジナルフルアルバムである本作には、イギリスで9週連続チャート1位を記録したシングル「ボヘミアン・ラプソディ」を含む、全12曲が収録されています。彼らが本国イギリスで初のアルバムチャート1位を獲得した、言わば記念碑的な一枚です。
野田秀樹は、1992年から93年にかけて、文化庁芸術家在外研修制度の留学生としてロンドンへ演劇留学、演出家サイモン・マクバーニー主宰のテアトル・ド・コンプリシテのワークショップに参加していました。そんな野田が「クイーンの愛する日本で、『オペラ座の夜』の演劇性に富んだ世界観を「演劇」として広げられないか?」という依頼を受けたことは、どこか運命的な巡り合わせを感じます。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』では端折られていましたが、デビュー初期のクイーンを最初に温かく迎えたファンが日本のリスナーだったことは、いまでは広く知られています。彼らが愛した日本で、『オペラ座の夜』を音楽にどんな舞台が繰り広げられるのか。

ちなみに筆者は近年、縁あってNODA・MAPの公演パンフレットの編集に参加しており、本作も参加することが決まり、今からどきどきしています。クイーンファン、UKファン、演劇ファン必見の舞台『Q:A Night At The Kabuki』は、10月から東京を皮切りに大阪、北九州で上演されます。ぜひチェックしてみてください。ではまた! 

NODA・MAP 第23回公演『Q:A Night At The Kabuki』
作・演出 野田秀樹 音楽 QUEEN
松たか子 上川隆也 広瀬すず 志尊淳
橋本さとし 小松和重 伊勢佳世 羽野晶紀 野田秀樹 竹中直人
東京公演 2019年10月8日(火)〜10月15日(火) 東京芸術劇場プレイハウス
大阪公演 2019年10月19日(土)〜10月27日(日) 新歌舞伎座
北九州公演 2019年10月31日(木)〜11月4日(月・休) 北九州芸術劇場 大ホール
東京公演 2019年11月9日(土)〜12月11日(水) 東京芸術劇場プレイハウス
チケットは各プレイガイドまで。当日券は全公演で販売(詳細は各会場のお問い合わせまで)。
企画・製作:NODA・MAP /(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント /(株)ソニー・ミュージックパブリッシング

Text by Uchida Masaki

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内田 正樹

内田 正樹

エディター、ライター、ディレクター。雑誌SWITCH編集長を経てフリーランスに。音楽をはじめファッション、映画、演劇ほか様々な分野におけるインタビュー、オフィシャルライティングや、パンフレットや宣伝制作の編集/テキスト/コピーライティングなどに携わる。不定期でテレビ/ラジオ出演や、イベント/web番組のMCも務めている。近年の主な執筆媒体は音楽ナタリー、Yahoo!ニュース特集、共同通信社(文化欄)、SWITCH、サンデー毎日、encoreほか。編著書に『東京事変 チャンネルガイド』、『椎名林檎 音楽家のカルテ』がある。

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