決勝戦
そして、あっという間に20分は経ち、審査の時間となります。
栄えある初代チャンピオンは‥‥。
「今回大会が開かれると分かってから、スコッチグレインの店舗に訪問して靴を磨かせてもらったり、商品を全種類発注して全て研究しました。磨き方もどれが一番早いかとか、毎日夢に見るほど本気でした。毎日夢で優勝していました(笑) キャリアも一番長いと思いますので一生懸命やってきたことが形になって良かったなと。 是非皆さんお店に来て下さい。」
靴磨き日本チャンピオン石見さんへの単独インタビュー
ー 優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
「優勝して本当に嬉しいです。素直に嬉しいです。人生をかけて、命をかけてという気持ちで望んでいましたし、今後東京進出等を考えると負けてしまったらマイナスイメージしかなく、凄くリスクだなとは思っていたんですけど、出ていないのに自分が出ていたら一番だったなんて後から言ったらかっこ悪いなと思って出たんですね。 準決勝の段階で抜けれるか分からないほど皆さん綺麗な仕上がりだったので優勝できて本当に安心しています。」
「クリームを入れた靴が来るとのことでしたので、皆さん恐らくワックスケアしかしないだろうと。でも僕は普通の靴磨きで行なうフルケアを行ないました。 具体的にはクリーナー、クリーム、豚毛ブラシでブラッシング、乾拭きしてからワックスを指で塗り、布で少量のワックスを延ばし、鏡面にする山羊ブラシをかけてから水拭きをするという普段僕らがやっている、料金を頂く靴磨きと変わらないクオリティを20分でだすということを練習してきました。 これはワックスからスタートする人に比べ、難易度も高く、仕上がりも綺麗であれば絶対勝てるという自信があり、結果として勝つことができました。」
「まずは東京出店。実は以前より誰に聞かれてもこの大会で優勝すると言っていたので、すでにテレビも取材も決まっています(笑)。 今回靴磨きを知ってもらう良い機会になったのかなと感じていますので私も靴磨きの認知に今後も貢献していければ良いなと考えています。 大会に関しては来年あるのかは分かりませんが二度と出ないです(笑)。」
Steve Hung(スティーブ・ハン)さん
「非常に緊張しましたが、初めて会う靴磨き職人ばかりで色々な磨き方を見ることができ、とても良い機会でした。」
佐藤 我久さん
「ライブだからこそ聞こえる音だったり、伝わる空気感や見える景色があったと思うので本当に今日この会場に集まったみんなの心に残る最高の大会になったのではないかなと思います。」
多くの人が集まり、大盛況の中、幕を閉じた“靴磨き日本選手権”。 靴磨きの文化の発展と発信が進む中、手入れをする靴として長く履き続けられるグッドイヤー製の英国靴が選ばれているのでは?と感じる部分も少なく無かったです。事実、出場者数名は英国靴を着用しており、お店で磨くことが多いブランドとして英国ブランドの名を上げる方がいたのも事実です。 また、会場の観客の中にはキルティングジャケットやオイルドジャケット等、ブリティッシュな装いの方も多くいらっしゃり、良い物を長く大切に使うことや普遍的なスタイルといった英国的マインドが浸透していることが実感できるイベントでもありました。
大会レポート前編はこちらから
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