今回はコインローファー、タッセルローファー、グルカサンダルに注目
まずは「キャノン EF」の特徴をおさえておきましょう
左:HUDSON 右:CANNON EF
こちらは「ハドソン」と「キャノン EF」を比較した写真になります。ジョセフ チーニーによって展開されているローファーの最定番モデルが「ハドソン」(写真左)です。ローファー専用のラスト5203を使っていて英国靴らしい程よい丸みとボリューム感があり、柔らかいエレガンスが漂っています。そんな「ハドソン」に対して、ラスト277を使用した「キャノン EF」(写真右)はトゥシェイプもヒールカップも細み。「ハドソン」はレザーソールですが、ブリティッシュメイド別注の「キャノン EF」はダイヤモンドラバーソールを備えているところも大きな特徴です。クールビズで「キャノン EF」の黒を履きこなす場合の正解例
CANNON EF
「これからの季節はクールビズのスタイリングにローファーを取り入れる機会が多くなると思いますので、スタンダードな正解例を示してみました。ボトムスは、英国らしいグレンチェック柄のウールスラックスです。スーツを想定されても、ジャケパンルックをイメージされても大丈夫ですが、足元にローファーをチョイスしているので堅くない装いになります。スラックスのダブルの幅は、4cm。靴下のカラーは、ダークネイビー。クールビズとはいっても黒いカーフの「キャノン EF」には、あくまでもスタンダードな合わせが相応しいと思います。トゥシェイプやヒールカップが細みの木型を使っている「キャノン EF」なら、すっきりとスマートな仕上がりになってくれます」「キャノン EF」の茶はクールビズでチノパンを穿く際に最適
CANNON EF
「チノパンにローファーという組み合わせは、アメリカのカジュアルな着こなしに多く見られるものですね。クリース入りのチノパンを選び、足元を茶の「キャノン EF」にすると、エレガンスも薫る英国調のルックスになってくれます。クールビズでチノパンの着用がOKとされる職場における、カジュアルに傾きすぎない合わせ方としてオススメです。チノパンは、黒の「キャノン EF」に合わせたグレンチェック柄のスラックスと同じで4cm幅のダブルに。足元をローファーにすると通常の短靴よりもソックスの見える面積が増えるので、カラーバランスにはいっそう注意しなくてはなりません。ここでは、「キャノン EF」のコンカーという名称のカラーともチノパンのベージュとも相性のいい茶系のソックスで品良く演出しています」「ハリー」は英国的な余裕を感じさせるクールビズでこなす
「タッセルローファーの「ハリー」には、微細な織り柄が上品にして遊び心も感じさせるスラックスを合わせてみました。「ハリー」は甲の高さが抑えられてすっきりとしたフォルムなので、スラックスの裾もシングルにしてスマートに見せるのがいいでしょう。そうした方がタッセルの存在感も際立ってくるように思います。カラーリングについては、スラックスのライトグレー×「ハリー」のブラックというベーシックな合わせに対し、パープルでアクセントを添えています。グレーのスラックスとパープルのソックスは、英国人が好きな組み合わせですね。こういった色合わせは、〝優美で余裕を感じさせる英国的表現のクールビズ〟といったところでしょうか。今季から『FUN+WALK PROJECT』が始まって足元のカジュアル化が許容されてくると考えられますが、〝スニーカーに違和感を覚える〟という人はソックスのカラーで少し遊んでみてはいかがでしょう」春から夏にかけての休日は「ペンザンス Ⅱ」の魅力を活かしきる
PENZANCE Ⅱ
「グルカサンダルタイプですが「ペンザンス Ⅱ」にはヒールがあり、丸みのあるクラシックな木型(*1886コレクションと同じラスト1886)が使われているので、抜け感があるだけでなく上品さも感じさせます。このテイストを活かすべく、コットンリネンのホワイトパンツをセレクトしました。「ペンザンス Ⅱ」の佇まいに合わせて、色も素材感も軽やかな印象のボトムスにするのがベストな選択だと思います。くるぶし丈にロールアップして素足に「ペンザンス Ⅱ」を合わせていますが、涼感だけでなく清潔感も漂っています。春夏らしいムードが湧き立ちながら上品さも損なっていないという好バランスな仕上がりです」 クールビズの装いから、洒脱な休日のスタイルまで。マインドもコーディネイトも軽やかになっていく季節に相応しい四足の履きこなし、いかがでしたでしょうか。周囲に埋没することなく、過剰にアピールすることもなく、適度なバランスを心がけた合わせ方がジョセフ チーニーの名品たちにぴったりでした。ぜひともご参考に。