「革の汚れを落とすクリーナーを使う工程ではつま先からスタートし、前から後ろへ流れるように表面の汚れを一度拭き取ります。そしてもう一度、今度は革の中の汚れを取るイメージで同じようにつま先からかかとまで拭き取ります。しかし、クリーナーで汚れが取りきれない場合もあります。その際はローションを使用して再度汚れを拭き取ることもあります。クリーナーに関してはBrift H のTHE CLEANER 「SOFT」と「STRONG」を使い分けており、ローションはSaphirのレザーバームローションを使用しています。また、ここで使うクロスは綿100%で目がやや粗いものを使っています。」
「ここからは鏡面磨きの工程に入ります。まず使うのはワックス。私は新しいSaphirのビーズワックスポリッシュと少し使ったSaphirのビーズワックスポリッシュ、そしてBrift H のTHE WAXの3つを使い分けています。どう使い分けるかは正直感覚です。しかし、3つのワックスを使うのには理由があります。新しいSaphirのビーズワックスポリッシュは溶剤が多く、逆にBrift H のTHE WAXはロウ分が多いです。そして少し使ったSaphirのビーズワックスポリッシュは新品と比べ、溶剤が飛び丁度二つの中間的な立ち位置になります。この3つを革の特徴に合わせて配合して光らせていきます。」
「溶剤が多いものはムラ無く均一に塗りやすいというメリットがありますが、逆に光らせるのが難しいです。ロウ成分が高いものは光りやすいですが、慣れないと光り方にムラが出てしまいます。均一にキレイに光らせるにはこの二つの絶妙なバランスが必要となりますが、結局のところ、この感覚は何度もトライをして自分自身で得ていく部分かと思います。ただし、これから鏡面磨きに挑戦する方にオススメしたいのは柔らかい(溶剤が多い)ワックスと硬い(ロウ分が多い)ワックスを交互に混ぜて使うとその感覚を早くつかみやすいのではないかと。まずは新品のSaphirのビーズワックスポリッシュとBrift H のTHE WAXの二つでトライしてみてはいかがでしょうか。」