■ 基本的なシューシャインの流れ
1. まずはワックスを用意
2. 指でワックスを塗る
3. ホースブラシに水をつけてブラッシング
水をつける際はハンドラップがあると便利。一般的にはアルコールや薬剤などの液体を入れておく容器だが、一度のタッチで適量の水が出るためシューシャインの道具としても用いられている。
4. ミラーグロスを均一に塗る
5. クロスにアルコールを染みこませワックスを伸ばす
左がアルコール、右が水の入っているハンドラップ。ロウを溶かすので水が入っているハンドラップよりもシルバーの部分がきれいになっているのが分かる。
「アルコールが強く、コントロールが難しい場合は水で薄めて使用しても良いです。
クロスに染みこませるアルコールの量は非常に少ないです。これは感覚になってしまいますが、染みこませた後のクロスを肌に当て、その湿り具合で感覚を養う方もいます。
量が多いと感じた際は手のひらで叩いて少し水分を飛ばしてあげるのも良いでしょう。
また、アルコールでシューシャインする際、気をつけて欲しいポイントはアルコールで溶かしてしまったワックスがクロスについてしまうとクロスが固くなってしまう点です。
続けてシューシャインが出来なくなってしまうので注意して下さい。」 ハンドラップで水分を含ませた後、このように軽快に手早くタッチすることで水分感覚を調整している。
6. ミラーグロスをクロスで塗る
7. クロスに水を染み込ませワックスを伸ばす
8. 4~7の流れをビーズポリッシュワックスで行なう
9. 4~8の流れを20~30回繰り返す
10. 最後は水のみで仕上げる
左がビフォー、右がアフター。一目瞭然の仕上がりに。
「鏡面が出来上がったと感じたら最後の工程。水を少量クロスに染みこませ、力は入れずに素早く表面を滑らすようなイメージで縦方向に磨きます。これで鏡面磨きの完成です。」 ここまでの流れを基本編とし、ここからは色や素材毎の注意事項になります。
■ 茶色のカーフは色の濃さに注意する
■ ポリッシュドバインダーはワックス量を注意する
■ グレインレザーはバーニッシュ部分の色に合わせる
今回で3回目となる靴磨きのプロに聞くシリーズはいかがでしたでしょうか。 1回目のTHE WAY THINGS GOの石見氏解説による「道具の選び方と使い方」、2回目のY’s Shoeshineの杉村氏解説による「工程別磨きのポイント」も是非合わせてお読み頂けますと幸いです。
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