TENDER Co.のデニムと合わせたのはジョセフ チーニーのウィメンズコレクションのタッセルローファー“レイシー”。
今年で5周年を迎えたブリティッシュメイド。
5周年を記念して、スタッフが永く愛用するイギリス製品とそのストーリーを5週に渡ってお届けします。
第3回目はブリティッシュメイド丸の内店女性スタッフの尾山。イギリス小説に綴られた海外の文化に惹かれて、ロンドンへと渡ります。そこである決意をして、ブリティッシュメイドと出会いました。今回はそんな尾山のストーリーをお届け。 -イギリスに触れたキッカケを教えて下さい。
尾山 「実は最初からイギリスという訳じゃなくて小学校の頃から自然と海外に憧れがあったんです。 自分の好きな記事を書くという授業があったときも、海外のまとめ新聞みたいなものを書くことがあったくらいです。 そんな時に、お母さんがある小説を買って来てくれました。 そう、私たちの世代といえばハリー・ポッター! 元々小説が好きで、シャーロック・ホームズから、ミス・マープルといった推理ものも特に好きでしたが、読んでみたら本当に面白くて! ハリー・ポッターが私にとってのイギリスの入り口です。」-ハリー・ポッターの特に惹かれた部分はどこでしょう?
「もちろん話が面白いというのもありますが、物語としてのファンタジー要素はありながら、寮生活、マーケットに教科書を買いに行くシーンとか私が日本では経験したことのない、経験できない海外に根付いた文化が凄くキラキラと映ったんです。 そこから海外への憧れが一層強くなって、イギリスもいつか必ず行きたいなと思って英語を勉強するようになりました。」 愛用する眼鏡はハリー・ポッターも劇中で着用しているイギリスブランドのサヴィル・ロウ。
尾山 「そのあと中学、高校と進学すると共に海外へ行きたいという思いは膨らみ続けて、大学では外国語学科へ入学しました。
その時は何か自分にとって新しい事がしたいとフランス語を専攻したんです。
でもフランス語を学んでいくうちに、頭の片隅に残っていたイギリス、そして英語への思いがどんどん強くなっていきました。
柔らかい発音なのに、カツッと背筋が伸びている、そんなイギリス英語に惹かれるようになったんです。
そしてどうしても諦められなくて大学3年の時、1年間休学して語学留学としてイギリスへ英語を学びに行きました。」-憧れの地に初めて着いた時はどうでしたか?
「ロンドンに着いて思ったのは、期待通りが半分と良い意味で裏切られた事が半分ありました。 それこそハリーポッターのようなマーケットもあって、人も優しくて、トレンドの洋服も沢山あって、私が思った通りのイギリスでした。 その半面、意外にルーズな部分もあったのが私にとってとても印象的だったんです。 ハリー・ポッターみたいに街中、英国紳士がバーッと並んで歩いていると思ったら、ヨレッヨレのスーツを着て、靴も磨いていない人もそこら中に出歩いていたりで、『あれ?!』と面食らいました。それにイギリス人だけじゃなくて私を含めたアジア系の人々、インドといった様々な国々、文化がクロスオーバーしていたんです。 開いてみるとイギリスは沢山の国から成りなっていた、という事が衝撃的でした。」「日本に戻った後も、今度はイギリスが好きだという気持ちが私の心にありました。 それから就活するに当たって、たまたま求人を見つけたのがブリティッシュメイドだったんです。 イギリスに特化しているお店だし、ヨーロッパ系の古着とか元々ファッションも好きだったので良いなと思ったんです。 入ってから知ったのですがラベンハム、グレンロイヤルは元々知っていて憧れのブランドだったし、 本当偶然、見つけて何かしら縁があるんだなと思いました。」
ジョセフ チーニーのウィメンズコレクション内羽根フルブローグ“ミリー”が最初の1足。
-ブリティッシュメイドを知ってから特に思い入れのあるものはありますか?
尾山 「チーニーの革靴ですね!特に最初に買ったミリーは、ずーっと履いていました。 元々革靴が好きなのもありましたが、当時はただスタイルとして取り入れていたので、それ以外の知識は全く無かったんです。 だから入社してサイズの選び方やメンテナンス、1から皆に教えてもらい、とにかく勉強しました。 当時は名古屋のお店に勤務していて、その時の店長がよく教えてくれました。 この子はそんな自分の頑張った時代を支えてくれた大切な1足です。 頑張りたい時に履く靴、だから靴磨きイベンドや私にとって大切な時に履きたい勝負靴です。」-女性の靴はいろいろ選択肢があると思いますが、それでも英国靴を履くのは?
「女性用の靴って本当に沢山の選択肢があります。 ヒール、パンプス…人それぞれになりたい像が私を含めて女の人にはあるからこそなんだと思います。 女の人で革靴を履くって正直に言って1日中だと疲れるし、手入れも面倒でメンテナンスも大変。 ただ、革靴を履くと、背筋も心もしっかりとピシっと引き締まるんです。 そんな“私のこうなりたい”っていう時の1足、英国靴ってそういう立ち位置です。」「色々な選択肢の中から選んだ英国靴。 大切な1足だからこそ、選ぶのには時間が掛かるものです。 お客様が『その靴と一緒に歩んでいきたい。』という本物に出会えた時の感動は私も思わず嬉しくなってしまいます。 私もミリーという大切な1足に出会えたから、お客様にも本当に良い靴に出会って欲しいですね。 価格帯も決して手頃では無いですが、イギリス製というメーカーの拘り、ハンドメイドの工程数の多さ、いくつものストーリーが積み重なっての価格ということはまず私たちスタッフが伝えていかなきゃと思います。 だからこそ、ただの買い物ではなくて、出会いであってほしいです。」
-丸の内店で開催している靴磨きイベントに女性の方もいらっしゃいますか?
「実際に店頭では女性の方もいらっしゃいますが、革靴は持っているけどメンテナンス方法は知らないという方が多い印象です。 でもそれって、入社前の私と同じなんです。 メンテナンスという日頃行うためのものでも、それを知るための場って意外にも少ないんです。 だからそれを知るきっかけとして、靴磨きイベントがそういう場になればいいなと思っています。 杉村さんというプロの靴磨き職人さんが直接レクチャーしてくれることも貴重な体験だと思います。 なにより最後に『これでもっと大事にできそうです!』って話してくれる方もいて、とても嬉しくなりますね。 このイベントは私にとっても特別なイベントです。」-最後に普段のモノとどのような付き合い方をしているか教えて下さい。
尾山 「無理をしない、ということが私の付き合いですね。 ちょうどロンドンに語学留学していた時に初めて会った英語の先生が、そう教えてくれたんです。 先生はシュッとした感じでも英国紳士な雰囲気でも無いのですが、どこか親しみのある方でした。 そんな先生があるとき授業で『今持っている靴は15年履いているんだよ。』と話してくれたんです。 そう聞いた時、(靴って15年も履けるの?!)と衝撃を受けたんです! クタッとはしているけど確かに15年間大切に履いてきた感じがあって。 着ていたスーツも『ここを母が直してくれて10年以上着ているんだ。』といったモノを永く愛用している話を自然にしてくれて、純粋に素敵だなって思いました。」「その時の話が私の“永く使う”というコトのルーツになっています。 その話を通して、やっぱりイギリスでは自分のスタイルを皆持っているという事がわかりました。 だから私も、学んだ英語のようにカチっとしていても、柔らかさは残して行きたいなと思ったんです。 知るのも楽しいけれど“自分らしく”が無理のない私のスタイル。 これからも肩肘張らない、イギリスのものを選んでずっと使っていきたいなと思います。」
■ 関連リンク
→英国の街並みが投影されたネクタイ ドレイクス
→古き良き英国靴の良心 ジョセフ チーニー
→Thanks 5th Anniversary|ブリティッシュメイドの5周年を記念したコラボレーションアイテムが登場。
→靴磨きのプロに聞く、工程別磨きのポイント
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英国ブランドに特化した輸入総代理店、渡辺産業の直営店。"Stories of British Life"をコンセプトに、「英国のライフスタイルから生まれるモノやコト」をお届けしているお店です。