イギリス料理の原点ともいえるパイ。シェイクスピアの作品では「ベイクドミート」と呼ばれていたパイは、今も昔もイギリスの生活に深く根付いています。多彩な種類が揃うパイの中で最もイギリス人に愛されているのがポークパイ。自宅でも手軽に作れるそのレシピをご紹介しましょう。
家族と過ごすクリスマスを思い浮かべながら、時間と手間をたっぷりかけ、少しずつ形作られるケーキは幸せの象徴であり、この上なく贅沢なもの。それがイギリス人の大好物であるポークパイにも表れている気がします。ポークパイの作り方はシンプルで、料理初心者でも失敗することは少ないです。ただし、コツコツと作業をして多少時間がかかるという点がクリスマスケーキに通じます。
冷蔵庫に入れておいて食べたくなったらサッと切り分け、ピクニックに持参したり、小腹が空いた時にも重宝するポークパイ。イギリスではデリや精肉店で手に入りますが、自家製はフレッシュでおいしさもひとしお。前述したように時間はかかリますが、簡単なのでぜひお試しあれ。
・薄力粉 300g
・ラード 150g
・水 120ml
・卵 1個
・塩 少々
◆フィリング(中身)
・豚肉(肩もしくは赤身ブロックがおすすめ) 300g
・生ベーコン 2~3枚
・玉ねぎ 小1個
・リンゴ 半分(なくてもOK)
・好みのハーブやスパイス(セージ、ローズマリー、ナツメグ、カイエンペッパーなど)適量 ・塩 少々
・コショウ 少々
◆アスピック
・豚肉の骨
・セロリ、玉ねぎなど香味野菜
・好みのハーブ(セージ、ローズマリー、タイムなど)
・塩
・コショウ
・ゼラチン
◆そのほか
卵1個(艶出し用の卵黄)
1:鍋に水とラードを入れて火をかけ、ラードを溶かす。
2:ボウルに薄力粉と卵を入れ、そこに溶けたラードとお湯を加えて素早く全体を混ぜ合わせる。
*お湯で作るため「ホットウォーター・クラスト・ペストリー」と呼ばれています。
3:生地がまとまったらラップにくるみ、冷蔵庫で30分~1時間ほど寝かせる。
4:生地を寝かせている間に中身作り。豚肉と生ベーコンを粗みじん切りにする。
*この作業がとても地道で時間がかかります。手間を省くためにフードプロセッサーを利用したりミンチ肉を使ったりしてもいいですが、包丁で粗みじんにしたほうが、お肉の食感が楽しめます。
5:玉ねぎ、リンゴをそれぞれみじん切りにする。
6:ボウルに4と5を入れ、卵、ハーブ、スパイス、塩、コショウを加えて粘りが出るまで混ぜ合わせ、冷蔵庫で30分ほど休ませる。
7:その間にアスピックの準備。豚肉の骨や脂身など不要な部分を使い、香味野菜やハーブと一緒に灰汁をとりながらゆっくりと煮てスープを作る。
8:パイ生地を冷蔵庫から取り出し、型に貼る分(2/3程度)と蓋用(1/3程度)に分けそれぞれ麺棒でのばす。
9:薄くラードを塗った型にのばした生地を貼り、6の中身を詰める。
10:残りの生地で蓋をし、中央に穴を開ける。艶出し用に卵黄を塗ったら穴が閉じないよう筒状にしたアルミホイルでホールドしておく。
11:210℃に温めておいたオーブンで30分ほど焼く。
12:オーブンの温度を150℃に下げ、焦げないよう表面にアルミホイルをかぶせてさらに1時間焼く。
13:パイが焼きあがったらオーブンから出し、型に入れたまま冷ます。その間にアスピックの仕上げ。スープにゼラチンを入れて溶かす。
*このとき、沸騰させないように注意しましょう。豚肉の不要部位があれば、アスピックに必要なスープ作りも簡単ですが、リンゴジュースとチキンスープの素を混ぜたものでも代用できます。
14:パイが冷めたら穴から熱いアスピックを注ぎ込み、冷蔵庫に入れて一晩冷やせば出来上がり。
時間と手間を惜しまず、心を込めれば込めるほどおいしくなるもの。ぜひ皆さんも作ってみてくださいね!
長い時間と手間をかけて作る贅沢な料理がイギリスグルメの醍醐味
10月も半ばを過ぎると、スーパーマーケットにイギリスのクリスマスに欠かせないスイーツの材料を目にすることが増えてきます。「まだ10月なのに?」と疑問に感じられるかもしれませんが、その代表格であるクリスマスケーキは伝統的に1か月以上かけて作られることを考えると決して早すぎるものではありません。家族と過ごすクリスマスを思い浮かべながら、時間と手間をたっぷりかけ、少しずつ形作られるケーキは幸せの象徴であり、この上なく贅沢なもの。それがイギリス人の大好物であるポークパイにも表れている気がします。ポークパイの作り方はシンプルで、料理初心者でも失敗することは少ないです。ただし、コツコツと作業をして多少時間がかかるという点がクリスマスケーキに通じます。
冷やしていただくポークパイはピクニックにもお酒のつまみにも最適な万能料理
ポークパイは温めて食べる他のミート系パイと違い、冷たいままいただくもの。その理由はパイ生地の中の豚肉を包み込むゼリー状のアスピックにあります。加熱するとゼラチンが溶けて独特のプルプル感が失われてしまうため、ポークパイ本来のおいしさが味わえないんです。冷蔵庫に入れておいて食べたくなったらサッと切り分け、ピクニックに持参したり、小腹が空いた時にも重宝するポークパイ。イギリスではデリや精肉店で手に入りますが、自家製はフレッシュでおいしさもひとしお。前述したように時間はかかリますが、簡単なのでぜひお試しあれ。
<材料:直径20cmのパイ型1個分>
◆パイ生地・薄力粉 300g
・ラード 150g
・水 120ml
・卵 1個
・塩 少々
◆フィリング(中身)
・豚肉(肩もしくは赤身ブロックがおすすめ) 300g
・生ベーコン 2~3枚
・玉ねぎ 小1個
・リンゴ 半分(なくてもOK)
・好みのハーブやスパイス(セージ、ローズマリー、ナツメグ、カイエンペッパーなど)適量 ・塩 少々
・コショウ 少々
◆アスピック
・豚肉の骨
・セロリ、玉ねぎなど香味野菜
・好みのハーブ(セージ、ローズマリー、タイムなど)
・塩
・コショウ
・ゼラチン
◆そのほか
卵1個(艶出し用の卵黄)
まずはパイ生地「ホットウォーター・クラスト・ペストリー」作りから
*お湯で作るため「ホットウォーター・クラスト・ペストリー」と呼ばれています。
3:生地がまとまったらラップにくるみ、冷蔵庫で30分~1時間ほど寝かせる。
*この作業がとても地道で時間がかかります。手間を省くためにフードプロセッサーを利用したりミンチ肉を使ったりしてもいいですが、包丁で粗みじんにしたほうが、お肉の食感が楽しめます。
6:ボウルに4と5を入れ、卵、ハーブ、スパイス、塩、コショウを加えて粘りが出るまで混ぜ合わせ、冷蔵庫で30分ほど休ませる。
オーブンに入れ高温で一気に焼いたら温度を下げて中まで火を通すのがコツ!
12:オーブンの温度を150℃に下げ、焦げないよう表面にアルミホイルをかぶせてさらに1時間焼く。
13:パイが焼きあがったらオーブンから出し、型に入れたまま冷ます。その間にアスピックの仕上げ。スープにゼラチンを入れて溶かす。
*このとき、沸騰させないように注意しましょう。豚肉の不要部位があれば、アスピックに必要なスープ作りも簡単ですが、リンゴジュースとチキンスープの素を混ぜたものでも代用できます。
14:パイが冷めたら穴から熱いアスピックを注ぎ込み、冷蔵庫に入れて一晩冷やせば出来上がり。