人種の坩堝であり、ロンドンの移民街として発展をした過去を持つイーストロンドンで以前私がイギリスのメディア会社に勤めていた時の旧同僚の奥さんが始めたレストラン『JIDORI』を紹介したい。
実は、近年ここら辺で元クリエイティブ業界出身者が全く異なる業種=飲食業種に携わるフードスペースが増えている。デザイン性と企業精神に溢れる彼らは、前職で培ったノウハウとネットワークを活かしたフードビジネスを展開しており、今までイギリスで日本食と言えば寿司、ラーメンと言われがちだった固定観念を払拭するがごとく、地域に密着して人気店として認知されている。店の名前から想像はつくが、居酒屋=日本のパブ? (カジュアルダイニング)をモチーフにした焼き鳥屋。
ライフスタイルを前面に押し出すこのようなアプローチは、特に今最もロンドンで求められている事だ。ドリンクメニューも、居酒屋とは趣向が若干変わりイギリスで入手が比較的難しい日本酒、こちらでも絶賛されている日本のウィスキー、ナチュラルワインに自家製の梅酒とフュージョンされたカクテルとより洗練されたラインアップ。彼らのシグネチャーディッシュ(売りの一品)は、タレと卵の黄身につけて食べるツクネと英国を代表するスコッチエッグをアレンジしたカレースコッチエッグ。以前のコラムでも紹介した通りカレーは今やイギリス国民ナンバーワンフードであり、その中でも日本のカレーは人気急上昇中。英国北部に行くと、フィッシュ&チップス店(所謂チッピー)でチップスをディップするカレーソースがあるのだが(最近だと英国南部でもオーダーできます)、そのカレー味が日本のカレーに一番近い 。こういったアイデアに溢れた視点が垣間見れるメニュー構成になっているのもここの特徴の一つと言えるだろう。
実は、近年ここら辺で元クリエイティブ業界出身者が全く異なる業種=飲食業種に携わるフードスペースが増えている。デザイン性と企業精神に溢れる彼らは、前職で培ったノウハウとネットワークを活かしたフードビジネスを展開しており、今までイギリスで日本食と言えば寿司、ラーメンと言われがちだった固定観念を払拭するがごとく、地域に密着して人気店として認知されている。店の名前から想像はつくが、居酒屋=日本のパブ? (カジュアルダイニング)をモチーフにした焼き鳥屋。
厨房
お店を訪れる顧客の8割方は、日本に行った事がある人ばかりで、“こんなレストランをロンドンで探してたんだよね“と言われる事が多いらしい。イギリスでは、日本の注目度は今までに無いほど強くなっていると言えると思う。共同経営者の一人、ナタリーは、当然毎年のように日本を訪問する。グリルも釜淺商店でカスタマイズした物を使い、炭は備長炭。もう一人の経営者のブレットは、牡蠣が代名詞でもあるシーフードレストラン『The Richmond』、サステイナブルなレストラン『Elliot’s Café』を起ちあげたやり手シェフ。日本食を含めるアジア料理との愛着は、オーストラリアで育った幼少期にあるらしい。このレストランのTシャツとエプロンは『BEAMS』が製作している。ライフスタイルを前面に押し出すこのようなアプローチは、特に今最もロンドンで求められている事だ。ドリンクメニューも、居酒屋とは趣向が若干変わりイギリスで入手が比較的難しい日本酒、こちらでも絶賛されている日本のウィスキー、ナチュラルワインに自家製の梅酒とフュージョンされたカクテルとより洗練されたラインアップ。彼らのシグネチャーディッシュ(売りの一品)は、タレと卵の黄身につけて食べるツクネと英国を代表するスコッチエッグをアレンジしたカレースコッチエッグ。以前のコラムでも紹介した通りカレーは今やイギリス国民ナンバーワンフードであり、その中でも日本のカレーは人気急上昇中。英国北部に行くと、フィッシュ&チップス店(所謂チッピー)でチップスをディップするカレーソースがあるのだが(最近だと英国南部でもオーダーできます)、そのカレー味が日本のカレーに一番近い 。こういったアイデアに溢れた視点が垣間見れるメニュー構成になっているのもここの特徴の一つと言えるだろう。
JIDORIとサインもポップなデザイン
カスタマイズされた釜浅商店のグリル
甘酸っぱい自家製の梅酒(左)と塩の替わりに七味を縁にまぶした七味マルガリータ(右)。以外に結構いける。
イーストロンドンを拠点にするクラフトビール。ペールエールは今大人気。
胡麻とチリの胡瓜。お酒のおつまみとして最高!。
これが噂のカレースコッチエッグ。日本のカレーとイギリスのスコッチエッグをフュージョンした一品!
サーモンのタタキ。紫蘇と山葵ドレッシング付け。サーモンの脂身が楽しめる美味しい一品。
シメサバとフェネルのピクルス。特別な一品として当日だけ限定で出す一品。
ネギま
しいたけ
つくね。この黄身とタレのねっとり感の相性が素晴らしい一品。
温泉卵と唐辛子のたれ漬け(左)。チキンスープ、豆腐と三つ葉とネギ。焼き鳥にかけた鶏ガラを煮込んだ味噌汁の代替版。こういったさり気ない一品、センスを感じる一品(右)。
オクラのみ焼き。オクラを轢き詰めて土台にしたお好み焼き。これもアイデア賞で非常に美味しい。
今回は、試食しなかったが、ここの豚カツも結構いけるという話を聞いた。日本の焼き鳥屋と比較はしにくい。当然値段でも雰囲気をそのまま日本の焼き鳥屋を忠実に体現するのは難しいのだとは思うが、これが国際都市の醍醐味。海外に住む日本人として、日本人以外の国籍の方々が日本に興味を持ち、攻めの姿勢でこういったレストランを始める。そこに日本人には無い考えや観点で新しい日本食をプロデュースして行く。こういったレストランも英国人の食に対する価値観が変わった証拠でもある。是非、日本の食事が恋しくなったら訪れてみてください!JIDORI
住所:89 Kingsland High St, London E8 2PB
TEL:+44 (0) 20 7686 5634
http://www.jidori.co.uk/
最寄り駅:DALSTON JUNCTION 駅から徒歩7分程
日野達雄
英国在住歴19年のメディア/ファッションコンサルタント。
英スタイル雑誌の出身で英/日の雑誌にも寄稿をするライターでありながら、音楽、ファッション、フード、写真と様々なジャンルでのコンサルティング業務に携わる。