こんにちは、TOKYO2018末から川合亮平です。
ゆく年くる年、皆様におかれましてはいかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
僕は昨年に引き続き、今年もウィンターinトーキョーで、2016/2017年の年末年始以来ロンドンの冬は経験してないんですけど、ロンドンの冬の代表的な楽しみ方である、ウィンターマーケット散策、クリスマスディナーに舌鼓、そしてバーゲン(セール)ハントなどを妄想しつつ、日々過ごしております。
イギリスの冬は格別に寒いような印象を持っている人が僕の周りには少なくないんですが、ロンドンに関して言えば、そんなこともない、というのが僕の実感です。
まあ天気は湿りがちで、ゲホゲホ咳をしてる人の割合もチューブに増える傾向だとは思いますが、そんな状況を帳消しにするくらい、冬のロンドンは魅力的だと思います。それはひとえに、街全体が醸し出す“クリスマシィー”な雰囲気のお陰。
日本のお正月の凜とした空気感みたいなものは日本にいないと味わえない独特なものだと思いますが、それと同じように、ヨーロッパのクリスマス感というのはヨーロッパに居ないと味わえないと思うんですね。まあ、ヨーロッパと言うと範囲が広くなりすぎますが、イギリス、ロンドンのクリスマス・ホリデー・・ムードの高揚感も唯一無二じゃないかなと思っています。
というのも、2017年8月末に帰国して以来、今まで、1年半弱ずっと英国からはご無沙汰してるんですよ、僕。
それまでは毎夏2ヶ月ほど滞在し、その他にも春や冬に取材で渡英する生活をしていたので、これほど長い期間英国から遠ざかっているのは過去10数年間で初めてのことなのです。
そんなわけで、英国から少し距離を置いた立場から、改めて英国の何が恋しいのか、というのを自分に問いかけてみた次第です。
ある辞書の定義をみると、『穏やかな菜食主義』とあります。
自分が通訳・翻訳の仕事をしてる関係上、その仕事の難しさはある程度わかっているつもりで、そういう意味で、この定義にケチをつけるつもりは毛頭ないのですが、『穏やかな菜食主義』というとなんとなく、柔らかめのレタスとかを選んでモフモフ音を立てずに、あくまで穏やかに笑みを浮かべながら食べている感じを想像してしまうのは僕だけでしょうか。逆に、『穏やかでない菜食主義』というのも必然的に想像してしまいます。硬い皮の野菜やフルーツをわざと選んで、できるだけ自分の歯でガリガリやりながら、そしてタネなんかもその辺に撒き散らしながら激しく食する人、「いやぁ、あの人の野菜の食し方、穏やかでないねぇ」とか言われながら。
話がやや脱線してあいすみません。
僕が理解するところのFlexitarian(フレキシタリアン)の定義は、基本ヴェジタリアン(ヴィーガン)だけれども、不可抗力や誰かの好意によって目の前にお肉が出された場合は、ありがたく歓迎し、できる限りの歓びを持って頂く人、フレキシブルなヴェジタリアン、です。
それはつまり僕なんですが。
簡単に書くと、ロンドン(英国)では街にある普通のレストランやカフェに、普通にヴェジタリアン(ヴィーガン)用のメニューがあるんですよね(スーパーにも)。一方、東京は(まだまだ)そういう状況にはなってないですもんね(僕が知る限りでは)。
That’s what I miss about being in England.
日本ではヴェジタリアン(フレキシタリアン)としての居場所のなさ加減が時に窮屈に感じることがあるんです。
逆に、英国社会ではヴェジタリアン(ヴィーガン)は、よりはっきりした存在感があります。
何より、抜群に美味しいヴェジタリアン料理が普通に手の届く距離にあるということが嬉しい。
『イギリス人の3分の1が肉食を止めるか減らすかしている』というものがありました。
Third of Britons have stopped or reduced eating meat – report
そして、英の月刊誌『The Economist』の年末恒例の“来年の世界経済大予想”号の中の項目の一つに、“ヴィーガン(ヴェジタリアン)産業の大きな発達”が挙げられていました。
英国のメディアをざっと見渡す限り、英国でのヴィーガン・ヴェジタリアン人口増加に伴う周辺産業の発達は、予想というよりもむしろ必然的な来るべき未来という感想を持っています。
美味しいヴェジタリアン料理を常に求めてやまない僕としては、そういう意味で益々英国ミスに拍車がかかるわけです。
と同時に、東京で美味しいヴェジタリアン料理が気軽に・普通に食べられる状況になることを願ってもいます。
特に高値ではなく、特におしゃれでもなく、特に代官山とかそのあたりに行かなくても、牛丼感覚で食べたいんですよね、東京でもベジバーガーを。早い、安い、うまい、ベジバーガーを。
まあ、「何が恋しい?」を考えた時、ベジバーガーだけじゃなくて、子供向けのエンタメ(劇やミュージカルなど)の豊富さとか、朝、列車の駅で配布されるフリーペーパーMETROを手に取って列車に揺られながら読む感じとか、根本的に“その場所に居る事実”、とかも思い浮かんだんですが、それらにはまた別の機会にでも触れたいと思います。
ではまた新しい年に、次の記事でお会いしましょう。
みなさんにとって2019年が素敵な年になりますように。
May your 2019 be an absolutely fabulous one!
川合亮平でした。
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ゆく年くる年、皆様におかれましてはいかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
僕は昨年に引き続き、今年もウィンターinトーキョーで、2016/2017年の年末年始以来ロンドンの冬は経験してないんですけど、ロンドンの冬の代表的な楽しみ方である、ウィンターマーケット散策、クリスマスディナーに舌鼓、そしてバーゲン(セール)ハントなどを妄想しつつ、日々過ごしております。
イギリスの冬は格別に寒いような印象を持っている人が僕の周りには少なくないんですが、ロンドンに関して言えば、そんなこともない、というのが僕の実感です。
まあ天気は湿りがちで、ゲホゲホ咳をしてる人の割合もチューブに増える傾向だとは思いますが、そんな状況を帳消しにするくらい、冬のロンドンは魅力的だと思います。それはひとえに、街全体が醸し出す“クリスマシィー”な雰囲気のお陰。
日本のお正月の凜とした空気感みたいなものは日本にいないと味わえない独特なものだと思いますが、それと同じように、ヨーロッパのクリスマス感というのはヨーロッパに居ないと味わえないと思うんですね。まあ、ヨーロッパと言うと範囲が広くなりすぎますが、イギリス、ロンドンのクリスマス・ホリデー・・ムードの高揚感も唯一無二じゃないかなと思っています。
One Things I Miss about England
さて、今回の記事では、東京では得られない、ロンドンならではの超個人的楽しみを1つピックアップして紹介します。というのも、2017年8月末に帰国して以来、今まで、1年半弱ずっと英国からはご無沙汰してるんですよ、僕。
それまでは毎夏2ヶ月ほど滞在し、その他にも春や冬に取材で渡英する生活をしていたので、これほど長い期間英国から遠ざかっているのは過去10数年間で初めてのことなのです。
そんなわけで、英国から少し距離を置いた立場から、改めて英国の何が恋しいのか、というのを自分に問いかけてみた次第です。
ダービーの複合芸術施設QUADのカフェで食べた、ヴェジタリアンFalafel Burger。Falafelってまあコロッケみたいなものです。カリカリで美味しかった。
I am a flexitarian.
Flexitarian(フレキシタリアン)という言葉をご存知でしょうか?ある辞書の定義をみると、『穏やかな菜食主義』とあります。
自分が通訳・翻訳の仕事をしてる関係上、その仕事の難しさはある程度わかっているつもりで、そういう意味で、この定義にケチをつけるつもりは毛頭ないのですが、『穏やかな菜食主義』というとなんとなく、柔らかめのレタスとかを選んでモフモフ音を立てずに、あくまで穏やかに笑みを浮かべながら食べている感じを想像してしまうのは僕だけでしょうか。逆に、『穏やかでない菜食主義』というのも必然的に想像してしまいます。硬い皮の野菜やフルーツをわざと選んで、できるだけ自分の歯でガリガリやりながら、そしてタネなんかもその辺に撒き散らしながら激しく食する人、「いやぁ、あの人の野菜の食し方、穏やかでないねぇ」とか言われながら。
話がやや脱線してあいすみません。
僕が理解するところのFlexitarian(フレキシタリアン)の定義は、基本ヴェジタリアン(ヴィーガン)だけれども、不可抗力や誰かの好意によって目の前にお肉が出された場合は、ありがたく歓迎し、できる限りの歓びを持って頂く人、フレキシブルなヴェジタリアン、です。
それはつまり僕なんですが。
ヨークで食べたヴェジタリアン料理Veggie Delight。ラップです。美味だった。
ロンドン(英国)と東京(日本)の決定的な違いは数あれど、僕個人的には、ヴェジタリアン(ヴィーガン)文化の発達度・認知度の差異が顕著だと感じています。簡単に書くと、ロンドン(英国)では街にある普通のレストランやカフェに、普通にヴェジタリアン(ヴィーガン)用のメニューがあるんですよね(スーパーにも)。一方、東京は(まだまだ)そういう状況にはなってないですもんね(僕が知る限りでは)。
That’s what I miss about being in England.
東京に居る身としては、そんなロンドンの状況が恋しいです。
日本ではヴェジタリアン(フレキシタリアン)としての居場所のなさ加減が時に窮屈に感じることがあるんです。逆に、英国社会ではヴェジタリアン(ヴィーガン)は、よりはっきりした存在感があります。
何より、抜群に美味しいヴェジタリアン料理が普通に手の届く距離にあるということが嬉しい。
エディンバラのSpoonで食べたヴェジタリアン料理:ポルトベロマッシュルームと揚げハルミ(Halloumi)、玄米とエンドウ豆
エディンバラのThe Wee Restaurantで食べたヴェジタリアン料理:ニョッキ。抜群に美味しかった。
ちなみに先月、英メディア・ガーディアンのニュース記事で『イギリス人の3分の1が肉食を止めるか減らすかしている』というものがありました。
Third of Britons have stopped or reduced eating meat – report
そして、英の月刊誌『The Economist』の年末恒例の“来年の世界経済大予想”号の中の項目の一つに、“ヴィーガン(ヴェジタリアン)産業の大きな発達”が挙げられていました。
英国のメディアをざっと見渡す限り、英国でのヴィーガン・ヴェジタリアン人口増加に伴う周辺産業の発達は、予想というよりもむしろ必然的な来るべき未来という感想を持っています。
美味しいヴェジタリアン料理を常に求めてやまない僕としては、そういう意味で益々英国ミスに拍車がかかるわけです。
と同時に、東京で美味しいヴェジタリアン料理が気軽に・普通に食べられる状況になることを願ってもいます。
特に高値ではなく、特におしゃれでもなく、特に代官山とかそのあたりに行かなくても、牛丼感覚で食べたいんですよね、東京でもベジバーガーを。早い、安い、うまい、ベジバーガーを。
エディンバラInnis & Gunn Beer Kitchenで食べたベジバーガー。
エディンバラのThe Ship on The Shoreで食べたベジバーガー。
スコットランド・セントアンドリュースのBalgove Larder Steak Barnで食べたベジバーガー。
そんなわけで、 “英国の何か恋しいか”を考えた結果、ベジバーガーに行き着いた、という記事でした。まあ、「何が恋しい?」を考えた時、ベジバーガーだけじゃなくて、子供向けのエンタメ(劇やミュージカルなど)の豊富さとか、朝、列車の駅で配布されるフリーペーパーMETROを手に取って列車に揺られながら読む感じとか、根本的に“その場所に居る事実”、とかも思い浮かんだんですが、それらにはまた別の機会にでも触れたいと思います。
ではまた新しい年に、次の記事でお会いしましょう。
みなさんにとって2019年が素敵な年になりますように。
May your 2019 be an absolutely fabulous one!
川合亮平でした。
お知らせ
Kindle版が発売になりました!『本場のイギリス英語を聞く』
イギリスを象徴する12カ所の観光スポットでその道のエキスパートに取材した音声を素材に、タフなイギリス英語力を身につけていただけます。
年末年始にガッツリイギリス英語に浸りたい方は是非。
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川合 亮平
(かわいりょうへい)
通訳者・東京在住
関西の人気テレビ番組で紹介され、累計1万部突破の『なんでやねんを英語で言えますか?』(KADOKAWA)をはじめ、著書・翻訳書・関連書は10冊以上を数える。
通訳者としては直近で東京五輪関連のビジネス会議、アスリート通訳に携わる。その他、歌手のエド・シーラン、映画『ファンタビ』シリーズのエディ・レッドメイン、BBCドラマ『シャーロック』のベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、ヒットドラマ『ダウントン・アビー』の主要キャストなど、ミュージシャン、俳優への通訳・インタビューも多数手がけている。