日本人にはイタリア料理が好きな人が多いと思う。濃厚なソースがかかったフレンチを食べたくなることもあるが、毎日は無理。一方イタリアンは和食と同じく素材を活かしたシンプルな味付けで、食べ飽きないという特徴があるからだと思う。僕が安心して通うイタリアンを3軒紹介したい。イースト、イーストセントラル、ウエストセントラルと東から西の方角へ、『OSTERIA WOLF』、『LUCA』そして『BANCONE』。以前『LUCA』はこのコラムで紹介しているので、興味がある人はこちらを見てください。
今ロンドンは、こういったレストランが増えている傾向にあると思う。これも食のトレンド?なのか分からないが、この傾向は是非続いて欲しいと思う!
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OSTERIA WOLF(*閉店)
イーストロンドンのStoke Newington(ストーク・ニューイントン)エリア。こちらではストーキーと略して呼ばれる事が多いエリア。そのハイストリートを歩いていたら、何処ともなく現れるのが こぢんまりした居を構える『OSTERIA WOLF』。60年代にインスピレーションを受けたシンプルでカジュアルな内装。オーソドックスなメニューだがイギリスで季節毎に収穫できる旬の野菜をメインに、ブリタリアン『ブリティッシュイタリアン=Britalian(British + Italian)』をコンセプトにするローカルイタリアン。イーストロンドンでは一番美味しいと思う隠れ家イタリアン。ロンドンはご存知の通り人種の坩堝。特にこのようなこぢんまりとした体裁で運営しているレストランで、働いている従業員の多くがイタリア人という所は十中八九、定評があり安定感のあるお店である。 魚介類のフリットセット。イギリス南西部デヴォン州でとれた海老、烏賊、シラスを酸味の効いたレモンアリオリソースで食べる素材を活かした一品
アンティパストと言えばカラブリア地方からのチリ、深紅色のカラブリアンチリ。ローストされたトマトと一緒に食べるブラータはここのオススメの一品である
丁寧に長くクックダウンされた牛の脛肉のラグーパスタ
今が季節のドーセット地方のワイトクラブ(蟹)とブラウンクラブ(蟹)を混ぜ合わせ、アレッポ唐辛子とオリーブ漬けされたニンニクを絡めたタリオリーニ。蟹はイギリスでは今が旬
パスタもプリモとセコンドピアットのサイズで選べるのも嬉しい。心がほっとし毎日食べても食べ飽きないイタリアン。食べたくなったら是非こちらへ。別話だが、近くにあるFish & Chips 『Sutton & Sons』をオススメ。魚屋さんが経営するフィッシュ&チップス屋でローカルに愛されているレストランである。このエリアは、小さなインディペンデントショップやレストランで賑わうエリアで、生活感に溢れる住むには人気の場所である。 OSTERIA WOLF
住所:110 Stoke Newington High Street, London, N16 7NY
最寄り駅:国鉄 Stoke Newington駅から約徒歩5分程
*閉店しました
Sutton & Sons
住所:90 Stoke Newington High Street, London, N16 7NY
最寄り駅:国鉄 Stoke Newington駅から約徒歩5分程
www.suttonandsons.co.uk
BANCONE
次は場所を移して、ウエストエンド。『National Portrait Gallery』の目先にあるこちらも隠れ家イタリアン『BANCONE』。オープンキッチンで、カウンターに座るとシェフが料理をしているのが目の前で観れる。“BANCONE”は英語で“COUNTER=カウンター”という意味。ここの特徴は、白基調の細長いシンプルな内装で、毎日仕込まれる色々な種類の生パスタをだすという、生パスタで知られているレストラン。でこの生パスタが実に美味しい。 オープンキッチンの様子
僕は、ランチラッシュアワーを過ぎた時間帯に、ランチミーティングで良く使う場所である。結構、食好きな僕の周りの人達でも知らない店だということを、最近話をしていて気付いた。よく何処のイタリアンがロンドンで好きですか?と聞かれてここだと答えると、皆に知らないと言われることが多い。このロケーションにありながらあまり知られていない隠れ家レストランである。今回もクライアントとのランチミーティング。 ルッコラを包んだ鹿肉のカルパッチョ。かかっている黒いソースは焦がした大蒜(にんにく)をペースト状にしたソースで、白い西洋ワサビを散らしている
蛸とンドゥヤのブッカティー二。ンドゥヤは 豚挽肉と唐辛子、塩を練り合わせ腸詰めにして燻製、熟成させた軟らかいサラミで辛いのが特徴。辛いのが好きな人にはもってこいの一品
タラゴンの若干醸し出す甘い香りとパンナコッタのネットリ感。甘風味、苦さ、レモンからの酸味と不思議なコンビネーションに思えたけど、食べればもっと食べたくなる一品
両店に共通することは美味しい料理を食べた後、勘定を終えて精算する際にそのリーズナブルさを思いっきり感じる点。とにかくこちらに住んでいるローカルに優しいレストラン。今ロンドンは、こういったレストランが増えている傾向にあると思う。これも食のトレンド?なのか分からないが、この傾向は是非続いて欲しいと思う!
BANCONE
住所:39 William IV Street, London, WC2N 4DD
最寄り駅:Charing Cross駅から約徒歩3分程
www.bancone.co.uk
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日野達雄
英国在住歴19年のメディア/ファッションコンサルタント。
英スタイル雑誌の出身で英/日の雑誌にも寄稿をするライターでありながら、音楽、ファッション、フード、写真と様々なジャンルでのコンサルティング業務に携わる。