予定していた会議が突然2時間程遅れることになり、久しぶりにグリーシー・スプーンのことを考えてみた。突然時間が空くと、オフィスに帰るのも面倒くさいし、どこかで時間を潰すそうと、近場で探すことに!
イーストロンドンに居住して20年。昔は良く耳にしていた言葉『Greasy Spoon』(グリーシー・スプーン)。直訳すれば油でベトベトなスプーン。昔はどのコミュニティーの一角にも必ずと言って良いほど存在したいわゆる大衆食堂。メニューのほとんどが油物や揚げ物なのでヘルシーさはなく、時代の流れと共に地域の開発などのジェントリフィケーションでその数は減る一方だと思う。素朴な内装で、街のキャラの濃い人たちとリアルな人が集まる場所である。色々なレストランがオープンする中で、老舗として時代の流れに流されず存在し続けているその凄さを、最近改めて感じた。
Holbornの近辺にインディペンデントのトレーダー(商い経営者)やお店が多いストリートが一つある。ここ2〜3年行ってないなと思いながら、ここら辺でグリーシー・スプーンがあるとしたらこのストリートだと思いながら、確かあったよね?と自問をしながら歩くとやっぱり創業1958年の『Conduit Coffee House』が!お店に入ると、近所の人なのだろう。英語でいうBANTER(バンター)、そんな会話がウェイターと交わされる。聞き耳をたてるつもりはないが、ユーモアで時々皮肉じみていて、たわいのない微笑ましい会話が耳に入ってくる。これが日常の空間、慌ただしさのない落ち着く空間とはこういうことをいうんだと再認識させられる。イギリス英語でいうCafé (カフェ)or Caff(カフ)はヨーロッパでいうカフェとは違う。それがイギリスっぽさなのだろう。
ブラックコーヒーにJacket Potato with coleslaw and cheese(ジャケットポテトのコールスローとチーズ)にサラダ。久しぶりに食べた。やっぱりポテトの国だ。
会議が終わると久しぶりに昔よく行っていたカフに行きたくなった。
グリーシー・スプーンとして有名なカフはウェストミニスター地区にある創業1946年の『The Regency Café』だろう。イングリッシュブレックファーストを食べたいと地元の人に聞いたら、大半の人はこの店を勧められるだろう。アートデコスタイルで、トッテナムホットスパーのサッカー選手の写真が飾られていてオリジナルのタイル貼りの壁。このカフは、BBCのドラマ番組やイギリス映画の撮影場所のロケーションで使われるぐらい有名である 。 二日酔いで酒が残る朝に友人と会うとよく出てくるフレーズ『Do you fancy a fry up?』『I fancy a fry up!』フライアップ食べたくない?食べようよ!みたいなフレーズ。フライアップこそ、イングリッシュブレックファーストである。
週末に近所のNew River Caféに久しぶりに。久しぶりに訪れてみたが、値段も変わっておらずフルイングリッシュに珈琲がついて£4.50の安さ。チェリーパイにアイスクリームのトッピングも追加して大満足。
仕事柄、新しいモノやコトを追求しがちになるのだが、老舗ではないが変わらずにある場所や空間の良さをあらためて再認識した。コミュニティーに密着した老舗のレストランやパブガイド作ってみたいな!興味があれば是非ご連絡を!
イーストロンドンに居住して20年。昔は良く耳にしていた言葉『Greasy Spoon』(グリーシー・スプーン)。直訳すれば油でベトベトなスプーン。昔はどのコミュニティーの一角にも必ずと言って良いほど存在したいわゆる大衆食堂。メニューのほとんどが油物や揚げ物なのでヘルシーさはなく、時代の流れと共に地域の開発などのジェントリフィケーションでその数は減る一方だと思う。素朴な内装で、街のキャラの濃い人たちとリアルな人が集まる場所である。色々なレストランがオープンする中で、老舗として時代の流れに流されず存在し続けているその凄さを、最近改めて感じた。
Holbornの近辺にインディペンデントのトレーダー(商い経営者)やお店が多いストリートが一つある。ここ2〜3年行ってないなと思いながら、ここら辺でグリーシー・スプーンがあるとしたらこのストリートだと思いながら、確かあったよね?と自問をしながら歩くとやっぱり創業1958年の『Conduit Coffee House』が!お店に入ると、近所の人なのだろう。英語でいうBANTER(バンター)、そんな会話がウェイターと交わされる。聞き耳をたてるつもりはないが、ユーモアで時々皮肉じみていて、たわいのない微笑ましい会話が耳に入ってくる。これが日常の空間、慌ただしさのない落ち着く空間とはこういうことをいうんだと再認識させられる。イギリス英語でいうCafé (カフェ)or Caff(カフ)はヨーロッパでいうカフェとは違う。それがイギリスっぽさなのだろう。
Conduit Coffee House
住所:61 Lambs Conduit Street, London WC1N 3NB, England
会議が終わると久しぶりに昔よく行っていたカフに行きたくなった。
グリーシー・スプーンとして有名なカフはウェストミニスター地区にある創業1946年の『The Regency Café』だろう。イングリッシュブレックファーストを食べたいと地元の人に聞いたら、大半の人はこの店を勧められるだろう。アートデコスタイルで、トッテナムホットスパーのサッカー選手の写真が飾られていてオリジナルのタイル貼りの壁。このカフは、BBCのドラマ番組やイギリス映画の撮影場所のロケーションで使われるぐらい有名である 。 二日酔いで酒が残る朝に友人と会うとよく出てくるフレーズ『Do you fancy a fry up?』『I fancy a fry up!』フライアップ食べたくない?食べようよ!みたいなフレーズ。フライアップこそ、イングリッシュブレックファーストである。
イングリッシュブレックファースト
(ソーセージ、ハッシュブラウン、エッグ、ベーコンとビーンズにトーストとホワイト珈琲*ブラック珈琲にミルクを入れるとホワイト珈琲と呼ばれる)
(ソーセージ、ハッシュブラウン、エッグ、ベーコンとビーンズにトーストとホワイト珈琲*ブラック珈琲にミルクを入れるとホワイト珈琲と呼ばれる)
コンディメント類
(砂糖、レッドソース*ケチャップ、ブラウンソース、ブラウンビネガー、イングリッシュマスタード、胡椒に塩)
(砂糖、レッドソース*ケチャップ、ブラウンソース、ブラウンビネガー、イングリッシュマスタード、胡椒に塩)
The Regency Caféちなみに下記がイースト地区にある他のオススメのグリーシー・スプーンである。メニューはどこもそれほど変わらないが、それぞれに特徴があり、ローカルの人間模様が伺える場所でもある。近くに行くことがあれば是非立ち寄ってみては!
住所:17-19 Regency St, Westminster, London SW1P 4BY, UK
最寄り駅:地下鉄Westminster駅/Pimlico駅/St.James Park駅/Victoria駅約徒歩8分〜15分程
http://regencycafe.co.uk/
Shepherdess Café
住所:221 City Rd, Hoxton, London EC1V 1JN
E.Pellicci
住所:332 Bethnal Green Road, London, E2 0AG
New River Cafe
住所:271 Stoke Newington Church Street, Hackney, London, N16 9JH
仕事柄、新しいモノやコトを追求しがちになるのだが、老舗ではないが変わらずにある場所や空間の良さをあらためて再認識した。コミュニティーに密着した老舗のレストランやパブガイド作ってみたいな!興味があれば是非ご連絡を!
日野達雄
英国在住歴19年のメディア/ファッションコンサルタント。
英スタイル雑誌の出身で英/日の雑誌にも寄稿をするライターでありながら、音楽、ファッション、フード、写真と様々なジャンルでのコンサルティング業務に携わる。