イギリス人の紅茶好きは、世界的に知られていますよね。たしかに、イギリスで暮らしていると、人々がとにかく紅茶をよく飲むのに気づきます。習慣といえばその通りですが、朝起きてすぐ、午前中、ランチタイム、午後のティータイム、夕食後か寝る前と、紅茶は一日の生活に心地よいリズムを刻んでくれる存在となっているのがわかります。
そして、ガーデニングと紅茶も深いつながりがあります。というのも、庭仕事をして一服というときや、一日のガーデニング作業を終えたとき、イギリスの人たちが飲むのはやっぱり紅茶なのです。
以前、本コラムのために英国王立キューガーデンを案内してくださった、日本人キューディプロマの舘林正也さん。そのご著書『世界遺産キューガーデンに学ぶ はじめての英国流園芸テクニック』の中で、「庭仕事と紅茶の切っても切れない関係」として、キューガーデンで働くガーデナーたちも、紅茶をたくさん飲んでいることが紹介されていました。それを読んで、一般の人たちだけでなく、プロのガーデナーたちにとっても、やはり紅茶は欠かせないものなんだなと、あらためて紅茶とガーデニングの強いつながりを再確認しました。
アマチュア、プロを問わず、ガーデニングと切っても切れない関係なのが紅茶。そして、その紅茶を飲むときに欠かせないのが、お菓子です。というのも、ビスケットなど手軽なものからケーキまで、イギリスでは紅茶と一緒に甘いものをいただくのがごく当たり前なのです。
そのせいかどうか、イギリスにはたくさんのケーキやお菓子の種類があります。そして、それらを手作りする人もたくさんいます。私はこの国に暮らしてみて初めて、イギリスが「ベイキング王国」だと知りました。
新型コロナウィルス問題が深刻化したとき、最初にスーパーなどから姿を消したのはハンドソープや石鹸、トイレットペーパーでした。これらの商品は一時期「ひとり●個まで」といった購入制限がありました。とはいえ、徐々にパニック買いも収まり、数週間後には制限も解除されました。
ところが、2ヶ月以上経っても、まだ品薄状態が続いているものがあります。それは小麦粉です。どうやら、ロックダウンになって、家庭内でベーキングをする人が急増したことが原因のようです。特に自宅でパンを焼く人が多くなったらしく、小麦粉に加えてイーストも品切れの店が続出しています。
イギリスのメディアが伝えるところによれば、通常、国内の製粉業者の多くはベーカリーや食品製造業者への卸売を主としていて、小売用の生産量の割合は限られていました。ところが、ロックダウンの影響で一般の消費者の需要が急増し、生産を最大限に増やしても、生産体制がそれに追いつかない状況になってしまっているのだそうです。
というわけで、パンやケーキは店頭に豊富に揃っているのに、小麦粉は品切れというのがいまだに続いている状況。でも、やっぱりお菓子は楽しみたい、ということで、今日はイギリス人義母に教わった、食パンを使ったデザートをご紹介したいと思います。
というのも、実はイギリスには、ちょっと古くなって、かたくなってしまった食パンを再利用して作るお菓子のレシピがいくつかあるのです。
古いパンを無駄にしないための賢い利用法ですが、ロックダウンになって、小麦粉が不足したとき、久しぶりにこれらのデザートを作ってみました。小麦粉はまだまだ品薄といえども、パンは豊富に売っているので、イギリス在住の方にも作っていただけると思います。
もちろん、日本に住んでいる皆さんにもおすすめの、おいしいイギリスのデザートですので、ぜひ試してみてください!
材料
食パン……225g
干しぶどう……85g
バター……85g
砂糖(グラニュー糖)……55g+少々
卵……1個
牛乳……大さじ1
製菓用ミックス・スパイス(なければシナモンでも)……小さじ1/2
作り方
①ちぎってこまかくした食パンを15分ほど水につけておきます。
②①の水分をよく絞ってボウルに入れます。
③②に干しぶどう、砂糖、製菓用ミックス・スパイスを入れてよく混ぜあわせておきます。
④③に溶かしバター、卵、牛乳を入れてさらによく混ぜます。
⑤バターを塗った型に④を入れ、200℃に予熱したオーブンで約1時間焼きます。途中で確認して、表面が焦げそうだったら、アルミホイルでふたをしてください。焼きあがったら上からグラニュー糖をかけてできあがりです。
食パン……7〜8枚
冷凍ミックス・ベリー(ラズベリー、レッドカラント、ブラックカラント、ブラックベリーなど)……500g
砂糖……100g
水……大さじ4杯
いちご、ラズベリー、ブラックベリー(飾り用)……適量
作り方
①常温に戻した冷凍のミックス・ベリーを鍋にいれ、砂糖と水をいれて中火で煮てください(ベリーがつぶれないように注意)。砂糖が溶けたら火を止めて粗熱をとります。
②食パンの耳を切り落とし、対角線に半分に切って三角形にします。
③500ml容量のプディング型、またはボウルなどに②をすき間が開かないように、少しずつ重ねて敷き詰めます。
④①でできたベリーのソースを大さじ5杯分程度取り分けたあと、③の上から①を流しこみます。
⑤食パンで④の上に蓋をします。
⑥⑤の表面をラップで覆い、上にお皿を載せて、その上から缶詰などを重しにして押さえつけます。
⑦冷蔵庫に入れて、一晩冷やします。
⑧大きめのお皿にひっくり返して型をはずします。
⑨パンの生地に色むらがあるようなら、全体にまんべんなく色がつくように④で残しておいたソースをかけます。
⑩飾り用のベリー類を周りに飾りつけたらできあがりです。
材料
食パン……8〜10枚
干しぶどう……60g
バター……50g
卵……3個
牛乳……400ml
生クリーム……50ml
砂糖……60g
ざらめ……適量
シナモン……小さじ1/4
作り方
①耳を切り落とした食パンの片面にバターを塗り、対角線上に切って三角形にします(お好みでさらに半分に切ってもよいです)。
②耐熱皿にバターを塗り、バターを塗った面を上にして①を交互に並べていきます。
③②の上から干しぶどうを全体に散らします。
④ボウルに卵を割り入れ、よくかき混ぜます。
⑤④に砂糖、牛乳、生クリームを入れてよく混ぜます。
⑥③の上から⑤を全体にまわしかけます。
⑦⑥の上から全体にシナモンとをザラメをふりかけて、30分ほど置くことで、カスタード液をパンにしみ込ませます。
⑧180℃に予熱したオーブンで約30分焼きます。表面がこんがりきつね色になったらできあがりです。
そして、ガーデニングと紅茶も深いつながりがあります。というのも、庭仕事をして一服というときや、一日のガーデニング作業を終えたとき、イギリスの人たちが飲むのはやっぱり紅茶なのです。
以前、本コラムのために英国王立キューガーデンを案内してくださった、日本人キューディプロマの舘林正也さん。そのご著書『世界遺産キューガーデンに学ぶ はじめての英国流園芸テクニック』の中で、「庭仕事と紅茶の切っても切れない関係」として、キューガーデンで働くガーデナーたちも、紅茶をたくさん飲んでいることが紹介されていました。それを読んで、一般の人たちだけでなく、プロのガーデナーたちにとっても、やはり紅茶は欠かせないものなんだなと、あらためて紅茶とガーデニングの強いつながりを再確認しました。
そのせいかどうか、イギリスにはたくさんのケーキやお菓子の種類があります。そして、それらを手作りする人もたくさんいます。私はこの国に暮らしてみて初めて、イギリスが「ベイキング王国」だと知りました。
新型コロナウィルス問題が深刻化したとき、最初にスーパーなどから姿を消したのはハンドソープや石鹸、トイレットペーパーでした。これらの商品は一時期「ひとり●個まで」といった購入制限がありました。とはいえ、徐々にパニック買いも収まり、数週間後には制限も解除されました。
ところが、2ヶ月以上経っても、まだ品薄状態が続いているものがあります。それは小麦粉です。どうやら、ロックダウンになって、家庭内でベーキングをする人が急増したことが原因のようです。特に自宅でパンを焼く人が多くなったらしく、小麦粉に加えてイーストも品切れの店が続出しています。
イギリスのメディアが伝えるところによれば、通常、国内の製粉業者の多くはベーカリーや食品製造業者への卸売を主としていて、小売用の生産量の割合は限られていました。ところが、ロックダウンの影響で一般の消費者の需要が急増し、生産を最大限に増やしても、生産体制がそれに追いつかない状況になってしまっているのだそうです。
というわけで、パンやケーキは店頭に豊富に揃っているのに、小麦粉は品切れというのがいまだに続いている状況。でも、やっぱりお菓子は楽しみたい、ということで、今日はイギリス人義母に教わった、食パンを使ったデザートをご紹介したいと思います。
というのも、実はイギリスには、ちょっと古くなって、かたくなってしまった食パンを再利用して作るお菓子のレシピがいくつかあるのです。
古いパンを無駄にしないための賢い利用法ですが、ロックダウンになって、小麦粉が不足したとき、久しぶりにこれらのデザートを作ってみました。小麦粉はまだまだ品薄といえども、パンは豊富に売っているので、イギリス在住の方にも作っていただけると思います。
もちろん、日本に住んでいる皆さんにもおすすめの、おいしいイギリスのデザートですので、ぜひ試してみてください!
ブレッド・プディングのレシピ(直径20センチの型1個分)
食パン……225g
干しぶどう……85g
バター……85g
砂糖(グラニュー糖)……55g+少々
卵……1個
牛乳……大さじ1
製菓用ミックス・スパイス(なければシナモンでも)……小さじ1/2
作り方
①ちぎってこまかくした食パンを15分ほど水につけておきます。
②①の水分をよく絞ってボウルに入れます。
③②に干しぶどう、砂糖、製菓用ミックス・スパイスを入れてよく混ぜあわせておきます。
④③に溶かしバター、卵、牛乳を入れてさらによく混ぜます。
⑤バターを塗った型に④を入れ、200℃に予熱したオーブンで約1時間焼きます。途中で確認して、表面が焦げそうだったら、アルミホイルでふたをしてください。焼きあがったら上からグラニュー糖をかけてできあがりです。
サマー・プディングのレシピ(6人分)
冷凍ミックス・ベリー(ラズベリー、レッドカラント、ブラックカラント、ブラックベリーなど)……500g
砂糖……100g
水……大さじ4杯
いちご、ラズベリー、ブラックベリー(飾り用)……適量
作り方
①常温に戻した冷凍のミックス・ベリーを鍋にいれ、砂糖と水をいれて中火で煮てください(ベリーがつぶれないように注意)。砂糖が溶けたら火を止めて粗熱をとります。
②食パンの耳を切り落とし、対角線に半分に切って三角形にします。
③500ml容量のプディング型、またはボウルなどに②をすき間が開かないように、少しずつ重ねて敷き詰めます。
④①でできたベリーのソースを大さじ5杯分程度取り分けたあと、③の上から①を流しこみます。
⑤食パンで④の上に蓋をします。
⑥⑤の表面をラップで覆い、上にお皿を載せて、その上から缶詰などを重しにして押さえつけます。
⑦冷蔵庫に入れて、一晩冷やします。
⑧大きめのお皿にひっくり返して型をはずします。
⑨パンの生地に色むらがあるようなら、全体にまんべんなく色がつくように④で残しておいたソースをかけます。
⑩飾り用のベリー類を周りに飾りつけたらできあがりです。
ブレッド・アンド・バター・プディング(4〜6人分)
食パン……8〜10枚
干しぶどう……60g
バター……50g
卵……3個
牛乳……400ml
生クリーム……50ml
砂糖……60g
ざらめ……適量
シナモン……小さじ1/4
作り方
①耳を切り落とした食パンの片面にバターを塗り、対角線上に切って三角形にします(お好みでさらに半分に切ってもよいです)。
②耐熱皿にバターを塗り、バターを塗った面を上にして①を交互に並べていきます。
③②の上から干しぶどうを全体に散らします。
④ボウルに卵を割り入れ、よくかき混ぜます。
⑤④に砂糖、牛乳、生クリームを入れてよく混ぜます。
⑥③の上から⑤を全体にまわしかけます。
⑦⑥の上から全体にシナモンとをザラメをふりかけて、30分ほど置くことで、カスタード液をパンにしみ込ませます。
⑧180℃に予熱したオーブンで約30分焼きます。表面がこんがりきつね色になったらできあがりです。
マクギネス真美
英国在住20年のライフコーチ、ライター。オンラインのコーチングセッションで、人生の転換期にある方が「本当に生きたい人生」を生きることを日本語でサポート。イギリスの暮らし、文化、食べ物などについて書籍、雑誌、ウェブマガジン等への寄稿、ラジオ番組への出演多数。
音声メディアVoicy「英国からの手紙『本当の自分で生きる ~ 明日はもっとやさしく、あたたかく』」にてイギリス情報発信中。
ロンドンで発行の情報誌『ニュースダイジェスト』にてコラム「英国の愛しきギャップを求めて」を連載中。
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