僕が好きなビールはビターエールです。
普通のビールと何が違うのか?なぜビターエールが美味しいのか?そもそもビールって何なのか?
今回はビールを楽しむための知識とおすすめ銘柄を紹介します。
ここから考えてみることにしましょう。
世界的にビールとは、「麦芽・ホップ・水に酵母を加えて発酵させたもの」です。さらにビールの味を調整したり、香味に特徴を出すために、副原料が使用されることもあります。
ビールの定義は各国異なり、日本の場合、酒税法にてビールは以下のように定義付けされています。
麦芽比率50%以上であること。 副原料の重量の合計は、使用麦芽の重量の5%の範囲内であること。
使用する副材料の量などによって、海外では「ビール」扱いなのに日本では「発泡酒」扱いになってしまうビールも存在します。
エールは「ワイン」の代わりに、ラガーは「水」の代わりに発展してきたビールです。それぞれシーンに合わせて飲むことをおすすめします。
エール 上面発酵(じょうめんはっこう)で造られるビールで発酵中に酵母が浮いてくることからこう呼ばれています。発酵は高温(20度前後)で3〜4日かけて行われます。芳醇で濃厚な味わいで飲みごたえのあるビールが出来上がります。ペールエール、IPA、スタウト、ヴァイツェンなどがエールビールに含まれます。
ラガー 下面発酵(かめんはっこう)で発酵が進むと酵母が沈みます。低温(10度前後)で1週間ほどかけて発酵させます。ゆっくりと磨かれながら出来上がったビールはクリアですっきりとした味わいになります。ピルスナー、シュバルツ、ボックなどが含まれ、日本で流通しているビールの99%はピルスナービールです。
特徴はエールの代表選手であるペールエールと被る部分が多く、ビアスタイルガイダンスではイングリッシュ・ペールエールの一分野として分類されています。同じビールでも瓶詰めならペールエールで、樽詰めの生ならビターエールと分けられることもありますが、ビターエールの名で売られている瓶の製品もあります。
しいて言うなら、イギリスのパブで良く飲まれる、麦芽の風味が豊かな飲みやすいペールエールといったところでしょうか。
そこで、都会のパブでも普段から飲めるように、20世紀初頭に生み出されたのがビターエールです。ミネラル分を添加してペールエールを作るのに適した水を作る「バートン化」と呼ばれる手法と、ビールに円熟した濃厚さを加えるクリスタル・モルトの使用法が開発されると、ビターエールはパブにおける主力となるまでに広まりました。
苦みはあるものの、アメリカン・ペールエールのようにホップの味を前面に押し出したものとは対照的な、控えめでつつましいビールです。苦みを損なわない程度に、麦芽の甘みと酵母が作る副産物のフルーツのような香りがあり、非常に飲みやすいバランスの良い味を作り出しています。
冷やし過ぎたり炭酸が強すぎたりすると、持ち味のまろやかな飲みやすさが損なわれてしまいます。温度は常温に近い13℃前後で、炭酸が抜けても気にせずゆっくりとちびちび嗜むのが、ビターエールの一番おいしい飲み方です。時間をかけて飲むことで、温度上昇に伴う味の変化も楽しめます。
スタンダード・ビター(オーディナリー・ビター) ビターエールといえば、基本的にはこのスタイルのことを指します。色は薄い黄色から薄い銅色で、ライトな飲み心地が特徴です。アルコール濃度は3.2~3.8%と低く、炭酸も弱いので、ビターエールの中では一番飲みやすい部類に入ります。ホップの苦みはありますが、麦芽や副産物の味や香りを隠さない程度であり、飲みやすさを損なっていません。
ピルスナーは苦いし、ペールエールではちょっとくどいと感じている人にとってベストなスタイルです。
スペシャル・ビター(ベスト・ビター、プレミアム・ビター) スタンダード・ビターよりも少し濃い目のスタイルで、麦芽の香りと味がよりはっきりしている点が特徴です。アルコール度数も3.8~4.6%と高くなっていますが、それでも一般的なピルスナーやペールエールよりも低く、炭酸の弱さやビターエールらしいまろやかさと合わせ、気軽に飲んでいけるスタイルです。
普通のビターよりももう少しビールらしい味が欲しいと思う人におすすめです。
エクストラ・スペシャル(ストロング)・ビター(ESB) スペシャル・ビターよりもさらに一段階強いスタイルで、麦芽とホップの香りがはっきりとしてコクがあります。全体的に濃くなってはいるものの、濃い部分で苦みと甘みのバランスが取れているので、きつくて飲みにくいということはありません。ただし、アルコール度数は4.8~6.2%とやや高めです。
イングランドでは「ESB」の名前はフラーズ醸造所の商標ですが、アメリカでは麦芽の味が強くて赤みがかったペールエールで、この名前を名乗っている製品が多くあります。
ゴールデン・ビター(サマー・ビター) ピルスナーのような明るい金色をしたビターエールで、イギリスのダウントンにあるホップ・バック醸造所が1989年に発売開始した「サマー・ライトニング」が最初です。
他のビターでは強く焙煎したカラメルモルトやチョコレートモルトなどの濃色麦芽を少量使うために、やや濃い色をしているものが大半です。これに対しゴールデン・ビターでは色がついていないペールモルトだけで作っています。
味はあっさりめです。
valve daikanyamaオリジナルの『THE CLASSIC BITTER』は19世紀のパブエールのレシピを再現し、原材料は全てエールの本場であるイギリス産にこだわりました。麦芽構成はシンプルに、ベース麦芽はイギリス産最高級品種であるマリスオッターを使い、クリスタルモルトも同じくイギリス産を使用。 ホップ構成もイギリスで古くから使われている品種2種を使用しています。
また、valve daikanyamaでは本場と同じく、ハンドポンプと呼ばれる汲み上げ式のサーバーでビターを提供しているので、日本にいながら本格的なパブエールを飲むことができます。
普通のビールと何が違うのか?なぜビターエールが美味しいのか?そもそもビールって何なのか?
今回はビールを楽しむための知識とおすすめ銘柄を紹介します。
ビールの定義
まず、ビールとは何か?ここから考えてみることにしましょう。
世界的にビールとは、「麦芽・ホップ・水に酵母を加えて発酵させたもの」です。さらにビールの味を調整したり、香味に特徴を出すために、副原料が使用されることもあります。
ビールの定義は各国異なり、日本の場合、酒税法にてビールは以下のように定義付けされています。
使用する副材料の量などによって、海外では「ビール」扱いなのに日本では「発泡酒」扱いになってしまうビールも存在します。
エールとラガー
ビールは使用する酵母の違いから「エール」と「ラガー」に大分することができます。エールは「ワイン」の代わりに、ラガーは「水」の代わりに発展してきたビールです。それぞれシーンに合わせて飲むことをおすすめします。
ビターエールって何?
ビターエール(Bitter Ale)はイギリスのパブで飲めるビールの中で、最も一般的なスタイルです。特徴はエールの代表選手であるペールエールと被る部分が多く、ビアスタイルガイダンスではイングリッシュ・ペールエールの一分野として分類されています。同じビールでも瓶詰めならペールエールで、樽詰めの生ならビターエールと分けられることもありますが、ビターエールの名で売られている瓶の製品もあります。
しいて言うなら、イギリスのパブで良く飲まれる、麦芽の風味が豊かな飲みやすいペールエールといったところでしょうか。
ビターエールの歴史
ビターエールの元になったペールエールは、今から400年ほど前に、イングランドのバートン・アポン・トレントという村で作られました。このビールは高い人気を博しましたが、地方でのみ生産されているペールエールをイングランド中の都市に運んでいては、需要に追いつかなくなっていました。そこで、都会のパブでも普段から飲めるように、20世紀初頭に生み出されたのがビターエールです。ミネラル分を添加してペールエールを作るのに適した水を作る「バートン化」と呼ばれる手法と、ビールに円熟した濃厚さを加えるクリスタル・モルトの使用法が開発されると、ビターエールはパブにおける主力となるまでに広まりました。
ビターエールの特徴
ビターという名に反して苦みはあまりなく、どちらかというとまろやかな味わいです。ペールエールと比べるとホップのほんのりした苦みがあることから、「ビター」の名前が付いたのかもしれません。苦みはあるものの、アメリカン・ペールエールのようにホップの味を前面に押し出したものとは対照的な、控えめでつつましいビールです。苦みを損なわない程度に、麦芽の甘みと酵母が作る副産物のフルーツのような香りがあり、非常に飲みやすいバランスの良い味を作り出しています。
冷やし過ぎたり炭酸が強すぎたりすると、持ち味のまろやかな飲みやすさが損なわれてしまいます。温度は常温に近い13℃前後で、炭酸が抜けても気にせずゆっくりとちびちび嗜むのが、ビターエールの一番おいしい飲み方です。時間をかけて飲むことで、温度上昇に伴う味の変化も楽しめます。
ビターエールの種類
ピルスナーは苦いし、ペールエールではちょっとくどいと感じている人にとってベストなスタイルです。
普通のビターよりももう少しビールらしい味が欲しいと思う人におすすめです。
イングランドでは「ESB」の名前はフラーズ醸造所の商標ですが、アメリカでは麦芽の味が強くて赤みがかったペールエールで、この名前を名乗っている製品が多くあります。
味はあっさりめです。
ビターエールが飲めるパブ
イギリスでは一般的なビターですが、日本ではアメリカンクラフトビールのブームもあり、なかなか飲めるお店もありません。代官山のvalve daikanyamaでは、オリジナルレシピで作ったビターを常時お楽しみいただけます。valve daikanyamaオリジナルの『THE CLASSIC BITTER』は19世紀のパブエールのレシピを再現し、原材料は全てエールの本場であるイギリス産にこだわりました。麦芽構成はシンプルに、ベース麦芽はイギリス産最高級品種であるマリスオッターを使い、クリスタルモルトも同じくイギリス産を使用。 ホップ構成もイギリスで古くから使われている品種2種を使用しています。
また、valve daikanyamaでは本場と同じく、ハンドポンプと呼ばれる汲み上げ式のサーバーでビターを提供しているので、日本にいながら本格的なパブエールを飲むことができます。
valve daikanyama
東京都渋谷区代官山町13-7 1F
03-6455-0752
instagram:@valvedaikanyama
https://valvedaikanyama.com/pub
湯浅 雄大
1988年東京都生まれ。京都にてバーテンダー修行を積んだ後、赤坂、代官山、中目黒のバーにてチーフバーテンダーを歴任。スコットランド文化とスコッチウイスキーに惹かれ、ギター片手にスコットランドの蒸溜所を巡りはじめる。2019年、約1ヶ月間のスコットランド旅からの帰国後『株式会社Valve』を創設し、代官山にてスコティッシュパブ『valve daikanyama』をオープン。2021年10月に『株式会社valve works』を設立し、ビールを中心にClassicをテーマにした一流のプロダクト造りに尽力している。
https://valvedaikanyama.com/