以前、ロンドンで発行されている在英邦人向けの情報誌で、5年間にわたり、イギリスの食べ物についてのコラムを書いていました。
「まずい」と悪評高いイギリス料理にも、おいしいものがたくさんあることを知っていただくことが第一の目的でしたが、他にも、日本ではあまり知られていないイギリス全土にある珍しい食べ物などもご紹介するのが、自分でも楽しみでした。
ただ、その連載中、取り上げることができず、ずっと心残りだった食べ物があります。それが「ディープ・フライド・マーズ・バー(Deep fried Mars Bar)」でした。これはいったいどういう食べものかというと、「マーズ・バー」という名前のチョコレート菓子を天ぷらにしたものです。
この食べ物はスコットランドの名物(珍味)として知られるものですが、これを食べたという人にはイギリス内でもあまり会ったことがありません。
そして、先日、とうとうスコットランドのグラスゴーで、ずっと食べたかったマーズバーの天ぷらをいただくことができたので、今日はそれをご紹介しますね。
私がこれを食べたのは、グラスゴーの街の中心地、ジョージ・スクエアという広場に近い「ブルー・ラグーン」というフィッシュ&チップス店でした。
スコットランド内に17軒ほど支店をもつ同店は、青い照明が遠くからでも目を引く人気店。レストランも併設していますが、私はテイクアウトのカウンターで、お目当ての品を注文しました。
フィッシュ&チップスの魚につける天ぷらバターの中に、マーズバーをぽとりとつけて、それを油の中に落とします。5分ほど待つ間、お店の方に話を聞くと、このスコティッシュ名物を食べるのは、地元の人よりはほとんどが観光客だそうです。それでも少なくとも1日に15個くらいは注文があるとのことで、好奇心旺盛な観光客は私だけではないようです。アイスクリームを添えて食べるのがおすすめと言われましたが、今回はあえてチョコレート菓子の天ぷらのみを味わってみました。
日本でも名産品によくある「本当の元祖は誰?」という論争が、このディープ・フライド・マーズ・バーにもあり、別の店が1980年代以前に売り始めた本家だと主張したこともあったようです。
ただ、1995年にタブロイド誌がThe Haven Chip Barのディープ・フライド・マーズ・バーを紹介したことから、この不思議な食べ物が有名になったこともあるせいか、現在でもこのお店では「ディープ・フライド・マーズ・バーの生誕地」という垂れ幕が掲げられています。
かつては「都市伝説」などとも言われ、その存在を疑う人もいたというチョコレートの天ぷら。海外だけでなく、イギリス国内の人たちにとっても「Bucket list=死ぬまでにやりたいこと」のひとつに数えられるというほど注目の食べ物。
ぜひあなたも、スコットランドに行ったときには食べてみてください。そして、食べてみた感想も教えてくださいね!
「まずい」と悪評高いイギリス料理にも、おいしいものがたくさんあることを知っていただくことが第一の目的でしたが、他にも、日本ではあまり知られていないイギリス全土にある珍しい食べ物などもご紹介するのが、自分でも楽しみでした。
ただ、その連載中、取り上げることができず、ずっと心残りだった食べ物があります。それが「ディープ・フライド・マーズ・バー(Deep fried Mars Bar)」でした。これはいったいどういう食べものかというと、「マーズ・バー」という名前のチョコレート菓子を天ぷらにしたものです。
この食べ物はスコットランドの名物(珍味)として知られるものですが、これを食べたという人にはイギリス内でもあまり会ったことがありません。
そして、先日、とうとうスコットランドのグラスゴーで、ずっと食べたかったマーズバーの天ぷらをいただくことができたので、今日はそれをご紹介しますね。
食べるならフィッシュ&チップス店へGO
ディープ・フライド・マーズ・バーを食べたかったら、まずは「フィッシュ&チップス」のお店を探しましょう。フィッシュ&チップスは日本人観光客にも人気のイギリスの定番料理ですが、チョコレート菓子の天ぷらを作ってくれるのは、このフィッシュ&チップス店なのです。私がこれを食べたのは、グラスゴーの街の中心地、ジョージ・スクエアという広場に近い「ブルー・ラグーン」というフィッシュ&チップス店でした。
スコットランド内に17軒ほど支店をもつ同店は、青い照明が遠くからでも目を引く人気店。レストランも併設していますが、私はテイクアウトのカウンターで、お目当ての品を注文しました。
フィッシュ&チップスの魚につける天ぷらバターの中に、マーズバーをぽとりとつけて、それを油の中に落とします。5分ほど待つ間、お店の方に話を聞くと、このスコティッシュ名物を食べるのは、地元の人よりはほとんどが観光客だそうです。それでも少なくとも1日に15個くらいは注文があるとのことで、好奇心旺盛な観光客は私だけではないようです。アイスクリームを添えて食べるのがおすすめと言われましたが、今回はあえてチョコレート菓子の天ぷらのみを味わってみました。
Love it or hate itー好みがはっきり分かれる味?
出来上がったディープ・フライド・マーズ・バーをさっそく一口いただきました。中からとろりと溶け出るキャラメルと、その周りにどろりとチョコレートがまとわりついているのを、天ぷらが覆い被さるようになって、それが口の中で混じります。もともとマーズ・バーというお菓子自体がかなり甘いものなので、やっぱり相当甘いのですが、それと天ぷらの組み合わせは、どこかノスタルジーを感じさせる味。「意外にいける」と感じたとはいえ、強烈な甘さに加えてオイリーでもあるので、半分いただけば十分満足というのが正直なところ。シンプルなバニラ・アイスクリームとあわせるのがおすすめというのも納得です。世界に知られる名物の歴史
ディープ・フライド・マーズ・バーの歴史をひもとくと、スコットランドの北東海岸にある町、ストーンヘブンにあるThe Haven Chip Bar(現在の店名はThe Carron Fish Bar)というフィッシュ&チップス店がその発祥の地だといわれています。日本でも名産品によくある「本当の元祖は誰?」という論争が、このディープ・フライド・マーズ・バーにもあり、別の店が1980年代以前に売り始めた本家だと主張したこともあったようです。
ただ、1995年にタブロイド誌がThe Haven Chip Barのディープ・フライド・マーズ・バーを紹介したことから、この不思議な食べ物が有名になったこともあるせいか、現在でもこのお店では「ディープ・フライド・マーズ・バーの生誕地」という垂れ幕が掲げられています。
かつては「都市伝説」などとも言われ、その存在を疑う人もいたというチョコレートの天ぷら。海外だけでなく、イギリス国内の人たちにとっても「Bucket list=死ぬまでにやりたいこと」のひとつに数えられるというほど注目の食べ物。
ぜひあなたも、スコットランドに行ったときには食べてみてください。そして、食べてみた感想も教えてくださいね!
*Blue Lagoon
住所:208 Argyle Street, Glasgow, G2 8HA
ウェブサイト:https://bluelagoonfishandchips.co.uk/
*The Carron Fish Bar
住所 :1 Allardice Street, Stonehaven, Aberdeenshire, AB39 2BN
ウェブサイト:https://www.carronfishbar.com/
マクギネス真美
英国在住20年のライフコーチ、ライター。オンラインのコーチングセッションで、人生の転換期にある方が「本当に生きたい人生」を生きることを日本語でサポート。イギリスの暮らし、文化、食べ物などについて書籍、雑誌、ウェブマガジン等への寄稿、ラジオ番組への出演多数。
音声メディアVoicy「英国からの手紙『本当の自分で生きる ~ 明日はもっとやさしく、あたたかく』」にてイギリス情報発信中。
ロンドンで発行の情報誌『ニュースダイジェスト』にてコラム「英国の愛しきギャップを求めて」を連載中。
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