英国の象徴(アイコン)を含めて、英国の香りや魂が伝わるような記事をご紹介いたします。
BRITISH MADEの新しいコンテンツ“STORIES”では、英国にまつわる「もの」や「こと」から見えてくるライフスタイルの中にあるストーリーを、様々な人々の視点や切り口でお伝えして参ります。毎週水曜日更新でお届けします。どうぞ気軽にご覧下さい!

今回から始まる“STORIES”に参加させていただく、マック木下です。
今回から始まるコラム「Little Tales of British Life」では、 質実剛健の伝統を維持する英国が生み出した製品のグラウンド(根拠)、すなわち文化的背景、心象風景、真の英国の姿、クラフトマン(職人)たちの技術、知恵、そして心意気など、英国の象徴(アイコン)を含めて、英国の香りや魂が伝わるような記事をご紹介いたします。このコラムが、皆さまの身に付けるものに宿る英国人の心を感じて頂くお手伝いになれば、と祈念しております。今後のコラムの展開をお楽しみ下さい。

夏至を過ぎたちょうど今頃、英国は一年のうちでも最も良い季節を迎えます。日本ではあいにく梅雨の真っ最中ですが、ヨーロッパの6、7月と言うと天気が安定し、日の出は朝の4時、日没は午後10時ごろになります。英国のsummerとは、暑さよりも、「陽の長さ」が強く印象付けられます。サマータイムも3月の終わりから10月までの半年間続きます。
「6月の花嫁は幸せになれる」という意味合いのジューン・ブライドも、天気が良く、清々しい気候の中で結婚式が行われるがゆえに言い伝えられてきた言葉なのです。
好天はスポーツにも好都合です。皆さんご存知のテニスの四大国際会の一つが、毎年6月の終わりからウィンブルドンで開かれる全英オープンテニスですね。ロンドンを拠点とする拙宅からは電車で行かれる距離ですので、特に最初の1週間目はじっとして居られなくなります。

センターコートやNo.1コートの試合はテレビでも観られますが、全部で18コートもあるので、その中で潜在能力の高い、若き無名選手たちの試合を観る「一般入場」の方が断然にお得感があって、テニスや選手やその家族へと視野が広がり、移動中の出場選手たちにも触れ合えて親近感を持てます。
毎年通っていれば、ウィリアムス姉妹のお父さんにも挨拶するようになりますし、ナブラチロワやマッケンローなど往年のプレイヤーともすれ違い様にサインのおねだりも出来ます。
一般入場するには少なくとも3時間ほど列に並ぶことになります。世界中から集まった皆さんが行儀よく待っているので、立ち話も楽しめます。また、英人に言わせると、Pimm’s(ジンとジンジャーエールとフルーツを混ぜた飲物)と、Strawberries & Creamを食べなくては、ウィンブルドンを満喫したことにはならないのだそうです。日本で言えば、お祭りで金魚すくいや綿飴を楽しむようなものでしょうか。


2014.07.02
Text&Photo by M.Kinoshita


マック木下
ロンドンを拠点にするライター。96年に在英企業の課長職を辞し、子育てのために「主夫」に転身し、イクメン生活に突入。英人妻の仕事を優先して世界各国に転住しながら明るいオタク系執筆生活。趣味は創作料理とスポーツ(プレイと観戦)。ややマニアックな歴史家でもあり「駐日英国大使館の歴史」と「ロンドン の歴史散歩」などが得意分野。主な寄稿先は「英国政府観光庁刊ブログBritain Park(筆名はブリ吉)」など英国の産品や文化の紹介誌。