『5人の英国スター達との華麗なる思い出』 | BRITISH MADE

川合亮平、僕のUK観光道 5人の英国スター達との華麗なる思い出

2018.08.21

こんにちは、川合亮平です。

みなさまにおかれましてはお元気でお過ごしでしょうか。

英国だと8月も中旬となると、朝・晩はジャケット、場合によっちゃあ、かなりしっかりしたジャケットが必要となる頃です。

東京はまだまだ残暑真っ只中。
お身体どうぞご自愛くださいませ。

さて、今回の残暑記事では、僕がこれまでにインタビューさせていただいた英国スターを5人ピックアップして、彼らとの思い出を一人ニヤニヤしながら綴ってみたいと思います。

読まれるあなたも、どうぞご遠慮なくニヤニヤしてみてください。

■ Katherine Jenkins キャサリン・ジェンキンスさん

もう随分前になります。10年以上前に、彼女がUKで徐々に盛り上がってきて、初来日を果たした時に単独インタビューさせてもらいました。

初めてお会いした時の印象は、世の中にこんなにもラブリーな現象が、というか存在があったのか、というものでした。

もうとにかくハッピー・ハッピー、またハッピーという感じのオーラが凄くて、僕は一瞬で心を奪われました、本当に一瞬でイチコロになりました。
ちょっと気持ちの悪い例かもしれませんが、超強力殺虫剤でゴキブリがイチコロになるくらいにイチコロになりました。本当に気持ちの悪い例を出したんで驚かれましたか?まあ、それは置いておいて、とにかく、魅力がものすごかった。

僕、今のところスピリチュアルな特殊能力を身につけるにはまだ至っていないんですが、キャサリンさんの周りにはレインボーのオーラが見えたんですよね。これ、ほんとですよ。いや、僕も信じられなかったんですけどね、あぁ、こんなことってあるんだなーと思いました。

初来日の時は彼女も随分初々しくて、ハグにチークキス(!!!)という今では到底考えられない天国のようなおもてなしを受けた僕です。

実際、トロけました。いや、固まりました、いや、どちらかというと蒸発しました。。。。と、自分の存在がうまく把握できなくなるくらいの事態に陥りました。

今でも本当に素晴らしい方なんですが、1メディアに対して普通はハグにチークキスはしないですよね。
当時は日本で取材をした人が僕くらいしかいなかったからかなぁ、と想像しています。

■ Benedict Cumberbatch ベネディクト・カンバーバッチさん

BBCシャーロック シーズン4の公式メディア取材の機会にロンドンでインタビューさせてもらいました。

語り口はユーモラスで、物腰もとても柔らかくて優しいんだけど、でもどこかにのっぴきならないシリアスさがある、というのが印象です。背もすごく高いし、大スターの迫力が満点でした。

取材時に、僕が巻末コラムを書かせてもらっている『バイリンガル版 シャーロック』をプレゼントしたらものすごく喜んでくれたんですよ。
自腹で購入して持ってきた甲斐があったなーと思ってたんですけど、インタビューが終了したら、その本を完全にお忘れになって、颯爽と部屋から出て行かれたんですよね。颯爽と。

「あっ!」と思って、どうしようか、追いかけようか、やめようか、という自分の中の葛藤を2秒で整理して、扉の外に飛び出して、「忘れましたよ」と無事手渡しできたんです。

そしたら、長身をこれでもかという位に折り曲げられて、「本当にごめん!」ととっても丁寧に謝ってくださいました。めっちゃ良い人。「いやいや、そんなそんな」と僕は逆に恐縮したんですけど、それ以来僕は自分のことを、“ベネディクト・カンバーバッチに最も謝られた日本人”という風にことあるごとに名乗ることにしています。

■ Martin Freeman マーティン・フリーマンさん

長年のファンです。
「長年のファンです」と言える人は、僕はそんなに多く持たないんだけど、マーティン・フリーマン氏は長年のファンであり、長年のロール・モデルでもある。

それゆえ、10年以上前、彼が初来日の際、初めて単独インタビューさせていいただいた時は、もう本当にMy dream has come trueでした。筆舌に尽くし難い喜びと感激。生きててよかったな、と。

実は数年前も、インタビューさせてもらう機会に恵まれたんだけど、10数年前の当時と全然変わっていないことに大感激しました。だって、この10年で“超”がつく大スターになったわけでしょ、彼。なのに、その親しみやすさとか、優しさとか、とっつきやすい人柄とか、独特のユーモアセンスはちっとも変わっていなかった。ますます好きになりました。

では、彼の親しみやすさ・類稀なる優しさ・人柄・独特のユーモアセンスを物語る逸話を1つ。

初めてインタビューをさせていただいた時、サインを頂いたんです。今だったらそんなことしないけど、当時は(実際のところ)彼はUKでだんだん人気が出てきた頃で、日本ではまだ全然無名。だから取材もなんとなく無防備というか、多くのメディアが押し寄せて分刻みのスケジュールというものでは全然なく、良い意味で、友達とゆるく約束して気軽にお茶する、みたいな感覚だったんですよ。今から思うと信じられないですけどね。

それでとにかくサインをもらうときに、僕の妻もファンだったんで彼女へのお土産にしようと思って、そのように彼に伝えたんです。
「僕の妻もあなたの大ファンなんです。今、妊娠中なんだけど、とても喜ぶと思うんで、彼女の名前でサインをください」と。
すると、
「初めての子供?」と聞いて、はい、と言うと、「子どもは本当に可愛いよ、大切にしてね」と感慨深そうにアドバイスをくれて、なんとサインの横に僕の妻へメッセージまで書いてくれたんですよ。

“Hey, (妻の名前)! Congratulations on the best news ever” ってね。

感泣。

■ Hugh Bonneville ヒュー・ボネヴィルさん

先ほどもベネディクト氏の箇所で書きました通り、インタビューをさせていただく時は僕、基本的に手土産を持参するんですね。お礼の意味ももちろんあるし、差し出すことで、なんとなくお互いの緊張の緩和材になることが多いと実感してるんです。

そして、僕の必殺土産は、ヨックモックのシガールなんです。
ここまで無敗全勝、といってもいいくらい、みんな喜んでくれるし、みんな美味しいといってくれる。

ボネヴィルさんにインタビューさせて頂いた時も、意気揚々とシガールを持参して差し出した次第です。

その日はダウントンのキャストが全員集合で、大規模な長時間の取材だったので、ボネヴィルさんお腹が空いていらっしゃったんですかねぇ、僕の単独インタビューの番が回ってきて差し出したら、目の色変えて喜んでくださったんです。

それで開口一番「うわぁ、本当にどうもありがとう。今食べて良いかな?」と。
もちろんどうぞどうぞ。

取材中も全部平らげる勢いで、次から次へ、シガールをいきはるんですよね。全然良いんですけどね。
最後にはほぼ全部なくなってたんじゃないかな?嬉しい限りですよ、僕としては。
こんなに喜んでくださるというのはね。お土産を手渡した甲斐があったというものですから。

さて、
取材もハッピーハッピーで終わって、次の日、さて記事に書き起こすか、とPCで作業しようとして音声を聞いたら、シガールの“モグモグ音”がマイクに大きく入りすぎていて、何をおっしゃっているのかよく聞こえない!
というオチです。
ちゃんちゃん。

■ Laura Carmichael ローラ・カーマイケルさん

ダウントンアビーの取材でインタビューさせていただきました。

その日は、幸運にもダウントンのキャスト全員にインタビューさせていただけたんですが、僕個人としてはローラさんがとにかく一番嬉しかったです。

なぜって?
だって、タイプなんだもん。
ど真ん中のタイプですね、正味の話が。
もう、ど真ん中すぎて逆に完全に見送りかねない、という(意味不明)。

ちゃんとインタビューのお仕事はさせていただきましたけどね、そりゃ僕もプロですから。
しかし、気分としては、中2に戻ったような感じだったな。
中2の時、密かに好きな子と突然話す機会が訪れたようなね。


とまれ、英国スターの皆様、今回紹介した方々はもちろん、僕がこれまでインタビューさせていただいた方々は皆さん、どなたも本当に素晴らしい方々でしたよ。

このテーマ、好評ならまた別の記事で他の英国スターとのエピソードも書いちゃおうかな。
安土桃山、、、じゃなかった、エド・シーランさんとかね。

そして、僕もインタビュアーとしての腕をもっと磨いて、もっと多くの英国スターに素晴らしいインタビューがたくさんできるように精進します。

では、また次回の記事でお会いしましょう、川合亮平でした!

Text&Photo by R.Kawai

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ryoheikawai@hotmail.co.jp


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川合 亮平

川合 亮平

(かわいりょうへい)

通訳者・東京在住

関西の人気テレビ番組で紹介され、累計1万部突破の『なんでやねんを英語で言えますか?』(KADOKAWA)をはじめ、著書・翻訳書・関連書は10冊以上を数える。

通訳者としては直近で東京五輪関連のビジネス会議、アスリート通訳に携わる。その他、歌手のエド・シーラン、映画『ファンタビ』シリーズのエディ・レッドメイン、BBCドラマ『シャーロック』のベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、ヒットドラマ『ダウントン・アビー』の主要キャストなど、ミュージシャン、俳優への通訳・インタビューも多数手がけている。

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