今年のイギリスの母の日は3月10日(日)でした。
そうなんです。イギリスでは母の日は5月の第二日曜日とは決まっておらず、毎年日にちが変化します。というのも、イギリスの母の日(Mother’s Day)は、イースター(復活祭)前にキリストの苦難をしのんで断食する期間である「四旬節(レント)」のうちの4回目にあたる日曜日、つまりイースターの3週間前の日曜日と定められているからです。
また、かつてはこの日をマザーリング・サンデー(Mothering Sunday)と呼んでいたそうですが、これは、イースターの時期にキリスト教徒たちが、自分が洗礼を受けた教会に行き、礼拝をしたことに関係しています。それは、人々が洗礼を受けた教会のことをマザー・チャーチ(Mother Church)と呼んだから。そのため、この日をマザーリング・サンデーと呼ぶようになったのです。
それが母の日となった理由としては、当時、奉公に出されていた子どもたちが、マザーリング・サンデーには特別に礼拝のための里帰りが許されたからと言われます。メイドとしてお屋敷で働いていた子どもたちが、シムネル・ケーキを持ち帰り、母親にプレゼントしたことから、マザーリング・サンデーが、イギリスでは「母の日」とされました。
勤め先から子どもが持ってきてくれたこのケーキを、お母さんたちは大切にとっておき、イースターの期間に食べたのだそうです。それが「シムネル・ケーキ=イースターのお菓子」というイメージにつながっているようです。
今では母の日のプレゼントといえば、シムネル・ケーキではなく、花やチョコレートなどが一般的です。特に花束は定番中の定番です。でも、日本のように「母の日=カーネーション」というイメージはイギリスではまったくないため、花屋さんやスーパーの店頭には、色とりどりのバラエティに富んだ花束が売られています。
というのも、母の日が近くなると、雑誌や各種ウェブサイトなどでは「お母さんを喜ばせるブレックファスト・イン・ベッド・レシピ・ベスト10」といった特集があちこちで目につくようになるのです。もちろん、我が家でも、母の日の朝はブレックファスト・イン・ベッドをさせてもらいました(朝食を作ってくれたのは夫でしたが)。母親の立場からすると、子どもたちのご飯やお弁当の準備や学校の送り迎えなど、朝から多忙な毎日のなか、母の日にゆっくり朝寝坊して、ベッドの中で子どもたちや夫が作ってくれた朝ごはんをいただくのは、何よりの贅沢(ご褒美)といえるかもしれません。
ということで、世界中のお母さんへ。Happy Mother’s Day!
また、かつてはこの日をマザーリング・サンデー(Mothering Sunday)と呼んでいたそうですが、これは、イースターの時期にキリスト教徒たちが、自分が洗礼を受けた教会に行き、礼拝をしたことに関係しています。それは、人々が洗礼を受けた教会のことをマザー・チャーチ(Mother Church)と呼んだから。そのため、この日をマザーリング・サンデーと呼ぶようになったのです。
それが母の日となった理由としては、当時、奉公に出されていた子どもたちが、マザーリング・サンデーには特別に礼拝のための里帰りが許されたからと言われます。メイドとしてお屋敷で働いていた子どもたちが、シムネル・ケーキを持ち帰り、母親にプレゼントしたことから、マザーリング・サンデーが、イギリスでは「母の日」とされました。
ドライフルーツがどっさり入ったシムネル・ケーキは、紅茶によく合う。
以前「イギリスの春。イースターを彩るお菓子たち」でご紹介したように、現代のイギリスでは、シムネル・ケーキはイースターに食べるお菓子として知られています。でも、もともとイギリスやアイルランドでは前述のように、マザーリング・サンデーの伝統菓子とされていました。どんなケーキかというと、アーモンドペースト、またはマジパンをフルーツケーキでサンドイッチにし、ケーキの上にマジパンで作った11個の玉がのっています。この「玉」は、キリストの12使徒を表していますが、キリストを裏切ったユダが除かれたため、11個なのだといわれています。勤め先から子どもが持ってきてくれたこのケーキを、お母さんたちは大切にとっておき、イースターの期間に食べたのだそうです。それが「シムネル・ケーキ=イースターのお菓子」というイメージにつながっているようです。
今では母の日のプレゼントといえば、シムネル・ケーキではなく、花やチョコレートなどが一般的です。特に花束は定番中の定番です。でも、日本のように「母の日=カーネーション」というイメージはイギリスではまったくないため、花屋さんやスーパーの店頭には、色とりどりのバラエティに富んだ花束が売られています。
母の日の1週間ほど前から、スーパーの店頭には花束をはじめとして、母の日のプレゼントがたくさん陳列されている。
また、日本では考えられない母の日のプレゼントとしては、「ブレックファスト・イン・ベッド」があります。「ブレックファスト・イン・ベッド」とは、ベッドの中で朝ごはんを食べることです。これは母の日に限らず、誕生日や、あるいは普段の週末に行われることでもありますが、なんといっても母の日のプレゼントとしての実施率が高いようです。というのも、母の日が近くなると、雑誌や各種ウェブサイトなどでは「お母さんを喜ばせるブレックファスト・イン・ベッド・レシピ・ベスト10」といった特集があちこちで目につくようになるのです。もちろん、我が家でも、母の日の朝はブレックファスト・イン・ベッドをさせてもらいました(朝食を作ってくれたのは夫でしたが)。母親の立場からすると、子どもたちのご飯やお弁当の準備や学校の送り迎えなど、朝から多忙な毎日のなか、母の日にゆっくり朝寝坊して、ベッドの中で子どもたちや夫が作ってくれた朝ごはんをいただくのは、何よりの贅沢(ご褒美)といえるかもしれません。
娘が作ってくれた紙製のイングリッシュ・ブレックファスト。実際に食べたのは本物の朝食です。念のため。
日本とイギリスで、そして私自身が娘として、また母親として体験してみて思うのは、母の日の日付は違っても、住む場所が違っても、子どもたちが母親を大切に思う気持ちは不変だということです。ということで、世界中のお母さんへ。Happy Mother’s Day!
マクギネス真美
英国在住20年のライフコーチ、ライター。オンラインのコーチングセッションで、人生の転換期にある方が「本当に生きたい人生」を生きることを日本語でサポート。イギリスの暮らし、文化、食べ物などについて書籍、雑誌、ウェブマガジン等への寄稿、ラジオ番組への出演多数。
音声メディアVoicy「英国からの手紙『本当の自分で生きる ~ 明日はもっとやさしく、あたたかく』」にてイギリス情報発信中。
ロンドンで発行の情報誌『ニュースダイジェスト』にてコラム「英国の愛しきギャップを求めて」を連載中。
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