少し前まではロンドンの典型的な下町だったこの地域ですが、今はトレンドの生まれるところとして注目されています。
理由は分からないけれど、行こうと思うとなぜか何かが起こって行けていない場所ってありませんか?私の場合はブロードウェイ・マーケットがそうなのです。行くつもりにしていたのに雨が降ってきたり、急な予定が入ったり…。家からそんなに遠くないのに、なぜかいままで一度も行けていませんでした。
今日こそは天気も良いし、予定もないし、この機会を逃してはと、急いでバスに飛び乗りました。今回は無事にたどり着くことができました。
ブロードウェイ・マーケットは、ロンドンの東側に位置する、若者を中心にとても人気のあるマーケットです。
少し前まではロンドンの典型的な下町だったこの地域ですが、今はトレンドの生まれるところとして注目されています。とは言っても、他の観光施設から離れていることもあって、観光客の方は少なく、地元のおしゃれな若者がたくさん集まっています。
マーケットの北側にはロンドンフィールドという緑あふれる広い公園があり、マーケットで買ったものを持ってピクニックをする人たちでいっぱいです。
南側にはリージェンツカナルがあります。ロンドンフィールドほどではありませんが、ここでもピクニックを楽しんでいる人たちを見かけます。
イギリスの食べ物はおいしくないと長年言われてきましたが、ここを見ると人々の食に関する意識が大きく変わってきていることがわかります。
オーガニックの野菜や産地にこだわった肉や魚、ホームメードのケーキなど、味だけでなく、品質を重視したものを売るストールとそれを求める人たちでいっぱいです。
マーケットだけではなく、通りに並ぶお店やカフェも楽しいです。おしゃれなお店に混じって、下町風情の残るカフェなどもまだ残っています。また、雰囲気のあるパブも数件あります。
少しマーケットの紹介から外れますが、イギリスの人たちと食の話をしていて気付くことがあります。
「私はベジタリアンじゃないから肉は食べるけど、happy meatしか食べない」という女性に出会ったことがあって、「happy meatって何?」と思っていたら、幸せな環境で飼育されていた動物の肉ということらしいです。
彼女が特殊なわけではなく、イギリスでは、その動物がどういう環境で飼育されていたのか、何を餌にしていたのかなど、肉になる前の過程に関心を持ち、それを基準に食べる肉を選ぶひと達が結構います。
肉だけでなく、どんなものでも、それがどこでだれにどう作られたものなのかを考えることは、何でもすぐ手に入る今の時代だからこそ大切なことではないのかと思います。
トレンドがきっかけなのかもしれませんが、そういう意味でも本物に出会えるこういうマーケットの存在は大きいと思います。
難しいことは抜きにしても、売り手と買い手があいさつや言葉を交わす、マーケットや市場の活気ある温かい雰囲気が私は大好きです。
ブロードウェイ・マーケットのようなおしゃれなものだけでなく、スーパーマーケットが充実した今でも、ロンドンのあちこちに野菜や果物を売る市場が開かれています。 ロンドンにいらっしゃる機会があれば、ぜひ市場をのぞいてみて、その空気を感じてもらえたらと思います。
アムスベリー加恵
ロンドン留学中にヴィンテージウエアを販売する「Old Hat」ロンドン店でアルバイトをしたことをきっかけに、紳士服に興味を持ち始める。職人の技を身近に見る機会にも恵まれ、英国のクラフツマンシップにも刺激を受ける。カレッジを卒業後、いったん帰国。結婚を機に2012年10月に再渡英、現在ロンドン在住。
夫に作ったニットタイが好評で、夫の友人たちから注文が相次ぎ、2013年11月にオーダーメイドの手編みニットタイを販売する「Bee’s Knees Ties」を立ち上げる。
Bee’s Knees Ties
ロンドンを拠点に、オーダーメイドの手編みのニットタイを制作、販売しています。
色はもちろん、ステッチや結び目の大きさ、長さや太さなど、お客様のお好みをおうかがいお伺いしてから、1本1本、手で編みあげます。素材にもこだわり、大量生産の糸にはない魅力を持つ糸を探し求め、何度も試作を繰り返した後に、品質が良く、ユニークで、長く愛用していただける糸だけを採用しています。手編みならではの親しみやすい風合いが、スーツだけではなく、ニットウエアやツイードにもよく合い、日常の色々なシーンでお使いいただけます。
ロンドンではサヴィル・ロウのテーラー「L G Wilkinson」にてお取り扱いいただいております。
facebook.com/bees.knees.ties
現在、BRITISH MADE青山本店にてオーダーを承っております。また実際にいくつかお手にとって店頭にてご覧頂けます。詳細はお気軽に店頭スタッフまでお訪ね下さい。