さすが世界の大都市だけあってロンドン市内の交通機関は随分と充実している(と思う)。地下鉄やオーバーグラウンドなど電車が市内をくまなくカバーしていることは言わずもがな、街のアイコンである二階建てバスやタクシーもいたるところで見かける。近年ではレンタサイクルが街のそこここに設置されていて利用する人も少なくない。そう言ったわけで、これらを使いこなすことができれば移動に困ることはほとんどないのだけれど……、現実はそう簡単な話でもないのだな、これが。
しかし、そんなお悩みを解消してくれる便利アプリがある。それが本日ご紹介する「Citymapper(シティマッパー)」だ(なんだか通販チャンネルの決まり文句みたいだな)。出発地と行き先を打ち込めば、最短ルートを含めて複数の経路とそれにかかる交通費を表示してくれる。バスのみ、電車のみ、徒歩など利用する交通機関のチョイスもあって(徒歩の場合は、カロリーも!)、かゆいところに手が届いているのがとってもうれしい。
僕が初めてロンドンに来た2012年頃にはすでに周りが使い始めていたと記憶しているが、現在、ヨーロッパほか世界中の大都市で使うことができるそうだ(一応、東京もあるみたい)。
市内のいたるところで見る二階建てバス
何がそう言わせうのかというと、一にも二にも選択肢の多さ。いろいろとありすぎて逆に「複雑」になってしまっているのだ。とりわけ初心者にとって、バスの利用はけっこう難易度が高いだろう。ロンドンのバス・ルートの多さは本当に世界一なんじゃないかと思うくらいなのだけれど(世界を見て回ったことがないので感覚で言っています)、難点なのがその充実ぶりのせいで乗り継ぎが果てしなくわかりにくいということ。しばらくロンドンに住んでも一向に慣れないのだから、いわんや観光で訪れた人に乗りこなすのは至難の技だと思われる。しかし、そんなお悩みを解消してくれる便利アプリがある。それが本日ご紹介する「Citymapper(シティマッパー)」だ(なんだか通販チャンネルの決まり文句みたいだな)。出発地と行き先を打ち込めば、最短ルートを含めて複数の経路とそれにかかる交通費を表示してくれる。バスのみ、電車のみ、徒歩など利用する交通機関のチョイスもあって(徒歩の場合は、カロリーも!)、かゆいところに手が届いているのがとってもうれしい。
左上の緑のアプリが「Citymapper(シティマッパー)」
気配りもバッチリなこのアプリ、今やロンドナーのほとんどがスマホにインストールしていると言っても過言ではないほど。開発するのはアプリと同名の会社「Citymapper」だ。2011年に創業のスタートアップ・カンパニーだがで、わずか5年余りでサービスが急拡大。僕が初めてロンドンに来た2012年頃にはすでに周りが使い始めていたと記憶しているが、現在、ヨーロッパほか世界中の大都市で使うことができるそうだ(一応、東京もあるみたい)。
デザインはこんな感じ。ここに行き先を打ち込む
経路の検索結果
それにしても、経路検索なんぞGoogle Mapでこと足りる時代、なぜ「Citymapper」がこれほどまでの市民権を獲得したのか。僕の勝手な解釈だけれど、やはりその使い勝手のよさに尽きると思う。例えば、先にも挙げた複雑なバスのルート案内。観光客であれ、ロンドナーであれ、見知らぬ地域の「バス停」の名前を表示されただけではいまいちピンと来ないだろう。しかしながら「Citymapper」は、ひとひねりきいている。ルート検索をしたあとにバスに乗り込むと、目的地まで全てのバス停がスマホに表示される。そしてバス停を一つ進むたびに、あとどれぐらいの停留場を経由するかが可視化されるテイクのだ。きわめつけは、あと1つか2つ先、となった時。設定さえしておけば、携帯がブルブルとふるえて「もう少しで着きますよ!」と教えてくれる。いやはや、僕もこのサービス・デザインにはホント、唸りました。 オフラインで地下鉄の地図も見ることができる
そう言ったわけで、ロンドンを観光で訪れたならぜひ使って見てほしい「Citymapper」。ユーザーインターフェースも限りなくシンプルなので、簡単な英語さえ分かれば初見で使い方がわかると思います。あと、無料です! Yuichi Ishino
イギリスをはじめ、欧州と東京を拠点にするデジタルプロダクション/エージェンシー「TAMLO」代表。企業に向け、ウェブメディアの戦略コンサルティング、SNS施策、デジタル広告の運用、コンテンツの制作などを日英を含めた多言語でサポートする。好きな英国ドラマは『フォルティ・タワーズ』。ウィスキーはラフロイグ。