イギリスの人気ドラマ「ダウントン・アビー」
お気に入りの映画やテレビドラマ。建築家の私としては、その舞台となった建築物もとても気になります。そこで、今回から数回にわたり、ロケ現場に使われたイギリスの建築を、私自身が巡って愉しんだ記録をご紹介したいと思います。まずご紹介させていただくのは、日本でもNHKで放送されて大人気だったテレビドラマ「ダウントン・アビー」のロケ地です。
「ハイクレア城」
ロンドン・パディントン駅から列車で約1時間半。ニューベリー駅で降り、そこから車で15分ほどで、このドラマで一躍有名になったカントリーハウス「ハイクレア城」に到着します。これを手掛けた建築家は英国国会議事堂を設計したチャールズ・バリーです。実はこの建築物は中世からすでに存在していましたが、増築・改築を重ね、1839年~1842年にチャールズ・バリーがデザインした図が、現在の姿となっています。ハイクレア城の建築様式は「ジャコビアン・リヴァイヴァル」と呼ばれ、国王ジェームズ1世の時代(1603~1625年)の建築様式をリヴァイヴァル(復活)させたデザインです。特徴としては、塔(タワー)やゴシック建築の装飾を用いたり、ストラップ・ワークという型抜き状の石の装飾を、屋上の手摺りや玄関ポーチに取り入れます。



Highclere Castle
住所: Highclere Park, NEWBURY, RG20 9RN
URL:highclerecastle.co.uk
「バンプトン」
コッツウォルズ・オックスフォードにある小さな村「Bampton(バンプトン)」も、ドラマ内でハイクレア城に続き登場回数の多いロケ地です。







Photo & Text by Koichi Obi
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小尾 光一
工学院大学工学部建築学科卒業後、輸入住宅会社、リフォーム会社勤務を経て、「地面から生えたような」と形容されるイギリスの家に魅了されて渡英を繰り返し、デザイン・知識の習得とともにイギリス建材の開拓を重ね、2000年にコッツワールドを設立。イギリスであれば何処のエリアの建物も、そしてインテリアも実現するイギリス住宅専門の建築家として活動中。日英協会、イギリスを知る会所属。
著書「英国住宅に魅せられて」
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