Hartwell House
この建物の南面と東面は、ジョージアン時代に改築されたため、ジョージアン様式も取り入れた外観になっています。
出入口のある北面よりも美しさが際立つ南面の外観。
クラシカルな雰囲気漂う東面の外観も魅力的です。
次に、ハートウェル・ハウスのインテリアのご紹介です。ハートウェル・ハウスでは、1723年から2年間にわたって内装を改装しました。
イングリッシュ・バロック様式とジョージアン様式のデザインを得意とする建築家James Gibbs(1682-1754)によって手掛けられたインテリアは、装飾材の強調と比較的大胆な色使いで、なかなかインパクトの強い印象です。
まずはグレート・ホールと呼ばれるエントランス・ホール。
このお部屋の壁は、同系色のイエロー、クリーム、ホワイトの3色の塗り分けが施されていて、広い空間を単調に見せません。そして大きな天井装飾にも圧倒されます。
このお部屋の壁は、同系色のイエロー、クリーム、ホワイトの3色の塗り分けが施されていて、広い空間を単調に見せません。そして大きな天井装飾にも圧倒されます。
ドローイング・ルームでは、グリーン系のダマスク柄の壁紙と、凹凸のある天井装飾に見惚れます。
ロココ・シーリングと呼ばれる天井装飾で、通常よりも細やかで装飾性の高い、存在感のある石膏装飾に、パステルカラーのペイントの多色塗り分けが施されています。
ライブラリーは、たくさんの本がインテリアの一部として飾られた空間です。大きな台形の出窓から、裏庭を眺めながら読書の出来る、気持ちの良いお部屋でした。
貴族の館でよく見かける本棚ドア(本棚のように見えて、実は扉になっている物です)がここでもみられました。
ジャコビアン・スタイルの大階段にはルイ18世と王妃の肖像画が飾られています。発色の良いグリーンのカーペットとピンクの壁紙が、豪華なインパクトを与える空間でした。
日の長い、夏のイギリスならではの楽しみ方です。
まるでまだ夕方のような明るさのお庭で、荘厳な館を背に、緑と鴨達を眺め、森の新鮮な空気を吸い、くつろぎながら、食後のコーヒーをいただきました。
ロンドンから1時間半ほどで着く、貴族の館「ハートウェル・ハウス」、是非訪れてみてはいかがでしょうか。
HARTWELL HOUSE
住所: Vale of Aylesbury, Buckinghamshire HP17 8NR
URL:www.hartwell-house.com
小尾 光一
工学院大学工学部建築学科卒業後、輸入住宅会社、リフォーム会社勤務を経て、「地面から生えたような」と形容されるイギリスの家に魅了されて渡英を繰り返し、デザイン・知識の習得とともにイギリス建材の開拓を重ね、2000年にコッツワールドを設立。イギリスであれば何処のエリアの建物も、そしてインテリアも実現するイギリス住宅専門の建築家として活動中。日英協会、イギリスを知る会所属。
著書「英国住宅に魅せられて」
ホームページ:
www.cotsworld.com
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