
Copyright:St. Pancras Station by David Skinner(https://www.flickr.com/photos/branestawm/)
英仏をトンネルで越える夢の鉄道旅を満喫したい

英仏間のドーバー海峡下にトンネルを通す計画が持ち上がったのは、およそ200年前の1802年、鉱山技師のアルベール・マチューがナポレオン・ボナパルトに提案したのがそもそものはじまりだった。その後、何度も計画が持ち上り、実際に採掘も行われたものの、現在のトンネルの工事が始まったのは1988年のこと。その後、6年という想像以上に短い工事期間で、1994年、ついに19世紀からの構想が現実のものとなった。
この工事には日本企業も参加し、硬い刃先で海底を掘り進みながら土を後方に排出、同時にトンネルの外壁をも構築していくという、当時最先端の技術を駆使したシールドマシーンも日本の企業が製作したものだ。そして難しい工程でありながら予定よりも半年以上早く工事が終わったという。
海底部の総距離は37.9kmと世界一であるものの、陸上部を含めた全長となると50.5kmにとどまり、この長さは青函トンネル(53.9km)に次いで世界第2位となっている。この結果について英国人は、「日本の技術者はホントに優秀だよ。なんてったって青函トンネルを抜かさないように、それより短いルートで無理やり掘ったんだからね……」と、英国ならではなジョークを飛ばすこともあるという。
早めにチケットを購入、ビジネスプレミアムで快適な旅を

ユーロスターをはじめとした列車の旅は、飛行機の移動とは違って直接市中にあるに駅へ移動できるため、市街地から離れた空港までわざわざ足を運ぶ必要がない。時間を大切にしたいトラベラーには非常に便利だ。
チケットは、公式サイトからの購入が最も安く、早めに購入すれば割引率も高い(180日前から購入可能)。乗車券は、購入後に送られてくるメールをプリントアウトするか、駅で簡単に印刷することで手に入る。
いよいよ乗車の時間。最も安価なスタンダードクラスで予約した場合、列車が出発する30分前までにチェックインを済ませなければいけない。しかし、最高ランクのビジネスプレミアクラスなら、出発の10分前までチェックインを受け付けている。それだけでなく、駅のビジネスラウンジ、リクライニングのシート、座席の電源が利用でき、食事サービスを楽しむことができるので断然こちらがおすすめだ。

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Copyright:Eurostar Business Premier Seats by Gary Bembridge(https://www.flickr.com/photos/tipsfortravellers/)
車窓を流れる田園風景のパノラマは旅の醍醐味


1868年に開業したセント・パンクラス駅は、ジョージ・ギルバート・スコット卿の設計によるヴィクトリア朝ネオゴシック建築の建物で、高い時計塔を配したデザインはまさに宮殿建築と呼ぶにふさわしい。一方、同じ建物の中でもユーロスターの入るコンコースはモダニズムの粋を集めた現代的なフォルムで、外観とは対照的な構成になっている。
ユーロスターの発着駅がセント・パンクラス駅に変更になったのは2007年のことだ。それまでの「ウォータールー駅」が発着駅で無くなったことを受け、ナポレオンが群衆に向かい「ワーテルローは忘れろ!」と言い放つ広告も話題になった。「ワーテルロー」は英語読みで「ウォータールー」となることを利用して、英国軍がナポレオン率いるフランス軍を撃破した「ワーテルローの戦い」と、ウォータールーを掛けた洒落なのである。
そんなヨーロッパの長い歴史を繋ぐユーロスターの旅。旅行の際には是非楽しんでみてはいかがだろうか。
Text by Shun Horigome/堀籠しゅん
