冬至も過ぎ、少しずつ日も長くなってきたとはいえ、イギリスの暗い冬はまだまだ続きます。この時期は霜が降りる日も多いため、毎日庭で作業というわけにはいきません。それでも、イギリス人ガーデナーには庭での楽しみがあります。
それは庭にやってくる鳥たちを観察すること。
イギリス人宅の庭を見ると、たいていどの家にも最低1~2本は赤や橙に色づいた実(ベリー)をつける木が植えられています。これらは冬の間、鳥たちの貴重な食糧になります。そのことを知っているイギリスの人々は、あえて、冬に実を残す木々を庭に植えるのです。また、同じ理由で、種子をつけた草花を刈り取らず、わざと立ち枯れのままにしてあることもあります。
それほど、イギリス人にとって野鳥は身近な存在であり、ガーデナーにとっては庭を共有する仲間ともいえるのです。
特に「ロビン」と呼ばれる顔から胸の部分がオレンジ色の小鳥は、歌声も美しく、人なつこいため、イギリス人たちの間でとても人気があります。
ほかにも、ブラックバード、マグパイ、グレートティッツなど、イギリスに住んでいると、たくさんの野鳥たちを知ることになります。ロンドンのような都会であっても、庭にはたくさんの鳥たちがやってきます。
この団体では、1979年以来、冬期に‘Big Garden Birdwatch’というキャンペーンを行っています。今年で38年目となるこの活動は、世界最大の野生動物の調査といわれています。
具体的には、一般の人々が参加し、それぞれの庭(公園なども含む)で1時間、やって来る野鳥の数を数えて、それを集計します。この統計が、イギリス国内の野鳥数の推移や動向などを知ることのできる貴重なデータとなるのです。
昨年はイギリス国内の51万9000人以上が参加、合計826万2662羽が観察されたそうです。結果、最も多くウォッチされた鳥は1位がハウススパロウ、2位がスターリング、3位がブルーティッツでした。
対象となるのはイギリス国内のみですが、日本の皆さんも、時にはイギリス人にならって、庭にやってくる野生の鳥たちを観察してみてはいかがでしょう。それをきっかけに、庭とのつきあい方が変わってくるかもしれませんよ。
それは庭にやってくる鳥たちを観察すること。
イギリス人宅の庭を見ると、たいていどの家にも最低1~2本は赤や橙に色づいた実(ベリー)をつける木が植えられています。これらは冬の間、鳥たちの貴重な食糧になります。そのことを知っているイギリスの人々は、あえて、冬に実を残す木々を庭に植えるのです。また、同じ理由で、種子をつけた草花を刈り取らず、わざと立ち枯れのままにしてあることもあります。
1月のイギリスは庭が霜で覆われる日も少なくありません
「バード・テーブル(Bird table)」や、「バード・フィーダー(Bird feeder)」と呼ばれる鳥のエサ台・エサ箱を置いている庭もたくさんみかけます。これらはもちろん一年中置かれてはいるのですが、やはり冬の時期は鳥たちにとって欠かすことのできない栄養補給所となっています。 バードテーブルにやって来る鳥は大小さまざまです Photo:©RSPB
イギリス国内では、エサ台や、エサ用の種・ナッツなどはガーデンセンターだけでなく、一般のスーパーでも気軽に購入することができます。そして、これらは屋内で飼育している鳥のためというよりは、野生の鳥たちのためのものなのです。それほど、イギリス人にとって野鳥は身近な存在であり、ガーデナーにとっては庭を共有する仲間ともいえるのです。
特に「ロビン」と呼ばれる顔から胸の部分がオレンジ色の小鳥は、歌声も美しく、人なつこいため、イギリス人たちの間でとても人気があります。
2015年にイギリスの「国鳥」を選ぶ投票で一位になったロビン Photo:©RSPB
以前住んでいた家の庭には一年中このロビンがやってきては、バードテーブルのエサを食べて可愛い声を聞かせてくれていました。友人で画家のマリアンヌは、毎年クリスマスカードに彼女の家に来るロビンの絵を描いて送ってくれます。また、よく慣れたロビンは人の手からエサをもらったりすることもあるのですよ。ほかにも、ブラックバード、マグパイ、グレートティッツなど、イギリスに住んでいると、たくさんの野鳥たちを知ることになります。ロンドンのような都会であっても、庭にはたくさんの鳥たちがやってきます。
人気のガーデニング雑誌でも、冬期には野鳥についての記事が
さて、野鳥を愛するイギリス人たちは、その保護にも熱心です。イギリス内最大の自然保護チャリティー団体RSPB(The Royal Society for the Protection of Birds:王立鳥類保護協会)は、1889年に発足したといいますから、すでに120年以上の歴史があります。この団体では、1979年以来、冬期に‘Big Garden Birdwatch’というキャンペーンを行っています。今年で38年目となるこの活動は、世界最大の野生動物の調査といわれています。
具体的には、一般の人々が参加し、それぞれの庭(公園なども含む)で1時間、やって来る野鳥の数を数えて、それを集計します。この統計が、イギリス国内の野鳥数の推移や動向などを知ることのできる貴重なデータとなるのです。
昨年はイギリス国内の51万9000人以上が参加、合計826万2662羽が観察されたそうです。結果、最も多くウォッチされた鳥は1位がハウススパロウ、2位がスターリング、3位がブルーティッツでした。
黄色が印象的なグレートティッツも人気者 Photo:©RSPB
ハウススパロウは日本のスズメに似ています Photo:©RSPB
このキャンペーン、今年は1月28~30日に実施されます。私も今年は参加して、わが家の庭に鳥たちがやって来てくれるのを待つことにします。対象となるのはイギリス国内のみですが、日本の皆さんも、時にはイギリス人にならって、庭にやってくる野生の鳥たちを観察してみてはいかがでしょう。それをきっかけに、庭とのつきあい方が変わってくるかもしれませんよ。
今朝もこの赤い実をハトとブルーティッツが仲良くついばんでいました
マクギネス真美
英国在住20年のライフコーチ、ライター。オンラインのコーチングセッションで、人生の転換期にある方が「本当に生きたい人生」を生きることを日本語でサポート。イギリスの暮らし、文化、食べ物などについて書籍、雑誌、ウェブマガジン等への寄稿、ラジオ番組への出演多数。
音声メディアVoicy「英国からの手紙『本当の自分で生きる ~ 明日はもっとやさしく、あたたかく』」にてイギリス情報発信中。
ロンドンで発行の情報誌『ニュースダイジェスト』にてコラム「英国の愛しきギャップを求めて」を連載中。
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