8月の中旬以降になると、イギリス人が楽しみにしているのがブラックベリー摘み。
日本ではブラックベリーを見かけることは少ないかもしれません。これは、ラズベリーに似た形をした木苺で、まるで黒真珠のようにツヤツヤと光沢のある黒色をしています。
指先を紫色に染めて、器に入れるよりも口に入れるほうが多いと親に笑われながら、ずんずんとブラックベリーの実っている小道を進んでいく。すると、枝についた棘にひっかかって腕に傷ができ、泣いてしまった……。
そんな幼い頃の記憶を蘇らせるノスタルジックな存在がこの果物なのです。
昔であれば、少しでも食材の足しになるという実用性が重要だったことと思いますが、現代では、エコロジー的視点で植物採集をしている人たちも少なくありません。
ガーデニング関連のテレビ番組や、ガーディアン紙の園芸コラムなどでも人気の園芸家・園芸ジャーナリストのアリス·ファウラー(Alys Fowler)さんも、その著書でForagingをすすめています。
○許可の必要なところで無断で植物を採ってはいけない。
○植物を摘むときには、その後、植物があらたに成長できるよう、すべてを採ってしまわず、必要な分だけにすること。
などをAlys Fowlerさんは注意しています。
ロンドンのような大都会でも、緑の多い場所に行けばブラックベリーが見つかることはよくあります。車の排気ガスに触れるところや、犬の背丈サイズのものは避けるべきですが、ちょっと背伸びをして届くところにある黒い実を、ひとつつまんでみてください。
口に広がるちょっと渋くて甘酸っぱい実は、イギリスの「夏の名残」の味がするはずです。
日本ではブラックベリーを見かけることは少ないかもしれません。これは、ラズベリーに似た形をした木苺で、まるで黒真珠のようにツヤツヤと光沢のある黒色をしています。
ブラックベリーが実る頃は、もう秋の気配を感じるイギリス
今の時期になると、道路の脇や草原、林など、イギリス国内では、あらゆるところで実をつけたこの植物を見かけます。そして、イギリスの人々は、これを摘んでジャムやコンポートにしたり、リンゴと一緒に「クランブル」というお菓子にしたりするのです。 フルーツのコンポートとクリームだけで作るイギリスの伝統デザート「フール」をブラックベリーで
子どもの頃、夏休みの終わり頃になると家族でブラックベリー摘みをした、という思い出のあるイギリス人はたくさんいます。 指先を紫色に染めて、器に入れるよりも口に入れるほうが多いと親に笑われながら、ずんずんとブラックベリーの実っている小道を進んでいく。すると、枝についた棘にひっかかって腕に傷ができ、泣いてしまった……。
そんな幼い頃の記憶を蘇らせるノスタルジックな存在がこの果物なのです。
別名「ブランブル」とも呼ばれるブラックベリー。スーパーでも買えますが、やっぱり摘みたてがおいしい
さて、野にある食用植物などを採集することを「フォラジング(Foraging)」といい、イギリス人は、昔から自然の中から様々な恵みを分けてもらうこの食物採集を楽しんできました。きのこやワイルドガーリック、ネトルなど、イギリスではさまざまな食用植物を見つけることできますが、ブラックベリーはその代表的存在といえるでしょう。昔であれば、少しでも食材の足しになるという実用性が重要だったことと思いますが、現代では、エコロジー的視点で植物採集をしている人たちも少なくありません。
ガーデニング関連のテレビ番組や、ガーディアン紙の園芸コラムなどでも人気の園芸家・園芸ジャーナリストのアリス·ファウラー(Alys Fowler)さんも、その著書でForagingをすすめています。
Alys Fowlerさんの著書「The Edible Garden」には、Foragingのススメが紹介されている
自然のものを採集するといっても、いえ、自然のものだからこそ、摘む際にはルールを守らなければいけません。○許可の必要なところで無断で植物を採ってはいけない。
○植物を摘むときには、その後、植物があらたに成長できるよう、すべてを採ってしまわず、必要な分だけにすること。
などをAlys Fowlerさんは注意しています。
ロンドンのような大都会でも、緑の多い場所に行けばブラックベリーが見つかることはよくあります。車の排気ガスに触れるところや、犬の背丈サイズのものは避けるべきですが、ちょっと背伸びをして届くところにある黒い実を、ひとつつまんでみてください。
口に広がるちょっと渋くて甘酸っぱい実は、イギリスの「夏の名残」の味がするはずです。
マクギネス真美
英国在住20年のライフコーチ、ライター。オンラインのコーチングセッションで、人生の転換期にある方が「本当に生きたい人生」を生きることを日本語でサポート。イギリスの暮らし、文化、食べ物などについて書籍、雑誌、ウェブマガジン等への寄稿、ラジオ番組への出演多数。
音声メディアVoicy「英国からの手紙『本当の自分で生きる ~ 明日はもっとやさしく、あたたかく』」にてイギリス情報発信中。
ロンドンで発行の情報誌『ニュースダイジェスト』にてコラム「英国の愛しきギャップを求めて」を連載中。
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