ロンドンには、ハイド・パークやリージェンツ・パークなど、古くから市民の憩いの場所として、一般に開放されている広大な公園がたくさんあります。冬でも青々としている芝生や、たくさんの木々と花たち。いつ訪れても自然を感じることのできるそこでは、散歩をする人やジョギングをする人、ピクニックをするグループや、犬の散歩をする人々など、それぞれが思い思いに時間をすごしています。
一方、近頃では、緑あふれる公園とはまったく関係のなさそうな、近代的高層ビルの中にあるガーデンが、ロンドンの人々だけでなく、観光客の人気を集めています。
特に注目なのは、今年の2月に一般公開されたばかりの「ザ・ガーデン・アット120(The Garden at 120)」です。ロンドンでシティと呼ばれるビジネス街にそびえる高層ビル「120フェンチャーチ·ストリート」。その15階に登場したのがこのルーフ・ガーデンです。
高層にある庭園というと、このようについ眺望のほうばかり気になりますが、ここにはもちろん、植物もたくさん植えられています。訪れたのが開園して間もない2月後半だったこともあり、茎や葉が勢いづいてくるのは、まだこれから、という感じではありました。でも、植栽エリアには、淡い桃色の秋明菊が咲いていたり、ススキを含め、グラス類が風に葉をそよがせていたり。黄色い花をたわわにつけているヤロウの株もありました。また、壁面には、クライミングプランツと呼ばれるツル性の植物が植えられていて、屋上庭園であっても、イギリスらしいガーデンデザインがなされているのが感じられます。
また、ガーデン上部にはスチール製の広大なパーゴラが設置されています。訪問時にはまだ人工的なラインとしか見えませんでしたが、これらには、庭園内に80本近く植えられている藤の蔓が絡まるように計画されています。毎年、初夏になるとイギリス各地のガーデンで見られる藤の美しさを思うと、この屋上庭園の頭上に薄紫の花が枝垂れる様子は、さぞや見事なのではないかと想像してしまいました。
こちらは、地上から約150メートルの高さに位置し、四方をガラスの窓で取り囲まれている空中庭園です。事前にウェブサイトでの予約が必要ですが、入場は無料。一階でチケットの確認と手荷物の検査を受けたら、高速エレベーターで一気に35階まで上がります。
ドアを開けると、温室の中に入ったような若干の湿気と共に植物の香りが出迎えてくれます。庭園のデザインを手がけたのは、数々の授賞を誇るランドスケープ・アーキテクト会社ギレスピーズ(Gillespies)。
どちらも、ロンドンの眺望と美しい植物の両方を楽しめるという贅沢なガーデン。歩いて数分しか離れていないので、二つの庭を見比べてみるのも面白いかもしれません。
一方、近頃では、緑あふれる公園とはまったく関係のなさそうな、近代的高層ビルの中にあるガーデンが、ロンドンの人々だけでなく、観光客の人気を集めています。
特に注目なのは、今年の2月に一般公開されたばかりの「ザ・ガーデン・アット120(The Garden at 120)」です。ロンドンでシティと呼ばれるビジネス街にそびえる高層ビル「120フェンチャーチ·ストリート」。その15階に登場したのがこのルーフ・ガーデンです。
お目当のガーデンがあるのは、急ぎ足で歩くビジネスマンが行き交うフェンチャーチ・ストリート。
デザインを手がけたのは、世界中でランドスケープデザインを手がけるラッツ +パートナー(Latz+Partner)。ビルの屋上ということで、コンクリートが主体とはいえ、ガーデン内には、小さな川も作られていて、その脇にしつらえられたベンチに腰掛ければ、せせらぎを聞きながら、ゆったりとロンドンの街を眺めることができます。 これから育っていくのが楽しみな植物たち。
コンクリートで作られているとはいえ、小川の流れは穏やかな気分にさせてくれる。
ガーデンをぐるっと一周すれば360度の展望が可能ですが、北側は、目の前に「ガーキン(The Gherkin)」とあだなされる、ロケットのような形をしたビルに視線をさえぎられます。でも、それは一方で、間近にロンドン有数のモダン建築を見られるという楽しみにもなります。 ロンドンのランドマークの一つ、ガーキンが眼前に。
そこから振り返って後ろを見れば、「ウォーキー·トーキー(Walkie Talkie)」というニックネームの「20フェンチャーチ・ストリート(20 Fenchurch Street)」のビルが目に飛び込んできます。また、空気が澄み渡っていれば、眼下にタワー·ブリッジやセントポール寺院などの有名なランドマークも見つけることができるでしょう。高層にある庭園というと、このようについ眺望のほうばかり気になりますが、ここにはもちろん、植物もたくさん植えられています。訪れたのが開園して間もない2月後半だったこともあり、茎や葉が勢いづいてくるのは、まだこれから、という感じではありました。でも、植栽エリアには、淡い桃色の秋明菊が咲いていたり、ススキを含め、グラス類が風に葉をそよがせていたり。黄色い花をたわわにつけているヤロウの株もありました。また、壁面には、クライミングプランツと呼ばれるツル性の植物が植えられていて、屋上庭園であっても、イギリスらしいガーデンデザインがなされているのが感じられます。
また、ガーデン上部にはスチール製の広大なパーゴラが設置されています。訪問時にはまだ人工的なラインとしか見えませんでしたが、これらには、庭園内に80本近く植えられている藤の蔓が絡まるように計画されています。毎年、初夏になるとイギリス各地のガーデンで見られる藤の美しさを思うと、この屋上庭園の頭上に薄紫の花が枝垂れる様子は、さぞや見事なのではないかと想像してしまいました。
スチールのパーゴラが美しい藤棚となる日も遠くない(?)。
それにしても、ここで驚いたのは、カメラマンの数の多さです。ガーデンを訪れたのが、晴れた日の、ちょうど夕日が沈むタイミングだったこともあってか、高層ビル群の後ろに沈んでいく夕焼けの景色を撮影しようと、三脚を立てて待ち構えている人たちが30人近くいました。彼らはみな、ガラスの塀にへばりつくようにして撮影をしていました。確かにここで見た夕焼けは、まるで自分がそのオレンジ色の光の中に吸い込まれていきそうな錯覚を起こさせるほど幻想的。多くの人々の写欲をひきつけるのもうなずけます。 夕暮れどきには、ロマンティックな景色にみとれる。
さて、このすぐそばに、もうひとつ、一般に開放されている人気の高層ガーデンがあります。さきほど、ザ・ガーデン・アット120から見えた、20フェンチャーチ・ストリートというビルのなかにある「スカイ・ガーデン(Sky Garden)」がそれです。こちらは、地上から約150メートルの高さに位置し、四方をガラスの窓で取り囲まれている空中庭園です。事前にウェブサイトでの予約が必要ですが、入場は無料。一階でチケットの確認と手荷物の検査を受けたら、高速エレベーターで一気に35階まで上がります。
ドアを開けると、温室の中に入ったような若干の湿気と共に植物の香りが出迎えてくれます。庭園のデザインを手がけたのは、数々の授賞を誇るランドスケープ・アーキテクト会社ギレスピーズ(Gillespies)。
ガラスで囲われているとはいえ、開放感のあるスカイ・ガーデン。
こちらは屋内庭園ということもあってか、南国系の木々も多く、ラベンダーやローズマリーなどのハーブ類、ストレリチアやアガパンサス等の個性的な花々を取り合わせて、エリア毎に異なる表情を見せるガーデンとなっています。 植物園の温室に来ているかのような気分にさせるスカイ・ガーデンの植栽。
2015年のオープン当初は、入場予約が殺到して、しばらくオンライン予約が不可能という事態も起こっていましたが、最近では、予約なしで入場できる「ウォーク・イン・アワーズ(walk-in hours)」というシステムも登場し、以前よりは気軽に行きやすくなったようです。どちらも、ロンドンの眺望と美しい植物の両方を楽しめるという贅沢なガーデン。歩いて数分しか離れていないので、二つの庭を見比べてみるのも面白いかもしれません。
スカイ・ガーデンからは、正面にテムズ川、そしてレンゾ・ピアノ設計の尖塔ザ・シャード(The Shard)が見える。
ザ・ガーデン・アット120(The Garden at 120)
住所:120 Fenchurch Street London, EC3M 5BA
オープン時間:月~金曜日(4月1日~9月30日)10:00~21:00
月~金曜日(10月1日~3月31日)10:00~18:30
(週末は試験的に期間限定でオープン)
入場料:無料
ウェブサイト
スカイ・ガーデン(Sky Garden)
住所:20 Fenchurch Street, EC3M 3BY
開園時間:月~金曜日10:00~18:00
土・日曜日:11:00~21:00
入場料:無料
備考:事前にウエブサイト(https://skygarden.london/booking)からの予約をするか、月~金曜日の10:00~11:30、14:00~16:30のウォーク・イン・アワーズ(walk-in hours)であれば予約なしでの入場が可能。
ウェブサイト
マクギネス真美
英国在住20年のライフコーチ、ライター。オンラインのコーチングセッションで、人生の転換期にある方が「本当に生きたい人生」を生きることを日本語でサポート。イギリスの暮らし、文化、食べ物などについて書籍、雑誌、ウェブマガジン等への寄稿、ラジオ番組への出演多数。
音声メディアVoicy「英国からの手紙『本当の自分で生きる ~ 明日はもっとやさしく、あたたかく』」にてイギリス情報発信中。
ロンドンで発行の情報誌『ニュースダイジェスト』にてコラム「英国の愛しきギャップを求めて」を連載中。
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