友人や親戚など、イギリス人の家を訪ねて気づくのは、庭で野菜を育てている人がたくさんいるということ。けっして誰もが広大な庭を有しているというわけではありません。でも、スペースの大小に関わらず、イギリス家庭のガーデンには、ミニトマトやジャガイモ、いちご、レタスやルバーブなど、さまざまな野菜や果物が育っているのを見かけます。また、小さな鉢植えにハーブを植えて、それを料理に使っているという人にも、これまで数多く合いました。
自分の庭から採りたての野菜を食べれば、その新鮮さは保証付。そして、おいしさも格別です。
先日、ある仕事のためにインタビューした、ロンドンの庭園博物館 館長のクリストファー・ウッドワード氏も「庭で採れた新鮮な新ジャガは、ただ茹でただけで、とてもおいしい。自分で育てた野菜を食べるなんて、それだけでハッピーだ。」と言っていました。
「今は野菜がぐんぐん育ってきている時期。よかったらうちの家庭菜園を見にくる?」と誘ってもらい、6月のある日、クレアさんとクエンティンさんご夫妻の庭を訪ねました。
玄関からダイニングキッチンを抜けて庭にでると、表からは想像もしなかった立派な家庭菜園がありました。
育っていたのは、玉ねぎ、ジャガイモ、ケール、レタス、トマト、芽キャベツなど。オーガニックな土を使い、自宅で作ったコンポスト(堆肥)で育てられている野菜たちは、とにかく、どれもがみずみずしくて、見ているだけで元気になりそうです。
「新鮮なオーガニックの野菜だから、何よりサラダにするのが一番多いです。私たち、ほんとうによくサラダを食べているわね。」とクレアさん。
それに、スープもよく作るそうです。
「どんな野菜でも、軽くローストしてブレンダーに入れてスープにすれば、とてもおいしいですよ。」
スープは冷凍にしておけば、いつでも好きなときに食べることができて便利だとも。
ところでイギリスでは、庭にコンポスト(堆肥)作り用の容器を置き、落ち葉や花がら、紅茶の茶殻を始めとする台所の生ゴミなどを入れて、自家製堆肥を作っている人が少なくありません。クエンティンさん、クレアさんも、やはり堆肥は庭のすみにおいてあるコンポスターで作り、できた堆肥を庭に撒いていました。
庭を持たないマンション住まいの人でも、台所の窓辺にハーブの鉢植えを置いて、ささっと料理に取り入れたりすることの得意なイギリスの人々。ここでは、暮らしの中に、自分で野菜やハーブを育てる、ということが根付いていると思います。
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イギリス人のプライベート・ガーデンを見せてもらうには
自分の庭から採りたての野菜を食べれば、その新鮮さは保証付。そして、おいしさも格別です。
先日、ある仕事のためにインタビューした、ロンドンの庭園博物館 館長のクリストファー・ウッドワード氏も「庭で採れた新鮮な新ジャガは、ただ茹でただけで、とてもおいしい。自分で育てた野菜を食べるなんて、それだけでハッピーだ。」と言っていました。
「今は野菜がぐんぐん育ってきている時期。よかったらうちの家庭菜園を見にくる?」と誘ってもらい、6月のある日、クレアさんとクエンティンさんご夫妻の庭を訪ねました。
庭のシンボルツリーである白樺の前で、クエンティンさんとクレアさん。
丁寧に手入れされている家庭菜園。クレアさん、クエンティンさんは、毎日庭で作業をするという。
イギリスでは、家の前にある庭はそれほど大きくないのが一般的ですが、その代わり、家の奥を抜けた先にあるバック・ガーデンは、前庭の何倍もある、というのがほとんどです。クレアさんたちのガーデンもその例にもれません。玄関からダイニングキッチンを抜けて庭にでると、表からは想像もしなかった立派な家庭菜園がありました。
玄関からはけっして想像できない、バック・ガーデンに広がる野菜畑。
取材前日に作ったばかりという池。庭に池を作るのは、蛙をはじめとするワイルドライフのため。
「個人の庭という小さなスペースでも、けっこう野菜が作れるのよ。」クレアさんが言いますが、「小さい」といっても、2m×5mほどの野菜栽培用スペースが二つに、トマトなどを育てているミニ温室、そして、芝生のエリアに加えて花が植えられたボーダーもあるお庭です。育っていたのは、玉ねぎ、ジャガイモ、ケール、レタス、トマト、芽キャベツなど。オーガニックな土を使い、自宅で作ったコンポスト(堆肥)で育てられている野菜たちは、とにかく、どれもがみずみずしくて、見ているだけで元気になりそうです。
庭の隅にはブラックカラントの木も植えられていた。
隣家との壁側には、ラベンダーをはじめとした花々が植えられている。花は主にクレアさんの担当だとか。
お二人がこの家庭菜園を始めたのは、この家に引っ越してきた2012年からだと言います。実はそれ以前には、10年間ほど、「マーケット・ガーデン」と呼ばれる野菜畑を持っていて、オーガニック野菜を作り、それを畑に買いに来た人に直接販売したり、近くのファームショップなどで販売したりしていたそう。どうりで、育っている野菜たちが立派なはずです。 「野菜の花もとても美しいのです。」とクエンティンさん。ちょうど可憐なジャガイモの花が咲き出していた。
育てた野菜はどのようにして食べるのか伺うと「新鮮なオーガニックの野菜だから、何よりサラダにするのが一番多いです。私たち、ほんとうによくサラダを食べているわね。」とクレアさん。
それに、スープもよく作るそうです。
「どんな野菜でも、軽くローストしてブレンダーに入れてスープにすれば、とてもおいしいですよ。」
スープは冷凍にしておけば、いつでも好きなときに食べることができて便利だとも。
ところでイギリスでは、庭にコンポスト(堆肥)作り用の容器を置き、落ち葉や花がら、紅茶の茶殻を始めとする台所の生ゴミなどを入れて、自家製堆肥を作っている人が少なくありません。クエンティンさん、クレアさんも、やはり堆肥は庭のすみにおいてあるコンポスターで作り、できた堆肥を庭に撒いていました。
堆肥を作るためのコンポスター。取っ手を持って回転させると、手を汚さずに中のものがかき混ぜられるという優れもの。
コンポストを自宅で出た庭の剪定ゴミや生ゴミを利用して作るというのは、小さいながらも自宅で「サスティナブル(持続可能)」な生活をするという、イギリスらしいガーデニングのあり方のひとつかもしれません。庭を持たないマンション住まいの人でも、台所の窓辺にハーブの鉢植えを置いて、ささっと料理に取り入れたりすることの得意なイギリスの人々。ここでは、暮らしの中に、自分で野菜やハーブを育てる、ということが根付いていると思います。
玄関前に植えられた月桂樹(左)は、挿し芽をして株を増やしたものが、ファミリーの間で代々受け継がれているものだという。もちろん料理にも使う。
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イギリス人のプライベート・ガーデンを見せてもらうには
マクギネス真美
英国在住20年のライフコーチ、ライター。オンラインのコーチングセッションで、人生の転換期にある方が「本当に生きたい人生」を生きることを日本語でサポート。イギリスの暮らし、文化、食べ物などについて書籍、雑誌、ウェブマガジン等への寄稿、ラジオ番組への出演多数。
音声メディアVoicy「英国からの手紙『本当の自分で生きる ~ 明日はもっとやさしく、あたたかく』」にてイギリス情報発信中。
ロンドンで発行の情報誌『ニュースダイジェスト』にてコラム「英国の愛しきギャップを求めて」を連載中。
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