「シティ」と呼ばれるロンドンの金融街。その北側に位置するのが「バービカン・エステート」と呼ばれるビル群です。それは「ブルータリズム」と呼ばれる、むき出しのコンクリートやガラス、鉄などの素材を使った建築様式で作られたもの。戦後のイングランドにおいて最も重要なモダン建築事務所のひとつといわれる「チェインベリン・パウエル&ボン」によって手がけられました。
コンクリートを多用しているせいか、暗い雰囲気で、なんとなく威圧感を感じます。そして「コンクリートジャングル」という言葉が頭に浮かびます。
そのバービカン・センター内にあるのが、バービカン・コンサバトリーという温室です。王立キュー植物園にある温室の次に大きいという場所ですが、一般公開されている日が限定されているせいか、以前は、知る人ぞ知る、ロンドンという大都会の中の「シークレット・ガーデン」のような位置付けでした。
無機質なコンクリートの建物にスチールとガラスで覆われた温室は、バービカン・センターがオープンした2年後の1984年に公開されました。現在ここには約1800種類もの植物が育てられています。
コンサバトリーの東側には、多肉植物とサボテンをコレクションしたArid Houseと呼ばれるスペースがあるのですが、この日は人が行き交うのも大変なほどの混雑ぶりでした。とはいえ、天井から吊り下げられたものや、腰の高さのディスプレイ台に置かれたものなど、珍しいサボテンと多肉植物は、見ていて飽きることがありません。
中ではアルコールを含めたドリンクを注文できるバーもあり、飲み物を飲みながらおしゃべりしたりくつろいだりしている人々もたくさんいました。
4月からはヘッドガーデナーによるガーデンツアーも開催されるので、大都会の中のジャングルをぜひ一度、訪ねてみてください。
コンクリートを多用しているせいか、暗い雰囲気で、なんとなく威圧感を感じます。そして「コンクリートジャングル」という言葉が頭に浮かびます。
近代建築を象徴するともいえるバービカン・エステートに作られた文化複合施設バービカン・センターでは、野田秀樹さん、蜷川幸雄さん演出の舞台も上演されたことがある。
ここには「バービカン・センター」と呼ばれる複合文化施設があります。1982年にオープンしたバービカン・センター内には、コンサートホールや映画館に図書館、劇場などがあり、バーやレストラン、売店も充実しています。また、自由に座れるソファや、読書ができるテーブルなどが、センター内のあちこちに設置されていて、そこで勉強をしている学生らしき人の姿もよく見かけます。そのバービカン・センター内にあるのが、バービカン・コンサバトリーという温室です。王立キュー植物園にある温室の次に大きいという場所ですが、一般公開されている日が限定されているせいか、以前は、知る人ぞ知る、ロンドンという大都会の中の「シークレット・ガーデン」のような位置付けでした。
コンクリートの壁を覆い尽くさんばかりに植物が育っている。
3月になっても時には霜が降りたりして、まだまだ寒い日が続き、雨も多いイギリス。いつまでたっても春がやってこないような気がして、ちょっと気持ちが落ち込みがちな時こそ、植物のパワーを浴びたいと、濡れる心配なく植物鑑賞のできる秘密の庭、バービカン・コンサバトリーに、久しぶりに出かけてみました。すると、以前では考えられなかったほど大勢の人がコンサバトリーに詰め掛けていて驚きました。どうやら最近では「インスタ映え」する場所として、この温室が人気となっているようです。無機質なコンクリートの建物にスチールとガラスで覆われた温室は、バービカン・センターがオープンした2年後の1984年に公開されました。現在ここには約1800種類もの植物が育てられています。
形も色も、マジカルなサボテンや多肉植物。
数え切れないほど並んでいるペラゴニウムのコレクションには「チョコレート・ミント」という種類も!
一歩足を踏み入れると、温室の中央のコンクリートでできたビルディングのバルコニーにもたくさんの観葉植物が育っているのがすぐに目につきます。普通の植物園では見かけない「コンクリートの中のジャングル」といった感じです。コンサバトリーの東側には、多肉植物とサボテンをコレクションしたArid Houseと呼ばれるスペースがあるのですが、この日は人が行き交うのも大変なほどの混雑ぶりでした。とはいえ、天井から吊り下げられたものや、腰の高さのディスプレイ台に置かれたものなど、珍しいサボテンと多肉植物は、見ていて飽きることがありません。
Arid Houseには、サボテンや多肉植物とともに、シンビジウムなどラン類も並ぶ。
今の時期は花が少ないが、夏にはトロピカルな植物の色鮮やかな花を見られるはず。
観葉植物の壁。インテリアの参考にもなる。
温室内には、3つの池もあり、大きな鯉もいます。鯉がゆったり泳ぐ様を見ていると、ここが、ロンドンのコンクリートで囲まれた建物の中にあるというのが信じられない気もしてきます。 温室内には3つの池がある。
また、この時期には花のついたものはあまりありませんでしたが、日本でゼラニウムと呼ばれる、ペラゴニウムのコレクションが多数並んでいるのも見応えがあります。 中ではアルコールを含めたドリンクを注文できるバーもあり、飲み物を飲みながらおしゃべりしたりくつろいだりしている人々もたくさんいました。
バーでくつろいだり、写真を撮ったりと、観光客も居住者も、誰もがくつろげる空間。
コートを着ているのがそぐわないような、トロピカル植物にあふれたコンサバトリー。
来訪者が増えて、かつてのように、コンクリートジャングルの中で「ひっそりと」緑を楽しむ、という雰囲気ではなくなってしまいました。それでも、ベンチに腰掛けてトロピカルな植物を見ていると、なんだか元気が出て来て、やっぱり来てよかったな、と感じます。4月からはヘッドガーデナーによるガーデンツアーも開催されるので、大都会の中のジャングルをぜひ一度、訪ねてみてください。
バービカン・コンサバトリー(Barbican Conservatory)
住所:Barbican Centre, Silk Street, London EC2Y 8DS
開園日時:基本的に毎週土、日曜 午後12時~午後5時
(ただし、金曜や月曜のオープン日などもあります。また、新型ウィルスの影響などで予定が変更することも予想されるので、出かける前にウェブサイトで確認してください。)
入場料:無料(ガーデンツアーは有料)
visit-the-conservatory
マクギネス真美
英国在住20年のライフコーチ、ライター。オンラインのコーチングセッションで、人生の転換期にある方が「本当に生きたい人生」を生きることを日本語でサポート。イギリスの暮らし、文化、食べ物などについて書籍、雑誌、ウェブマガジン等への寄稿、ラジオ番組への出演多数。
音声メディアVoicy「英国からの手紙『本当の自分で生きる ~ 明日はもっとやさしく、あたたかく』」にてイギリス情報発信中。
ロンドンで発行の情報誌『ニュースダイジェスト』にてコラム「英国の愛しきギャップを求めて」を連載中。
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