英国モノ好きで、当ウェブサイトをよくご覧いただいている方なら、「ブルックス イングランド」と聞けば「レザーの自転車サドルで有名なブランド!」と想起されることでしょう。その通り、ブルックス イングランドは革製のクラシックな自転車のサドルや、自転車まわりのパーツを作り続けている英国の老舗であり、スタイリッシュな自転車を求める人にとっては永遠に憧れのブランドです。そのブルックス イングランドが近年、英国好きやサイクリスト“以外”をも虜にするプロダクトを展開しているのはご存知でしょうか。今回は老舗自転車ブランドから生まれた、優れたバックパックシリーズのご紹介です。
創業150年! サイクリストたちを惹きつける老舗メーカー
特許を出願したブルックス イングランド初期のサドル設計図。
ブルックス イングランドは1866年に創業者のジョン・ボルトビー・ブルックスが、馬の鞍や革製品を扱う「JB BROOKS & Co」を立ち上げたことからその歴史が始まります。ブルックス氏が革新的なサドルの特許を出願したのが1882年。それはパッド入りのコンフォートサドルで、当時のサイクリストたちからも大絶賛されました。使えば使うほど馴染むレザーサドルは機能的なだけでなく、美しい革の経年変化も特徴で、そのプロダクトとしての魅力こそが、このブランドが長年求められ続けた理由でもあります。
レザーサドルメーカーからサイクルブランド、
そして“サイクルライフスタイル”ブランドへ
サイクルブランドの発想から生まれたバックパック
ユーティリティー バックパックのDALSTON(ダルストン)とレザーサドルのB17
今回紹介するのは、近年のブルックス イングランドの人気を支えるバックパックのシリーズです。見た目はミニマルでシンプルですが、メイン部分にウォータープルーフ加工のポリエステル生地を使用し、アクセントとなる部分やパーツには自転車のサドルと同じベジタブルタンニングを施したレザーを使用するなど、高いクオリティ追求が特徴です。しかもこのレザー部分に使われているのは、サドル用に切り抜いたレザーの余り。「できる限り素材を無駄にしない」というエコロジカルな考え方も、ブルックス イングランドの哲学のひとつであり、このバックパックのシリーズにも色濃く反映されています。
テキスタイルの新基準、 「bluesign®」認証のウォータープルーフ素材
雨の多い英国から生まれたプロダクトには、さまざまなレベルで防水や撥水の機能を持つものが多いことは皆さんもご存知かと思います。ブルックス イングランドも英国オリジンであり、しかもサイクリスト発想のブランドなので、バックパックのボディ本体には高いウォータープルーフ加工が施されています。突然の雨でも中のモノはできるだけ濡らさない、これはどんな都市にいても便利な機能のひとつです。 しかもこの生地は、ヨーロッパの基準のひとつとして注目されている「bluesign®(ブルーサイン)」が承認したもの。bluesign®とは、「資源の生産性」、「消費者の安全性」、「排水」、「大気放出」、「職場の健全性および安全性」の5項目で、“環境パフォーマンスを向上させる管理システムの設定に同意したテキスタイル”に付与される認証で、その生地が自然環境や人間に対して配慮がなされていることを証明するものです。
現代のサイクリストの生活を考えて生まれた機能ディティール
エイジングを楽しむならこのモデル
ロングセラーモデルのひとつ、“PICKWICK”。左は新品で右は約2年使い込んでエイジングの味が出たもの。
最後にご紹介するのは、ブルックス イングランドのバックパックのもうひとつのロングセラーモデル、“PICKWICK(ピックウィック)”です。こちらのモデルはロールトップ式のバックパックで、ご覧の通り非常にシンプルなデザインが特徴です。とは言え、使い勝手にはこだわり、耐水コーティングされたコットンキャンバスはしっかり雨を防ぎ、そのボディをサドルと同じクオリティのレザーがしっかりと補強しています。また背中部分に簡単にアクセスできるように設計されたサイドポケットも利便性を向上させています。
そして最大の特徴はこの経年変化。使い込むほどに味が出てくるのは、歴史の長いブランドだからこそ説得力のあるディティールのひとつではないでしょうか。
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