スタイリスト四方さんと検証。 バブアーは「短丈ブラウンこそ万能」な3つの理由 | BRITISH MADE

スタイリスト四方さんと検証。 バブアーは「短丈ブラウンこそ万能」な3つの理由

2024.10.25

スタイリスト四方 britishmade ブリティッシュメイド 2024年秋冬 バブアー トランスポート別注
「バブアーといえば、個人的にはブラウンが断然推し。それも短丈のものが最高ですね」

そう語るのは、クラシック&トラッドスタイルに業界随一の知見をもつスタイリスト四方章敬さん。近年はセージ(グリーン)やネイビーが人気ゆえ、ちょっと意外に感じる方も多いことでしょう。しかし四方さんは、次のように話を続けます。

「シンプルにこの色みが今、改めて新鮮だという理由がひとつ。そして何より、コーディネートを築くうえで重宝する、3つの理由があるんです」

さて、その心とは? スタイリングの実演を交えながら解説いただきましょう。

四方さん&ブリティッシュメイドが別注した“ブラウン”トランスポート

スタイリスト四方 britishmade ブリティッシュメイド 2024年秋冬 ツイードジャケット スタイリスト四方 britishmade ブリティッシュメイド 2024年秋冬 ツイードジャケット スタイリスト四方 britishmade ブリティッシュメイド 2024年秋冬 ツイードジャケット [別注]トランスポート ¥57,200 ※10月26日(土)発売

冒頭の声は、四方さんとブリティッシュメイドがバブアーへの別注モデルを計画していたときに上がったもの。その結果生まれたのがこちらの「トランスポート」です。スタイリング例を紹介する前に、こだわりの別注ポイントをご説明しましょう。

まず、裏地に配されたチェックの色を通常仕様から変更。表地との色合わせを意識したもので、フロントを開けて羽織った際に裏地がチラリと覗いたときの見え方も計算しています。

そして重要なポイントが、ブラウンのワックスコットンにブラックのコーデュロイ襟を組み合わせているところ。通常、襟とボディは同色になりますが、その仕様をカスタマイズしています。実はこれが着こなしの汎用性をさらに高めるための工夫。四方さんは、こう解説します。

スタイリスト四方 britishmade ブリティッシュメイド 2024年秋冬 バブアー トランスポート別注

「バブアーのスタイリングでポイントとなるのが足元。ある種レザーにも通じる艶や重厚感をもつワックスコットンは、靴と色みをリンクさせることで統一感のある着こなしにまとまるんです。そうなると、ブラウンのバブアーなら茶靴に限る……となるわけですが、それだと合わせが限定されてしまいますよね。そこで考えたのが、襟を黒にすること。これにより、黒靴も合わせやすくなるんです。首元と足元がリンクするため、靴が浮いて見えないというわけですね」

細かい箇所まで汎用性を高める工夫が光る本作。ここからは、「万能に使える3つの理由」を四方さんに解説していただきましょう。

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“万能”な理由1|定番ブリティッシュスタイルを新鮮に見せられる

スタイリスト四方 britishmade ブリティッシュメイド 2024年秋冬 バブアー トランスポート別注 ジャケット:テムズ ¥69,300 (BRITISH MADE)
パンツ:オフィサーパンツ/ポーツマス ¥28,600 (BRITISH MADE)
シューズ:ハドソン ¥92,400(JOSEPH CHEANEY)

「やはりバブアーといえば、ブリティッシュに合わせたいですよね。とはいえ、ベタになりすぎず新鮮な気分で着こなしたいところ。そこでブラウンの色みが効いてくるんです。ツイードジャケットやチノパンといった王道の英国アイテムと合わせても、俄然新鮮に見えます。あれこれと合わせを工夫しなくても、羽織るだけで今どきに見える。これが魅力です。

そして、この丈感にも注目。ショート丈のバブアーは何種類かありますが、『ビデイル』よりも短く『スペイ』よりも長い『トランスポート』が個人的にベストでした。ジャケットの上に羽織ると、裾が少し覗くバランスがちょうどいいんです。かつてはアウターからジャケットの裾が出るのはNGとされていましたが、今はそれをあえてのヒネリとして活用する着方も浸透してきました。このような王道的スタイルだからこそ、そのスパイスが効いてくると思います」

スタイリスト四方 britishmade ブリティッシュメイド 2024年秋冬 バブアー トランスポート別注

「今日のスタイリングでは、ジャケット、シャツ、パンツともにベージュ系で統一しました。ブラウンのバブアーとグラデーション状につながって、今どきな印象を演出できます。今季のトレンドアイテムでもある、ベージュやライトブラウンなど淡い配色のツイードジャケットともブラウンバブアーは相性抜群。英国の定番アイテムばかりで構成した装いですが、コテコテな懐古趣味に見えないところがポイントです」

“万能”な理由2|上品な淡色にもマッチ。クリーンな装いも築ける

スタイリスト四方 britishmade ブリティッシュメイド 2024年秋冬 バブアー トランスポート別注ニット:クルーネックセーター¥23,100(macalastair)
パンツ:オフィサーパンツ/ポーツマス ¥28,600 (BRITISH MADE)
シューズ:ケンゴン ¥97,900(JOSEPH CHEANEY)

「ここ数年、秋冬の装いを洒脱に見せるキーカラーとなっているのがオフホワイト。そんな旬の色と相性抜群なのも、ブラウンバブアーならではの魅力です。ともに暖色のため色みにつながりが生まれつつ、ワックスコットンの重量感にオフホワイトが抜け感をもたらしてクリーンにまとまります。ラギッドに着こなすばかりがバブアーの活用法じゃない。合わせ方次第では、上品で軽やかなスタイリングもできるんです。ブラウンなら、それを簡単に実践できます。

ちなみに、『トランスポート』はマウンテンバイクに乗る人々のスタイルにインスピレーションを受けて生まれたモデルだそうです。たしかにこの着丈は、自転車移動にもぴったりですね」

スタイリスト四方 britishmade ブリティッシュメイド 2024年秋冬 バブアー トランスポート別注

「ボトムスと同様、インナーも淡色を選んで上品な軽やかさを意識しました。このニットはライトブラウンにオレンジのネップが入っていて、やさしげな印象が魅力的。骨太なバブアーと対照的に見えて、実はブラウンのワックスコットンととても相性がいいんです。首元からチラリと白Tシャツを覗かせてメリハリをつけているのもポイント」


“万能”な理由3|モノトーンと合わせれば、モダンにも振れる

スタイリスト四方 britishmade ブリティッシュメイド 2024年秋冬 バブアー トランスポート別注パンツ:オフィサーパンツ/ポーツマス ¥36,300(BRITISH MADE)
シューズ:ハワード ¥92,400(JOSEPH CHEANEY)

「先ほどお伝えしたとおり、この別注バブアーは黒靴にもマッチするようアレンジしているのが特徴ですが、靴だけでなく黒の洋服にも相性抜群。今回は黒のタートルネックニットを合わせ、パンツもグレーにしてアウター以外をモノトーンで統一しました。“カントリー由来のバブアーを都会的に着る”というテーマのもとに考えたコーディネートです。このようなドレス感のあるアイテムとも自然にマッチ。それでいて、ブラウンのワックスコットンが程よいアクセントとなり、色を絞ってもありきたりな印象を与えません」

スタイリスト四方 britishmade ブリティッシュメイド 2024年秋冬 バブアー トランスポート別注

「ブラックコーデュロイの襟を採用しているため、黒のニットとよく馴染みますね。そして、チラリと見えるライニングがアクセントになっています。表地と同じブラウン系のチェック柄を選んでいるので、ゴチャつく心配もなく柄を効かせやすいですよ。ベーシックな“普通の服”に合わせるだけで、ちょっとヒネリの効いた服装になる。この別注バブアーでは、そんな塩梅を狙っています」



■ 四方章敬さん

「LEON」「MEN’S EX」「Men’s Precious」「THE RAKE JAPAN」など、ラグジュアリーメンズファッション誌で活躍中の四方章敬さん。イギリスの洋服に詳しいだけでなく、洋服が持つディテールとその背景を熟知、現代のファッションにまで精通するスタイリストです。

■ Barbour

「Barbour(バブアー)」は、1894年、ジョン・バーブアーによりイングランド北東部のサウスシールズで創業されました。北海の不順な天候の元で働く水夫や漁師、港湾労働者のために、ワックスドクロスを提供したのが始まりでした。革新的なワックスドクロス製の防水ジャケットは耐久性が高く、多くの人たちに愛されるワードローブとなり、100年以上経った現在でも英国を代表するアウトドア・ライフスタイルブランドとしての確固たる地位を築いています。

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Text by Hiromitsu Kosone / 小曽根広光

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