ブリティッシュメイドは2013年のスタート以来、数々の英国ブランドの取り扱いや別注モデルを展開してきました。しかし、今までオリジナルウェアを開発したことはありませんでした。この度、新プロジェクトがいよいよスタートします。
記念すべき第一弾としてリリースするのは「シャツ」。
シャツ作りのプロフェッショナルである鎌倉シャツと、スタイリストとして多くの服を熟知している四方章敬氏、ブリティッシュメイドのトリプルコラボレーションにより実現。英国らしさを感じられるデザインとディテール、今の時代に合うサイズ感と生地、着用時の細部のバランスや縫製にまでこだわり、オフィサーシャツ「プリマス」、カジュアルシャツ「ブライトン」、ドレスシャツ「ロンドン」の3型を製作しました。
記念すべき第一弾としてリリースするのは「シャツ」。
シャツ作りのプロフェッショナルである鎌倉シャツと、スタイリストとして多くの服を熟知している四方章敬氏、ブリティッシュメイドのトリプルコラボレーションにより実現。英国らしさを感じられるデザインとディテール、今の時代に合うサイズ感と生地、着用時の細部のバランスや縫製にまでこだわり、オフィサーシャツ「プリマス」、カジュアルシャツ「ブライトン」、ドレスシャツ「ロンドン」の3型を製作しました。
キーワードはモダンブリティッシュ
「イギリスにルーツを持つアイテムを現代のライフスタイルに合うよう再構築する」をテーマに、今後定期的にオリジナルウェアをリリースしていく予定です。多くのブリティッシュアイテムはクラシックに分類されるイメージがありますが、クラシックの良さを生かしつつ時代に合わせてモディファイすることで、モダンブリティッシュ=新定番を作っていくことが本プロジェクトの目的となります。
伝統的なブリティッシュアイテムを踏襲し、良い部分は残しつつ、時代に沿って変えるべき部分は変える。クラシックな要素を7割くらい残しつつ、ブリティッシュメイドのフィルターを通じて3割くらいモダンなエッセンスを加えることで、ブリティッシュメイドの核になるアイテムを生み出していきます。
また、ブリティッシュメイドのオリジナルウェアを通じて「良いものを長く使う」という価値観も共有できればと考えています。
デザインはスタイリスト四方章敬氏が監修
デザインを監修するのは、「LEON」「MEN’S EX」「Men’s Precious」「THE RAKE JAPAN」など、ラグジュアリーメンズファッション誌で活躍中の四方章敬氏。イギリスの洋服に詳しいだけでなく、洋服が持つディテールとその背景を熟知し、現代のファッションにまで精通するスタイリストです。
四方氏へのQ&A
Q1. 今回、ブリティッシュメイド オリジナルウェアの監修を引き受けていただいた理由を教えて下さい。A. 「普段はスタイリストという仕事柄、完成されたアイテムを借りてコーディネートをし、媒体などで発信していますが、今回はアイテム自体の製作という過程に大変興味があり、受けさせていただきました。また、自分が様々な服を着てきて、ここがもっとこうだったらとか、この色もあればなど、色々と考える機会も増えていた時期にお声がけいただき、こちらとしても是非!という感じでした。」
Q2. 実際にシャツを作ってみて感じたことは何ですか?
A. 「『シャツって奥深い!』と感じました。素材、ディテール、ボタンなど、ちょっとしたことで時代感、着やすさ、見た目のイメージなどが変わることに驚きました。私はいつも完成されたシャツを扱っているので、一枚のシャツを制作するに当たって色々な過程があることを知らなかったので、とても勉強になりました。」
「また、今後こういうシャツも作ってみたい!とか、この生地で作ればどうなるのか?とか、色々なシャツを作ってみたいなと思うようになりました。」
Q3. 今回のシャツの魅力はどういったところにあるでしょうか?
A. 「今回のシャツは全3型になります。オフィサーシャツ『プリマス』、カジュアルシャツ『ブライトン』、ドレスシャツ『ロンドン』になりますが、どれも英国のシャツをイメージソースとしながらも、今っぽく着られるように生地、シルエット、サイズ感には特にこだわりました。」
「それともう一つは価格が¥15,400(税込)と安い!というところでしょうか?スタイリストという職業柄様々なシャツを見てきましたが、正直、価格にはびっくりしました。」
次に、今回製作されるそれぞれのシャツの魅力をご紹介します。
オフィサーシャツ「プリマス」
「こちらのシャツは50~60年代の英国のオフィサーシャツをベースに再構築しました。今っぽいゆったりシルエットや裾のデザインがポイントです。バンドカラーのシャツは近年よく見ますが、こういった裾デザインのものはあまり見ないので、一度着てみてもらえると良さが伝わるかと思います。」
カジュアルシャツ「ブライトン」
「こちらは生地とシルエットのバランスがとても良いです。このシャツは英国ドレスシャツをカジュアルに着る!というコンセプトで制作しました。伝統的なドレスシャツのディテールを生かし、生地、シルエットでカジュアルさを出しました。また、タックインしてもタックアウトしてもどちらでも着用できる着丈もポイントです。」
ドレスシャツ「ロンドン」
「柔らかいレギュラーカラーシャツです。こちらのシャツの1番のポイントは襟。ありそうでなかった襟型で、ノータイはもちろん、タイドアップしても様になります。」
生産は鎌倉シャツ全面協力により実現
シャツ作りのプロフェッショナルである鎌倉シャツ全面協力により、今回のプロダクトが生まれました。長崎県にある鎌倉シャツ専用工場で縫製。現代では希少な日本のシャツ工場の中で100人を超える規模の生産体制を保っており、既成の量産シャツはもちろん、システム化されたMTM(オーダーシャツ)ラインも併せ持ちます。歴史に裏打ちされた技術力と最新設備をバランスよく活用した工場です。
鎌倉シャツからは2名の重鎮がプロジェクトに参加
左:鎌倉シャツ プロダクションディレクター 宮澤直樹氏
右:鎌倉シャツ取締役 佐野貴宏氏
右:鎌倉シャツ取締役 佐野貴宏氏
今回、最初にシャツを作ると決めた段階でまず相談させていただいたのが鎌倉シャツ取締役 佐野貴宏氏。そしてモノづくりを進めていく段階で数々の無理難題に答えて頂いたのがプロダクションディレクター 宮澤直樹氏です。
お2人へのQ&A
Q1. 今回、ブリティッシュメイド オリジナルシャツ企画に賛同していただいた経緯を教えて下さい。A. 「鎌倉シャツもトラディショナルマインドを基軸とした今の気分へのアップデートがコンセプト。内なる所へ深掘りをテーマに基礎研究をしていますが、今回、英国の基礎研究とタイミングが相まったのも理由の一つです。 ただ、正直に申し上げると渡辺産業さんが展開されているブランドが好きですし、ブリティッシュメイドでよくお買い物させていただいているという側面もあります。」
Q2. 鎌倉シャツだからこそ実現できたポイントを教えて下さい。
A. 「今回の企画では、まず御社からアイデアをいただき、それを我々鎌倉シャツが咀嚼して、ベースとなるパターン設計や縫製技術を駆使したモノづくりに落とし込みました。それにブリティッシュメイド流のアレンジが加わり、数回にわたる議論を交わしてサンプリングしていきました。鎌倉シャツが培ってきたシャツ作りのノウハウが、今回の企画に反映されていると感じています。」
Q3. 良いシャツとはどんなシャツでしょうか?
A. 「鎌倉シャツの基準ですと、本来の服装の基本ルールや歴史に則りながら、吟味された素材、研究された設計・技法を用い、習熟された職人技により作られたシャツのことです。」
「シンプルで普遍的でありながら、着るとなんかいいなって思うシャツ。感覚的に言うと『あの人いいシャツ着ているなあ、さすが一味違うわ。』と思われるシャツ。」
「経験上、作る人や工場の人が、気持ちよくしっかりとしたパターンを使い、自分でも着たくなる生地で作った時って、不思議とお客様にも好評です。パタンナーのエゴで縫いづらいパターンとか、糸の番手やスペックだけで染色加工とマッチしない生地とか割と多いのですが、そういうアパレルがただ売ろうとして作ったシャツって、いいシャツに仕上がらないことが多いように思います。」
「シャツの神の存在を感じますよ!シャツを作っていると。」
Q4. 今回、ブリティッシュメイドとコラボレーションした感想を改めて教えて下さい。
A. 「月並みですが、大変勉強になりました。 特に一番印象的なのは、生地の各スタイルへの落とし込みであったり、仕上げの加減であったり。かなりウルさく、あっ、すみません。リクエストがくり返されました。鎌倉シャツは基本ビジネススタイルが主流ですので、この生地をこの加減でアイロンするとビジネス以外でもキレイにオシャレにスタイリングできるんだな、とか新鮮でしたね。また、タックアウトした時の寸法やバランスなどもビジネスのそれとは違い細かく指示があり、勉強になりました。」
Q5. 今回のシャツの魅力はどういったところにあるでしょうか?
A. 「よく聞いていただきました。折角のコラボ企画ですから、鎌倉シャツではできない仕様などにチャレンジしています。大切なところは御社にご説明をお願いするとして、細かい細部にこだわりを入れています。ずばり、神は細部に宿るということです!」
「例えば、オフィサーシャツの場合は、カフスに芯地を入れないで縫製しています。これは縫製工場にとってはとても難しい製法になるのですが、それだけではなく、通常、表と裏の生地を縫い合わせてカフスにするのですが、これも一枚の生地だけでカフスにしています。クラシックなスタイルながら、リラックスした着心地にしています。」
「また、カジュアルとドレスシャツに採用している3つボタンカフスですが、こちらは形だけ英国風として採用しているシャツをたまに見かけます。今回のコラボ企画ではカフス付け(カフスと袖を縫いつなぐ工程)の見えない縫い方も英国伝統に則り、地縫い返しという手間のかかるやり方を採用しています。効率重視の英国式生産ながら、なぜかここは本国では2度に分けて丈夫に縫製されています。」
「カジュアルシャツは英国のしっかりとしたレギュラーカラーをベースにしつつ、芯地はフラシ芯でしっかりとしつつソフトに仕上げています。」
ブリティッシュメイドからはディレクターとPRが参戦
左:ブリティッシュメイド ディレクター 小林
右:PR 坂本
右:PR 坂本
ブリティッシュメイド立ち上げからディレクターとして店舗開発や様々なブランドの買い付け、別注企画を行ってきた小林と、ブリティッシュメイド&英国ブランドのPR、ブリティッシュメイド オリジナルケアグッズの監修などを行っている坂本が、本企画に参加してプロジェクトに沿ったモノづくりになるよう進行しています。
スタイリスト四方氏との打合せの様子を一部公開
まず、シャツのイメージをスタイリスト四方氏と構築。その内容を鎌倉シャツに相談し、サンプルを制作していただきました。サンプル完成後は、鎌倉シャツの宮澤氏から詳細の説明を受け、それを踏まえた上で、四方氏と再度打ち合わせを行いました。こうしたプロセスをくり返し、ディテールを詰めていくことで生まれた今回のオリジナルシャツ。こちらはドレスシャツ「ロンドン」(6月下旬頃発売予定)の打ち合わせ風景です。
サンプルが届くと、四方氏はまず試着して全体の雰囲気を確認。生地の方向性や襟型、サイジングなど、一つ一つ確認していきます。
正面だけでなく、バックデザインや後ろから見た際のシルエット感もシャツ一枚で着る際には重要なポイントです。
こちらのシャツのベースの考え方はタックインでの着用ですが、タックアウトでも着られる丈感。タックインした際に裾が出にくく、タックアウトしても良いバランスになるまで丈感や裾のラウンド形状などを模索。
襟は硬さや形状により異なる雰囲気になるため、タイドアップのバランスも重要なチェックポイント。
そして、ジャケットを羽織った際のVゾーン。こちらのシャツでは素材感のあるセットアップやジャケパンスタイルに求められるかっちりしつつも程よい柔らかさが出ているかを確認。
ジャケットのボタンを開けた際、シャツの見える面積が広がるので、その際のストライプ幅もチェック。
特にストライプは幅、色によって印象が変わるので慎重に吟味して選びます。
ある程度ポイントが見えた上で、ブリティッシュメイドチームと議論を交わしていきます。
思い通りにいった部分とそうでない部分を整理していき、修正の方向性をまとめていく作業です。修正の方向性は四方氏、小林、坂本で議論しながら煮詰めていき、より専門的な部分は再度、鎌倉シャツの佐野氏や宮澤氏に相談します。目的に対して何が最適かを考え、具体的な修正作業に入っていきます。
鎌倉シャツの技術力の高さにより、予想を超えて仕上がってくる部分も多々あります。
着用シーンをイメージし、着用時の生地の落ち感やサイズ感、ディテール、ボタンの形状、芯地、前立てのデザインなど、多くのポイントを吟味しました。さらに、細かい調整を入れ、バランスの良いところを探して、今回のシャツ3型を制作しました。
5月中旬頃に1型目であるオフィサーシャツ「プリマス」が納品予定です。次回はそのタイミングでオフィサーシャツ「ロンドン」の詳細と四方氏によるスタイリング例をお届けします。
オフィサーシャツ「プリマス」
カジュアルシャツ「ブライトン」
ドレスシャツ「ロンドン」
*いずれも¥15,400(税込)
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