今季始動し、大好評をいただいているブリティッシュメイドのオリジナルシャツコレクション。大人気スタイリストの四方章敬氏がディレクションを行い、国内屈指の技術力を誇る鎌倉シャツが生産を手がけたトリプルコラボシリーズです。
5月にオフィサーシャツ「プリマス」、6月にカジュアルシャツ「ブライトン」が発売され、いずれも大ヒットとなりましたが、7月は今季の“トリ”としてドレスシャツ「ロンドン」がデビュー。一見、至極ベーシックなシャツのようですが、「実はどこを探しても“ありそうでない”アイテムです」と四方氏。さて、その理由とは?
5月にオフィサーシャツ「プリマス」、6月にカジュアルシャツ「ブライトン」が発売され、いずれも大ヒットとなりましたが、7月は今季の“トリ”としてドレスシャツ「ロンドン」がデビュー。一見、至極ベーシックなシャツのようですが、「実はどこを探しても“ありそうでない”アイテムです」と四方氏。さて、その理由とは?
目指したのは、“クラシックかつカタくない”ドレスシャツ
ドレスシャツ「ロンドン」 ¥15,400(税込)
実はこちらの「ロンドン」、第二弾として発売した「ブライトン」と同じシルエット&ディテールを採用。前立てつきのフロントや三連ボタンのカフスといった英国シャツの伝統的意匠に、アメリカントラッドに範を取ったゆとりのあるフィッティングを組み合わせています。
“じゃあ、「ブライトン」の単なるマイナーチェンジ版?”と思うかもしれませんが、実はデザインの思想が全く違います。“ドレスシャツを、あえてカジュアルに着る”というコンセプトを立て、“ヒネリの一着”としてデザインした「ブライトン」に対して、「ロンドン」はあくまで“正統派のドレスシャツ”として考案したモデル。とはいえ、ただのベーシックではありきたりだから、クラシックの魅力を保ちつつ、不要なカタ苦しさを排除してアップデートしよう……というテーマで誕生した一着なのです。
では具体的に、“アップデートされた正統派”たるゆえんは何か? ここから解説してきましょう。
“柔らかさ”にこだわったレギュラーカラー
伝統的な英国ドレスシャツではセミワイドカラーが定番ですが、「ロンドン」はあえてレギュラーカラーを採用。しかも、極薄の襟芯をチョイスして非常に柔らかく仕上げているのが特徴です。
「ファッション業界人のなかで注目されているレギュラーカラーですが、まだ広く浸透していないだけに、“これだ!”と思えるものになかなか出会えなかったんです。襟芯が硬いと安っぽく見えてしまうし、襟羽根が長すぎるとなんだか古めかしい……実はレギュラーカラーって、微妙なバランスがとても重要なんですよね。すぐ見つかりそうなのに、いざ探すと出てこない。そんなもどかしさを解消したいと思って考案したのが『ロンドン』です。極薄の芯地を使っているので、襟がほんのりロールして柔らかい表情になるのがポイントですね。とはいえしっかりと立体感もあるので、タイドアップがとてもキレイに決まります」(四方氏)
シャツ一枚でもサマになる、カーブした襟
横から見ると、襟のラインが体に沿ってカーブしているのがわかります。これも「ロンドン」の密かなこだわり。目立たないデザインですが、実は美観を大きく左右します。
「ジャケットを着ているとわかりませんが、シャツ一枚になったときの印象が違います。襟の下辺が体にぴったりと沿っているので、身頃との一体感が高まってエレガントに見えるのです。今の時代、夏はシャツ一枚でビジネスシーンを過ごすのがむしろ普通になってきていますから、こういったディテールの重要性も増していると思いますね」(四方氏)
カラーステイを排して、襟の柔らかさを最大限発揮
本格的なドレスシャツの場合、襟の形をキープするためのカラーステイが入っているのが一般的。しかし「ロンドン」では、柔らかい襟の表情を最大限発揮できるよう、あえてカラーステイを排しました。
「僕はどんなシャツでもカラーステイを抜いて、襟にニュアンスをつけています。周りのファッション業界人を見ても、ほとんどの方がカラーステイなしで着ているようですね。『ロンドン』は襟の柔らかさが身上ですから、最初からカラーステイは不要だろうと考えました」(四方氏)
生地選びも“ありそうでない正統派”をテーマに
基本の白無地、そして英国シャツの象徴であるロンドンストライプ。正統派ドレスシャツらしい色柄を採用しました。しかし、ここにも秘められたこだわりが。120番手双糸のプレミアムコットンによるブロード生地は、ロンドンストライプの幅が一般的なものよりも少しだけ太い9㎜幅をセレクト。いっぽうスーピマコットン製の白無地素材は、定番のブロードではなく“タイプライター”とよばれる組織で織られています。
「ドレスシャツなので生地もドレッシーなものを選びましたが、ここでも“ありそうでない”をテーマにしました。ストライプはわずかに太めのものを選ぶことで、さりげなく差がつく一着を意識しています。白無地のタイプライターはブロードのような表情でありながら、糸を高密度に打ち込んでいるため肌が透けにくいのが魅力です」(四方氏)
程よい“ゆとり”をもたせた、古きよきシルエットを再現
ヴィンテージのアメリカンシャツを参考にしたシルエットは、背中のボックスプリーツとゆったりしたフィッティングが特徴的。
「クラシック回帰がすっかり浸透し、スーツのシルエットは脱タイトが進みましたが、シャツはいまだにスリムフィットのものが多い。個人的には、そこにちょっと違和感を覚えていたんです。シャツをパンツにタックインしたとき、しっかりブラウジング(裾がウエスト部分で溜まること)するくらいゆとりがあるほうがクラシックで好きですね」(四方氏)
四方氏が実践!『ロンドン』のコーディネート・サンプル4選
襟型が変われば、王道ネイビースーツも新鮮に
ネイビー&ホワイトでまとめたベーシックなビジネススタイル。普通ならセミワイドカラーのシャツを合わせるところですが、襟羽根の開きがより狭いレギュラーカラーに変えることで新鮮さを呼び込めます。
「芯が柔らかいレギュラーカラーシャツというのは非常に珍しいので、見る人が見れば“おっ”と思うはず。至極シンプルでいて、さりげなく目を惹くスタイリングを築けます。英国スーツにはもちろん、今日僕が着ているようなナポリスーツに合わせても映えるシャツですね」(四方氏)
ロンドンストライプシャツは、あえてジャケットで軽快に
ロンドンストライプシャツは本来、ドレッシーなスーツでキリッとドレスアップするのが定石。しかし四方氏は、あえてジャケパンスタイルで着こなすのが今どきだと語ります。
「もちろんオーセンティックにスーツと合わせてもいいのですが、軽快なジャケパンスタイルにアクセントとして効かせると、意外性が生まれて面白いなと感じます。ニットタイを選んでVゾーンを柔らかい印象にしたのもポイントですね。襟芯が硬いシャツの場合、こういう合わせはなかなか難しいのですが、『ロンドン』なら簡単にコーディネートできます」(四方氏)
ノータイで合わせると、襟の軽やかさがさらに引き立つ
白無地シャツに薄手のカーディガン、ベージュパンツというシンプルなコーディネート。ともすれば味気ない印象に転びがちな装いも、さりげなくこなれた雰囲気にまとまります。
「やはりシャツの襟によるところが大きいですね。もしカチッとした襟のシャツを合わせたら、ちょっと凡庸な感じに見えてしまうと思います。その点『ロンドン』は襟が軽やかにロールするので、シンプルなノータイスタイルも洒落た感じに見えるんですよね」(四方氏)
ゆったりしたシルエットはシャツイチにも好適
「ロンドン」のシルエットをゆったりめに設定したのは、シャツ一枚で着たときのバランスも考慮してのこと。ウエストで生地がふんわりと溜まり、優雅な雰囲気を演出します。
「ドレスシャツにウールパンツという基本の装いですが、シャツのフィッティングが変わると随分印象が変わって見えます。『ロンドン』のシルエットはアメリカのヴィンテージシャツを参考にしているので、ただのリラックスフィットではなくしっかりクラシック感を感じさせるところがポイントですね。それゆえ、ウールパンツにもよく合うんです」(四方氏)
オンオフがシームレス化する今のライフスタイルに最適な一着
「伝統ある英国スタイルを基盤とするブリティッシュメイドのオリジナルシャツを作るなら、やはり正統派のドレスシャツは外せない。そんな考えが『ロンドン』の出発点となりました。ライフスタイルが大きく変化し、スーツやジャケットスタイルのありかたも変わった今にふさわしいドレスシャツとは何か? そう自問自答しつつ、ドレスの王道を改めて見直すのはとても楽しい経験でしたね」と話す四方氏。いわば“シャツのニュースタンダードを作る”という難しい目標を掲げたわけですが、その出来ばえには大満足と氏は胸を張ります。
「ぱっと見はとてもクラシックな英国調シャツですが、着てみるとカタ苦しさがなく、従来の英国シャツより幅広い着こなしに対応するのが『ロンドン』の強みだと思います。本来、ドレスシャツはビジネスシーンで着るものですが、カジュアルダウンもできる『ロンドン』はオフの装いにもフィットするはず。ちょうどボタンダウンシャツのように、どんなシーンにも違和感なく着ていただけます。働き方が多様化し、オンとオフの境界が薄くなった今のライフスタイルに沿ったシャツになったと思いますね」
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