中でも瞬く間に店頭から旅立ち、先ごろ追加生産まで決定したのがオフィサーパンツ「ポーツマス」。今回は、その魅力について、本プロジェクトの仕掛け人であるデザイン監修の四方章敬さんとブリティッシュメイドPR 坂本の2人に改めてフォーカスしてもらいました。先日行われたライブ配信の中から、Q&Aコーナーや、この春に着たいコーディネートまでお届けします。
■ ゲスト:四方章敬さん
「LEON」「MEN’S EX」「Men’s Precious」「THE RAKE JAPAN」など、ラグジュアリーメンズファッション誌で活躍中の四方章敬さん。イギリスの洋服に詳しいだけでなく、洋服が持つディテールとその背景を熟知、現代のファッションにまで精通するスタイリストです。
■ PR:坂本 竜
ブリティッシュメイドの前身ディセンタージュの販売員を経て、2013年よりプレス。現在では、ジョンストンズ オブ エルガン、ジョセフ チーニー、グレンロイヤル、マカラスターといったイギリスブランドのPRを行う傍ら、ブリティッシュメイド オリジナルウェアの企画も行っている。学生時代よりイギリスアパレルブランドにて働いており、イギリスのファッション、カルチャーに造詣が深い。
究極のベーシックを追求したオフィサーパンツ「ポーツマス」
*好評につき第1弾は完売。最新作はこちらのTOPICSよりご覧ください。
オフィサーパンツ「ポーツマス」は、ブリティッシュメイド オリジナルアイテムの第3シリーズとして登場。1960年代のロイヤルネイビー(英国海軍)で採用されていたオフィサーパンツを着想源に誕生しました。“最高のベーシックパンツ”をテーマに掲げ、こだわりを詰め込んで作られた第1作は、ミディアムグレーの上質なウール素材を使用したもの。そして、2作目となる本作が、生成りのヴィンテージライクなコットン素材を使用したパンツです。
原型の60年代ヴィンテージとの比較
坂本:オフィサーパンツ「ポーツマス」は、もともとは1960年代のロイヤルネイビーのパンツをもとにしています。今日は、四方さんに原型となったパンツをお持ちいただきました。これをもとにアップデートしていただいたんですよね。
四方:はい。これは古着なのですが、シルエットや股上の深さなど、いろいろなところにこだわりながら変化させました。シルエットは圧倒的にポーツマスのほうがキレイになっています。でも、あまり細くはならないように、原型が太めなのでポーツマスもそのまま太めにしています。あと、股下も今っぽくちょっと深めにして、ウエストバンドはちょっと細くすることで、ドレス要素を強くしました。
坂本:あとは後ろ側ですね。ポーツマスにはポケットが付いて、3mmという極細の玉縁仕上げも足したりとか。
四方:背面中央もそうですね。V字スリットはドレス要素になります。
坂本:原型はもちろん素晴らしいのですが、ブリティッシュメイド オリジナルなので、日本のお客さまが今の時代に履くのであれば、こういうバランスのほうがいいよねっていうのをもとに、四方さんにリサーチしていただきました。四方さんはイギリスだけでなく、イタリアのドレスパンツにも詳しいので、そういった背景をよく知る四方さんならではの“今いいんじゃないか”というバランスで作っていただいたのが今回のオフィサーパンツです。
グレーウールと生成りコットン、両者の違いは?
坂本:グレーのオフィサーパンツと生成りのオフィサーパンツは、バランスがまったく一緒なんですけれども、裾の処理については、グレーは2種類で生成りは1種類になります。それ以外は、まったく一緒のサイズバランスで作っています。
四方:そうですね。生地や色が変わるだけでだいぶ雰囲気が変わるので、もしグレーのほうをすごい気に入っていただいて、形が合うようであれば、ぜひ生成りのほうも履いてみてほしいなと思っています。
坂本:サイズがまったく一緒でも、生地が変わると履いたときの感じが全然ちがいますよね。
四方:全然ちがいますね。
坂本:ただ、1サイズ変わるわけではないと思います。生地が変わるので履き心地は変わるかもしれないですけど。グレーでお召しいただいて良いサイズであれば、生成りも同じサイズでよろしいかと思います。
四方:スタイリングの幅が広がると思いますよ。
「ありそうでない」生成りカラーと生地感
坂本:“最強のグレーパンツを作ろう”というところからオフィサーパンツのプロジェクトが始まり、ちょっと派生形で生成りのオフィサーパンツが登場しました。四方さんに改めて、開発の背景というか、生成りのコットンで作った理由みたいなところをお伺いしたいんですけれども。
四方:最初、グレーのスラックスを作るときに型紙でトワル(デザインやサイズを確認するために別生地で縫製されたもの)っていうものを作るんですね。その生地が、グレーのウールではなくて白のコットンだったんです。履いてみたときに「普通にいいじゃん!」って(笑)白のパンツ、普通にいいなと思って、こういった生地で作るのはどうですかと相談して実現することになったんです。
僕も職業柄いろんなパンツを見るんですけれど、生成りのパンツって“ありそうでない”んですよ。真っ白か、もう少しベージュ寄りは多いのに。あと、僕も個人的には白いパンツを履きたいなと思うんですけれど、真っ白だとちょっと恥ずかしいかなというのが若干あって(笑)、そういうときに生成りだとそこまで恥ずかしさがないので。肌にも馴染む色だし、ぜひこれをやらせてください、という風に始まったと思います。
坂本:白ってすごく強い色なので合わせも気になりますし、サイズ感もけっこう難しくて、真っ白なパンツに抵抗がある方はいらっしゃいますよね。
四方:それから、白いパンツって僕の中では細いイメージがあったりとかして、もちろん、それはそれでいいんですけれど、普段細いパンツをあんまり履かないなという人には、この生成りのパンツはちょうどいいんじゃないかなと思っています。
坂本:良い意味で、すごく若くも見えないし、逆にすごくおじさんぽくも見えない。
四方:そうですね。たぶん、真っ白だと着られてしまっている感じがあるかもしれないんですけど、生成りだと良い意味でコーディネートに馴染み、こなれ感や洒落感みたいなものが出てくるのかもしれません。
この春夏にどう着る?
生成りのオフィサーパンツ「ポーツマス」を使ったコーディネート 5選
STYLE01. ニットスタイル
四方:上はベージュで同系色のコーディネートにしてみました。同系色コーデは今年っぽくていいと思います。茶系の鞄が入ると相性がいいです。生成りはエレガントな雰囲気も出るので、同系色コーデだと品良くまとまると思います。足もとにはスエードのチャッカブーツを合わせています。
首もとはぴちっと折るというより、ちょっと襟を立てたり、袖もまくったりして、襟もとと袖にニュアンスをつけると、こなれ感が出てきます。
シャツ:ブリティッシュメイド
バッグ:グレンロイヤル
靴:ドレイクス
その他:スタイリスト私物
STYLE02. ジャケットスタイル
四方:ベーシックなネイビーのジャケットにグレーのニットを合わせました。ベーシックなスタイルなんですけれど、生成りのパンツを加えることによって、だいぶ洒落感が出ます。こういったベーシックな色のコーディネートにも合いやすいので、ぜひやっていただきたいなと思います。
ジャケットは、春夏なのでネイビーやグレーといっても明るめを選ぶといいかなと思います。鞄もジャケットにはレザーのトートバッグなんかがいいですね。出社時の服装にある程度許容のある方やカジュアルフライデーなどにちょうど良いスタイルです。休日の出勤や、金曜日の出社にいいスタイルです。シューズにはUチップのスエードを合わせています。
Tシャツ:マカラスター
バッグ:グレンロイヤル
靴:ジョセフ チーニー
その他:スタイリスト私物
STYLE03. シャツスタイル
四方:3つ目のスタイリングは、僕がこの夏やるコーディネートです(笑)生成りのパンツを作るとき、坂本さんと「このシャツとすごく相性がいいですよね、合わせてみたいですよね」と盛り上がった、まさしくそういったコーディネートです。
坂本:いいですよね。オフィサーシャツにオフィサーパンツ。もう本当のオフィサーです(笑)
四方:令和版オフィサーですね(笑)
坂本:靴もミリタリー要素のあるものですね。
四方:はい。ちゃんとシボ革で、カジュアル感がありつつ。
坂本:でも全然、都会的という、この矛盾しているところがいいですね。すごい上品で。そして、これはタックインとタックアウト両方いけますよね。
四方:全然タックインでもいいと思います。ウエストにちょっとブラウジングしてもらう感じで。
坂本:このスタイルでどこに行きます?
四方:タックアウトして公園でも散歩します?ちょっとキレイすぎるかな?(笑)
シャツ:ブリティッシュメイド
靴:ジョセフ チーニー
その他:スタイリスト私物
STYLE04. Tシャツスタイル
四方:これからのシーズンはニットTシャツ1枚でも様になります。ネイビーとかグレーとか定番の色でもいいんですけれど、ちょっとファッションを楽しむ雰囲気っていう意味では、こういった黄色でも相性がいいです。シンプルなんだけれど洒落ているコーディネートなんじゃないかなと思い提案してみました。
坂本:Tシャツにパンツだけっていうのは一番難しいですよね。
四方:一番難しいんですけど、パンツのシルエットがすごくキレイなので、これぐらいシンプルな格好でも様になると思いますよ。
坂本:こういうカラーのTシャツも、春夏のほうがシンプルなスタイリングなので取り入れやすいかもしれないですね。
Tシャツ:マカラスター
靴:ドレイクス
STYLE05. コートスタイル
四方:ブリティッシュメイド オリジナルのタイロッケンコートとの相性もすごくいいなというのを表現したくて、こういったコーディネートをしてみました。これもオレンジと生成りパンツの相性がすごく良くて、どうしても重くなりがちなネイビーコートの中に差し色を入れたり、生成りのパンツが入ることによって明るい気分にもなります。
坂本:暑い日はそれこそ“令和オフィサー”でいきたい気分なんですが(笑)、たぶん梅雨に入ってまたちょっと寒くなったりすると、このタイロッケンコートのようにコットンで撥水性のあるコートをさらっと合わせるといいですよね。
コート:ブリティッシュメイド
靴:チャーチ
その他:スタイリスト私物
Q&Aコーナー
Q01. 真夏の着心地はどうですか?
四方:夏の軽い素材ではないので、真夏には若干、生地が厚いかもしれません。
坂本:もともとはミリタリー由来のアイテムなので、ヴィンテージライクな雰囲気を出すために、しっかりとツイルの表情があり、あえて毛羽感があるような自然なフィニッシュのものを選んでいます。こういう素材感は、最低限の厚みがないと出ないんです。また、本当に薄手の白となると、下着が透けてしまうんです。そのため、白系のアイテムはどうしても生地が気持ち厚めになります。涼しさでいうと、グレーのウール素材のオフィサーパンツのほうが涼しいかと思います。
Q02. 縮みはでますか?
坂本:出るか出ないかでいうと、出ます。コットンという生地の特性上、少し縮みが出る可能性があります。ただ、この生地に関しては生地の検査もしていて、そんなに大きく縮みが出ない生地にはなっています。簡単にお伝えすると、洗うと縦の長さとウエスト部分が1cmくらい縮む可能性があるということです。ただ、一部のデニムのように大きく縮むものではないです。
Q03. 合わせるならどんなバッグ?
四方:生成りなので、ビジネスやキレイめの格好には茶色のレザーバッグなどおすすめです。茶色のバッグとすごく相性がいいです。
Q04. 四方さんならリアルにどう着ます?
四方:先ほど、個人的にもいいなって言っていたオフィサーシャツとポーツマス。こういった感じのコーディネートはたぶん僕はやるだろうと。こういう感じで僕は歩いているだろうと(笑)
履き心地もすごく良くて。夏でもそんなに暑くないかもしれないです。生地はもちろんウールのグレーパンツより多少厚いんですけれど、ゆとりがあるシルエットなので涼しいかもしれないですね。
坂本:ウールのほうが動いたときに優雅な感じはありますけれど、生成りのパンツはコットンのボリューム感があってよりカジュアルな雰囲気があります。タックも深く入れていますが、ラインの出方がキレイですよね。
Q05. 四方さんが着ているサイズ感はどんな感じですか?
四方さんの身長:178cm
オフィサーシャツ:Lサイズ
パンツ:Mサイズ
Q06. 新作アイテム情報は?
坂本:ベージュの「オフィサーシャツ」とまったく同じ型の新素材で、リネンのネイビーを使ったシャツがもうすぐ登場予定です。今までとちがうところは、まず、リネンという素材を使っているので、これからの時期に使いやすいというところ。あと、こだわったのは生地の雰囲気に合わせてボタンも変更しています。詳しくは次回のライブ配信で!
ライブ配信はアーカイブで紹介中!
ブリティッシュメイド各店では完売がつづいていたオフィサーパンツですが、生成りコットン、グレーの追加生産が決定しました。本日より予約を受け付けておりますが、今回の予約分も完売が予想されますので、どうぞお早めにご検討ください!
*こちらの商品リンクには2023年最新モデルを掲載しております。