4月の発売直後から猛烈な反響をいただき、すぐさま完売したブリティッシュメイド オリジナルのコットンオフィサーパンツ。イタリア系ドレスパンツとも、ドメスティック系カジュアルパンツとも違う“ありそうで、ない”デザイン&シルエットに、ヴィンテージテイストな生成りコットンを載せたハイブリッド・ブリティッシュスタイルが特徴です。
予想を上回る好評につき、早々にモア・バリエーションの制作が決定。前回の生成りコットンと同じヴィンテージ調生地で、ベージュとブラウンの2色が到着しました。生地選びにあたっては、本作を企画監修した生みの親であるスタイリスト四方章敬さんも参加。そのメイキングストーリーと、着こなし例を氏に語っていただきました。
予想を上回る好評につき、早々にモア・バリエーションの制作が決定。前回の生成りコットンと同じヴィンテージ調生地で、ベージュとブラウンの2色が到着しました。生地選びにあたっては、本作を企画監修した生みの親であるスタイリスト四方章敬さんも参加。そのメイキングストーリーと、着こなし例を氏に語っていただきました。
1960年代の英国海軍パンツから生まれた「ポーツマス」
BRITISH MADE ー オフィサーパンツ 「ポーツマス」
*好評につき第1弾は完売。最新作はこちらのTOPICSよりご覧ください。
*好評につき第1弾は完売。最新作はこちらのTOPICSよりご覧ください。
「ポーツマス」と名付けたブリティシュメイド オリジナルのオフィサーパンツは、四方さんがヴィンテージ市場で発掘した1960年代のミリタリーパンツを原型としています。ロイヤルネイビー(英国海軍)に採用されていた由緒あるオフィサーパンツをサンプリングしつつ、シルエットやディテールなど随所を“今”のバランスにモディファイ。加えて、国内最高峰のドレスパンツファクトリーに生産を依頼しているのもポイントです。
「これまでに制作したブリティッシュメイド オリジナルアイテムと同様、モチーフはしっかり英国にルーツがあるものにしようと思っていました。リサーチをしているうちに出会ったのが1960年代のオフィサーパンツだったのですが、雰囲気はいいものの縫製が簡素。 軍モノゆえそれも当然なのですが、普段テーラードアイテムに触れている僕としては、やはりクオリティをもっと上げた本格仕立てにしたかったんです。そういうわけで、ドレスパンツ専業メーカーとして長い歴史を誇るファクトリーにお声がけさせていただきました。結果これが大正解で、ミリタリーの骨太さとドレスパンツの上品さをあわせ持った、これまでにないオフィサーパンツが完成したんです」と四方さんは振り返ります。
ベージュとブラウンを四方さんが選んだ理由は?
前述とのとおり、今回登場するベージュとブラウンのコットン生地は4月に発売した生成りコットンの色違い。程よいハリとウェイトを備えたツイル織りで、生地の表面をなめらかにする仕上げをあえて行っていないのが特徴。これによって、ガシッとしたドライな質感と、膨らみのある骨太な風合いを演出しています。
「前回の生成りコットンパンツに関しては、我ながら大満足している点が大きく2つあります。ひとつは、武骨な素材がミリタリーパンツにルーツをもつ『ポーツマス』の雰囲気と非常によくマッチしていること。そしてもうひとつは、圧倒的なコストパフォーマンスの高さです。これだけしっかりした生地で、しかも縫製は本格ドレス仕立てとかなり贅沢をしたつもりだったのですが、関係各位のご協力もあって価格は2万円台で収めることができました。ですので、カラーバリエーションを増やそうという話が決定したときも、まずこの素材からあたってみることにしたのです」
ネイビーやブラックなども考えたものの、結果四方さんがチョイスしたのはベーシックなベージュ、そしてブラウンでした。
「チノパン感覚で合わせられるベージュはさておき、“なんでブラウン?”と思われた方もいらっしゃるかもしれません。実際、僕自身も今まであまりブラウンのコットンパンツは穿いてきませんでしたし、そもそも市場であまり見かけることがありません。でも、だからこそ作りがいがあるなと感じましたし、今までブリティッシュメイドのオリジナルコレクションではブラウンやベージュ系のアイテムを多く作ってきたので、それらと合いそうだなと思ったのも決め手になりました」
さらに四方さんは、「ブラウンのパンツは今後、新しいベーシックアイテムとなりえるのでは」と予想します。
「数年前から雑誌などで、ブラウンスーツを提案する機会が増えてきています。『ネイビー・グレーに続く、”第三の定番色“はブラウンだ!』というような打ち出しですね。確かに、着こなしの汎用性としては紺・グレーに負けず劣らずブラウンも優れていますし、シックで大人っぽい印象をキープしつつ、洒脱な雰囲気もある。それと同じ理由で、ブラウンパンツも今後、ベーシック・ワードローブとして浸透していってもおかしくないなと思うんです」
四方氏が話す、“素材違い”の効能
ちなみにこの「ポーツマス」、第一弾はコットンではなくグレーウール素材を採用していました。こちらもかなり好評だったため、この記事をお読みいただいている方のなかにはすでに同作をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。でも、そんな方にこそコットン「ポーツマス」はおすすめと四方さんは話します。
「もともと『ポーツマス』はミリタリーとテーラードをミックスすることで、ドレッシーにもカジュアルにも振れるアイテムとして企画しました。そのなかで、グレーウール版は“カジュアルでもサマになるドレスパンツ”、そしてコットン版は“ドレスにも映えるカジュアルパンツ”という位置づけになります。つまり、同じ万能パンツでも視点が違うということですね。ですので、すでに『ポーツマス』を気に入っていただいている方は、ウールとコットン両方を揃えていただくと、さらに着こなしの幅が広がっていくと思いますよ」
ちなみに通年活用できるバランスに仕上がっているのは前回の生成り「ポーツマス」と同様。ウェイトのある生地のため秋・冬・春に最適ですが、色みとしては夏場に着ても違和感なし。ジーンズやミリタリーパンツを夏場も愛用している方なら、暑い時季でもストレスを感じないはずです。
四方さんが実践、新色「ポーツマス」の着回しスタイリング
シンプルスタイルも、パンツの個性で洒脱に
「白シャツにベージュのコットンパンツという、スーパー・ベーシックなスタイリングです。実はこの手の直球コーデ、お洒落に見せるのは難度が高いのですが、『ポーツマス』はパンツにキャラがあるので、シンプルに合わせても物足りない印象に見えないと思いますね。ミリタリーチノほどラギッドではないので、大人らしく上品な雰囲気になりますが、かといってイタリア系ドレスコットンパンツのようにカチッとしていないので、“休日のオジサン”に見える心配もありません。ちなみに白シャツは生真面目にタックインするのではなく、ゆったりしたシルエットのものをオーバーシャツ感覚で羽織るのがおすすめです。あえてアイロンをかけず、洗いざらしで着てもいいですね」 (四方さん)
ドレス仕立てながらTシャツにもベストマッチ
トラウザーズ:BRITISH MADE ー オフィサーパンツ 「ポーツマス」
「この『ポーツマス』はプリーツ入りのスラックスタイプでありながら、Tシャツを合わせたコーディネートにハマるのも特徴です。とくにここで着ているようなオーバーサイズTの場合、脚にぴったり沿ったスリムスラックスだとチグハグになってしまいますし、かといってワイドチノだとアメカジっぽく見えて大人っぽくまとめるのが難しい。その点、『ポーツマス』は細すぎず太すぎずのシルエットで、かつ本格テーラード仕立てならではの美脚効果もあります。だから、リラックスしたカジュアルトップスの雰囲気に添いつつ、上品さも自然にプラスできるのです。ちなみに、腰巻きしているニットは着こなしのアクセントとして効くだけでなく、実はトップスのシルエットを調節する役割もしています。オーバーサイズTの場合、丈も長くなりすぎてなんだかだらしなく見える……という経験はないでしょうか? そんな時、ニットを腰巻きするとTシャツの裾が自然に引っかかるため、着丈のバランスがちょうどよく見えるのです」 (四方さん)
ベージュ〜ブラウンのグラデーションコーデも新鮮
トラウザーズ:BRITISH MADE ー オフィサーパンツ 「ポーツマス」
シャツ:BRITISH MADE ー オフィサーシャツ 「プリマス」
シューズ:JOSEPH CHEANEY ー HARRY
シャツ:BRITISH MADE ー オフィサーシャツ 「プリマス」
シューズ:JOSEPH CHEANEY ー HARRY
「ブラウンの『ポーツマス』を企画していたとき、真っ先に思いついたのがこちらのスタリイングでした。大好評をいただいているオフィサーシャツ『プリマス』のベージュと合わせると、シックでいて意外性もある茶系のグラデーションスタイルを築けます。『プリマス』をご愛用の方にはぜひおすすめしたいコーディネートですね。今回制作したブラウンの『ポーツマス』は、やや赤みがかったトーンが気に入っています。ブラウン系の洋服は渋さが魅力的な反面、“老けて見えそう”とか“クラシックすぎ?”という声をしばしば聞くのですが、それもトーン次第だと思っています。黒っぽいダークブラウンの場合は、時に渋さが全面に出すぎてしまうこともあるのですが、このような赤っぽいブラウンなら軽快感もありますし、モダンな雰囲気で着こなしてもらえるはずですよ」 (四方さん)
ニュアンスカラーのトップスとも相性よし
「もちろん、ブラウンの『ポーツマス』もTシャツと好相性。このコーディネートのポイントは、真っ白でなく若干トーンのあるTシャツと合わせているところです。ブラウンのパンツは暖色系と相性がよく、赤や黄色、オレンジといった色と合わせると綺麗なのですが、白系トップスの場合も、パキッとしたものよりニュアンスのある色みのものを選ぶと、ブラウンとの一体感が生まれてこなれた雰囲気に見えると思います。ニットを腰巻きして、Tシャツの丈感を調節しているのはベージュパンツのときと同じ。裾周りに立体感が生まれるので、Tシャツ一枚のスタイルながら寂しく見えないという効果もあります」 (四方さん)
実は今回の新色「ポーツマス」、この記事を公開している時点でかなり品薄になってしまっています。「前回の生成りに引き続き、こんなにも大きな反響をいただけるとは!」と、四方さんも驚きを隠せない様子でした。
「やはり、“ありそうで、ない”というところが評価をいただいているのかなと思いますね。世の中モノがあふれていると言われますが、いざ“こういうものを”と探し始めると意外なほど見つからないもの。スタイリストとして仕事をしていると、そんな場面が本当によくあります。日頃から感じている、僕のリアルな“こんなのあったら……”をそのまま形にしているからこそ、それに共感していただける方が増えているのかなと感じますね」
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