人気スタイリスト四方章敬さんがディレクションを務めるブリティッシュメイド メンズコレクションに今季、新たなアイテムが登場。かつてトラッドの大定番だったコットン&ツイードのリバーシブルコートを、今のスタイルにフィットするよう再構築した力作です。
クオリティの高さだけでなく、スタイリスト目線を活かして着こなしやすさも念頭に置いているのが大きな特徴。そのポテンシャルを存分に発揮するためのテクニックを四方さんが実演します。
クオリティの高さだけでなく、スタイリスト目線を活かして着こなしやすさも念頭に置いているのが大きな特徴。そのポテンシャルを存分に発揮するためのテクニックを四方さんが実演します。
“本当に使える両A面”を目指してスタイリスト四方さんと製作したリバーシブルコート
1980年代の英国ヴィンテージを分析しつつ、今のエッセンスを加えてリファインした3色展開のリバーシブルコート。ベージュのコットン面は共通で、ツイード面にバリエーションをつけています。コットンはイタリア・E.トーマス社のエジプト綿ギャバジン、ツイードはマーリング&エヴァンス社(左のグレンチェック)とムーン社(中・右)のものを選び、贅沢な素材にこだわりました。
さらに四方さんが意識したのは、“両A面”としての完成度。
「リバーシブルは“1着で2度おいしい”というイメージがありますが、結局片面ばかり着てしまい、あまりその恩恵に浴せない……という声も聞きます。そこで本作では、本当に両A面で使える色柄選びに注力しました。コットン面は、ややカーキがかったベージュ。紺やグレーなどベーシックカラーからオフホワイトのようなナチュラルトーン、鮮やかな差し色まで幅広く受け止める色みです。ツイード面は英国の王道的色柄を選びつつ、クセが強すぎず軽やかに着こなせるものを厳選しています。お手持ちのベーシックウェアとも広くマッチして、コーディネートの幅をグッと広げられるはずですよ」
そう胸を張る四方さんが、本作の着こなし例を実践。合わせのポイントとともにご覧いただきましょう。
Technique 1|モノトーンで揃えてモダン・トラッドに
ジャケット:テムズ ¥63,800(BRITISH MADE)
パンツ:オフィサーパンツ ¥36,300(BRITISH MADE)
シューズ:ハドソン ¥92,400(JOSEPH CHEANEY)
パンツ:オフィサーパンツ ¥36,300(BRITISH MADE)
シューズ:ハドソン ¥92,400(JOSEPH CHEANEY)
「グレンチェックのツイードコートをモダンに着こなすなら、全身をモノトーンで揃えるのが最も簡単です。トラッドでありながらスタイリッシュさも感じさせる装いに仕上がりますよ。この時、ポイントとなるのが素材合わせ。今回はヘリンボーンツイードのジャケットにハイゲージのニット、フランネルのパンツと、さまざまな風合いのアイテムを組み合わせています。色数を絞っているからこそ、素材感は多彩に。そんな意識をもつことで、ミニマルでも奥行きのあるスタイリングに仕上がります」
Focus|立ち上がりも美しい襟
Technique 2|コットン面を活用すれば王道のビジネススタイルに
ジャケット:テムズ ¥73,700(BRITISH MADE)
シャツ:ドレスシャツ ¥19,800(BRITISH MADE)
パンツ:オフィサーパンツ ¥36,300(BRITISH MADE)
シューズ:ハドソン ¥92,400(JOSEPH CHEANEY)
シャツ:ドレスシャツ ¥19,800(BRITISH MADE)
パンツ:オフィサーパンツ ¥36,300(BRITISH MADE)
シューズ:ハドソン ¥92,400(JOSEPH CHEANEY)
「上のグレンチェックコートを裏返して、ベージュコットンのステンカラーコートとして着用。ネイビーブレザーにグレースラックス、コインローファーを合わせれば、王道のトラッド・ビジネススタイルにまとまります。このコートはゆとりのあるAラインですが、過剰なオーバーサイズにならないバランスに設計。それがビジネススタイルにもマッチする要因になっています。今回はノータイスタイルで抜け感も表現してみました。ネクタイがないぶん、太幅のロンドンストライプシャツを選んでVゾーンにメリハリをつけています」
Focus|チラリと覗く裏面がアクセントに
Technique 3|カントリーなカーキツイードは明るい色で抜け感を
ジャケット:テムズ ¥69,300(BRITISH MADE)
パンツ:オフィサーパンツ ¥28,600(BRITISH MADE)
シューズ:ケンゴン ¥97,900(JOSEPH CHEANEY)
パンツ:オフィサーパンツ ¥28,600(BRITISH MADE)
シューズ:ケンゴン ¥97,900(JOSEPH CHEANEY)
「今回ラインナップする3色のなかでもカントリーテイストが色濃いカーキ色のツイード。その個性を引き立てつつ、今どきな軽やかさも取り入れるには、合わせるアイテムに明るめの色を選ぶのがおすすめです。ここではオレンジのニットとオフ白のパンツをチョイスしましたが、実はレイヤードしているジャケットがポイントです。コートと同じツイード素材かつ、配色は明るめのハウンズトゥース。カントリー感と軽快感を兼備したアイテムを挟むことで、コートとニット・パンツのつなぎ役にしているというわけです」
Focus|生地の表情を引き立てる自然なAライン
Technique 4|甘めな差し色でツイードをクリーンに
ストール:大判チェックストール ¥86,900(Johnstons of Elgin)
ニット:クルーネックセーター ¥23,100(macalastair)
パンツ:オフィサーパンツ ¥28,600(BRITISH MADE)
シューズ:ケンゴン ¥97,900(JOSEPH CHEANEY)
ニット:クルーネックセーター ¥23,100(macalastair)
パンツ:オフィサーパンツ ¥28,600(BRITISH MADE)
シューズ:ケンゴン ¥97,900(JOSEPH CHEANEY)
「ハウンドトゥース柄のツイードコートは質実剛健な顔つきが持ち味。チノパンやブラウンシューズを合わせると骨太なブリティッシュスタイルに仕上がりますが、今回はそこに少しヒネリを加えました。ポイントは、首元に合わせたマフラー。柔らかなベージュの地色に淡い赤のチェックが走る、甘い雰囲気の柄色です。これにより、装いにクリーンなテイストが加わり、トラディショナルなツイードもグッと新鮮に着こなせるのです。インナーにはシェットランド調のニットを合わせていますが、こちらもフェード感のあるやさしいレッドをチョイス。マフラーの柄色ともリンクして、統一感のある装いにまとまります」
Focus|リラックス感を醸し出す“なで肩”ライン
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■ 四方章敬さん
■ BRITISH MADE ORIGINAL WEAR COLLECTION
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Text by Hiromitsu Kosone / 小曽根広光