ヨーロッパでは何世紀も昔から使われている素材、コードバン。現在もコードバンの原皮はヨーロッパの一部の食用馬からしかとれないと言われています。いわばコードバンの本場ともいえるヨーロッパの中でもとりわけ馬との関わりが深い国の一つが英国。英国では1711年にスタートし、現在でも行なわれている英国王室主催の「ロイヤルアスコット」という伝統的な競馬イベントもあるほどです。そんな英国でコードバンを鞣し工程から生産できるタンナーがあります。それが175年以上の歴史を誇る英国のタンナーCLAYTON(クレイトン)。今回はそのクレイトンのコードバンとそのコードバンを使用したコレクションをご紹介します。
175年以上の歴史を誇る英国のタンナーCLAYTON(クレイトン)
少しマットで独特な光沢感のクレイトンのコードバン。
クレイトンは元々ブライドルレザーで有名なタンナーですが、近年コードバンの生産を開始。開始と言ってもクレイトン社のコードバンは何世紀にも渡って使用されていた工程で生産されており、その工程は全て手作業で行われています。いわばヨーロッパタンナーによるコードバン生産の復活といった方が良いかもしれません。クレイトンのコードバンの特徴はなんといってもその希少性。生産が開始されたのが近年ということもあり、現在市場ではほとんど見受けられないのが実情です。希少と言われているコードバンの中でも最も希少なコードバンがクレイトン社のコードバンかもしれません。また他のコードバンと比べ、少しマットな独特の光沢感も特徴です。
コードバンとブライドルレザー2つのエイジングが楽しめるコレクション
クレイトンのコードバンを使用したグレンロイヤルのお財布
そのブリティッシュコードバンを使ったコレクションが今シーズン2つのブランドから登場しました。まずはレザーアイテムと言えばのグレンロイヤル。1979年スコットランドの中西部エア・シャーで創業され、ブライドルレザーを使った革小物で有名なブランドです。今回グレンロイヤルからはブランドのアイコンともいえる素材、ブライドルレザーとコードバンをコンビにした財布が6型登場。外面はコードバン、内面にブライドルレザーと共に経年変化が特徴の素材で、永く愛用することで革の経年変化の違いも堪能できます。6か月という長い期間をかけて天然原料で鞣されたコードバンと蜜蝋ワックス・牛脂がしっかりと染み込んだブライドルレザーはどちらも高い耐久性があり、相性も非常に良く、生産背景の含めて非常に英国的に仕上がっています。
独特の表情を見せるジョセフ チーニーのコードバンシューズ
クレイトンのコードバンを使用したジョセフチーニーのシューズ
次に、ジョセフ チーニー。今年130周年を迎える老舗シューズメーカーは「PURELY MADE IN ENGLAND」を掲げており、ノーザンプトンを代表するブランドのシューズメーカーの一つとして現在もカッティングからファイナルポリッシュの全ての工程をノーザンプトンで行っています。もの作りにこだわりを持つ英国ブランドだからこそ今回製品化が実現しました。特にジョセフ チーニーのコードバンコレクションは履きこんだ際の楽しみとして独特の光沢感だけではなく、鞣し強度を重視して生産しており、革を生産する際の細かい工程やフィニッシュ方法等は各タンナーにより異なる為、履きジワも他メーカーのコードバンシューズと違った独特の表情になることが期待できます。
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