今年で1886年の創業から130周年を迎えたジョセフ チーニー。これを記念したアニバーサリーコレクションが今秋から発売されています。日本で展開されるのは、プレーントゥ、セミブローグ、ウイングチップの3型。随所に今回だけの特別な仕様を盛り込んでの登場です。
古くからの工場で、職人とともに歩んできた歴史
1886年の創業後、ジョセフ チーニーの工場は1896年に移転。以来、レザーのカッティングからファイナルポリッシュまで、すべての工程が当時から続く工場で行われているのです。また、その工場は建物自体にも歴史的価値があると認められています。現在、働いている人物の中で最長のキャリアとなるのは、ジョン・フリーマン氏（81歳）。1955年から勤め始めて、今年で61年目となりました。創業時からの「PURELY MADE IN ENGLAND」という哲学を忘れることなく、ジョセフ チーニーはこれからも職人たちとともに歩んでいきます。
今回のコレクションには、特別なラストを使用
写真上：130ラスト 写真下：125ラスト今回、ジョセフ チーニーは130周年を記念したコレクションのために、125周年記念の際に生み出された125ラストをモディファイして新たに130ラスト（写真上）を開発。125ラストと比較すると、ボールジョイント（甲で最も幅のある部分）はややコンパクトになっています。全体としてスマートな印象を受けつつ、少しスクエアな印象もあった125ラストに対してトゥの丸みも強調されています。ウエストは、なだらかにシェイプしながら125ラストよりも細身に絞られ、土踏まずを心地よく支えるフォルムに。
130周年記念ロゴとブリティッシュグリーンが映える
ラストのみならず、130周年を記念したコレクションには特別な仕様を数多く取り入れています。その最たるものが、130周年記念ロゴ。ヒールソックにはシルバーカラーでプリントされ、アウトソールには土踏まず部分に刻まれた「Made in England」の下に「130th ANNIVERSARY」と入ります。さらには、ライニングとアウトソールのカラーがブリティッシュグリーンになっていることからも特別感が溢れ出しています。
英国らしさを味わうなら、まずはフルブローグ
REGENT / BLACK実際にロンドンを訪れてみると分かるのですが、現代の英国人がビジネスからカジュアルシーンに至るまで、とにかくよく履いているのが内羽根のウイングチップシューズ。スーツにフルブローグというのがロンドンの金融街であるシティを闊歩するバンカーたちのスタイルとなっているのです。そういう意味でも130周年記念コレクションに欠かせないものとしてラインナップされたのがこの「リージェント」です。
セミブローグで、ジャケパンスタイルを洒脱に
RUSHTON / BLACK, MOCHA BURNISHセミブローグシューズは、メダリオンが入ることでストレートチップの堅さがほぐれています。例えば、気取りすぎることなくジャケパンルックを格上げするのにも最適です。130周年記念コレクションで展開される3型の中で、この「ラッシュトン」だけはブラックに加えてモカバーニッシュもご用意。ネイビージャケットにグレースラックスを合わせたスタイルの足元が茶系のセミブローグというのも洒脱です。シューレースキャップがシルバーカラーのニッケルという130周年記念コレクションならでの仕様が、さりげなく効きます。
シンプルなプレーントゥにも、実は普段と違う意匠が
WELLAND / BLACKアッパーにウェインハイマー社のボックスカーフを使用していて、そのキメの細かい肌質がエレガントな印象を醸す「ウェランド」。やはり、130周年記念コレクションには最定番のプレーントゥも欠かせません。羽根の部分が通常のシングルステッチからダブルステッチになり、コバのエッジには通常よりも細かいウィーリング（ギザギザの刻み）が入っているという特別な仕様によって、存在感が増しています。他の2型もアッパーの各所に入るステッチがダブルで、コバにはウィーリングが刻まれた姿で登場。
ブリティッシュメイドは特別なパッケージをご用意
今回の3モデルは、130周年記念ロゴをあしらった特製ボックス＆シューバッグでお届けします。そして、アッパー用ブラシ、コバ用ブラシ、ポリッシュワックスというお手入れ3点セットが付属。さらには、通常は販売していないジョセフ チーニー純正の木製シューキーパーもセットになっています。これらはブリティッシュメイドだけの特別仕様です。
アイテムを見る
JOSEPH CHEANEYのオフィシャルサイトでは130周年を記念した
「Cheaney’s 130th Anniversary Styles」が進行中。
http://cheaney.jp/130th-anniversary-styles/
Photo by Katsunori Suzuki / 鈴木克典
Text by Kiyoto Kuniryo / 國領磨人
＊現在では取扱のないモデルもございます。予めご了承ください。