ジョセフ チーニーのシティコレクションは、世界有数の金融街であるロンドンのシティで働く人々から支持を得ているコレクションです。ジョセフ チーニーの直営店の中でも特にシティに位置するボーレーン店やライムストリート店での人気がとても高く、バンカーを始めとする現地の金融マンに愛されていることがうかがえます。今回は、そんなシティコレクションの魅力を掘り下げていきましょう。
ロンドンの金融街で選ばれているのには、理由がある
シティコレクションを代表する3型がこちら。左から「ブロード Ⅱ」、「フェンチャーチ」、「ライム」で、どれもがビジネススタイルと好相性。シティコレクションには華美な装飾を排したオーセンティックなモデルが揃っていて、アッパーはブラックカーフで統一されています。「Purely Made in England」というポリシーを掲げて、レザーのカッティングからファイナルポリッシュまでの全工程をノーザンプトンの自社工場で行っているのがジョセフ チーニー。その本格的な英国靴を、より多くの方に着用してほしいと願って生み出されているのがシティコレクションです。
そのために、価格は抑えられています。それでいて、実用面でのクオリティは他のコレクションと変わらないものになっています。8週間で160以上の工程を経て熟練職人の手によって作られているところは、他のコレクションと同じ。仕事柄、常に賢い判断が求められるシティの金融マンから選ばれているのも納得です。
シティコレクションには、11028ラストが採用される
ここに並んでいるのはどれもジョセフ チーニーの靴ですが、使われているラストが異なっています。向かって1番左がシティコレクションに属する「ライム」で、11028ラストを採用。左から2番目の125ラスト(クラシックコレクション)と比較すると、やや幅広です。さらには左から3番目の1886ラスト(1886コレクション)に比べてノーズが長いのですが、1886ラストと同様にラウンドトゥのため、モダンでドレッシーな印象を醸します。一般的に甲の幅が広いとされている日本人の足型に合いやすいラストになっているのも特徴です。
また、左から4番目の12508ラスト、5番目の4436ラストから打ち出されているカントリーテイストなボリュームバランスと照らし合わせてみれば、シティコレクションに用いられる11028ラストは、やはり都会派であるといえます。
フォーマルからビジネスまで、選んで間違いなしのストレートチップ
ストレートチップモデルの「ライム」は、シティコレクションの中で最もシックな1足です。スマートなノーズフォルムに見えますが、ボールジョイント(親指の付け根と小指の付け根を結んだ足幅が最も広い部分)が広めで、甲が高めであることから、履きやすさについても定評を得ています。125ラストを使用したストレートチップモデルの「アルフレッド」と比較した場合、トゥは細く、ウィズは広く、甲は高めで、ヒール部はやや大きめ。また、「アルフレッド」は内羽根に入ったステッチがスワンネック(白鳥の首のように湾曲したライン)なのに対して、「ライム」にはシンプルなステッチがあしらわれています。
上から見ても横から見ても洒脱で、汎用性の高いクォーターブローグ
クォーターブローグの「フェンチャーチ」は、品の良さを感じさせる1足。ジョセフ チーニーが展開しているラストの中ではロングノーズなので、パンチドキャップトゥがすっきりと端正な見映えになっているのが特徴のひとつです。ネクタイを締めてもサマになり、アンタイドスタイルにも合います。すなわち、オンからオフまで幅広く活用することができるということ。羽根の部分は、アデレード(竪琴型)と呼ばれるフォルムになっています。曲線で主張していますが、ピンキングとパンチングを施したラインがアッパーの側面を横断していないので、サイドビューはすっきりとした印象。上から見ても横から見ても洒脱なクォーターブローグに仕上がっているのです。
オーセンティックでスタイリッシュ、バランスのいいウイングチップ
BROAD Ⅱ
外羽根でトゥにボリュームのあるウイングチップと比較して、クセのないデザインでスタイリッシュに演出しているのが「ブロード Ⅱ」。ジョセフ チーニーの中でもロングノーズの木型が効いて、カントリー調のボリューム感が際立つウイングチップとは一線を画しています。だから、スーツスタイルとの親和性が高くてビジネスシーンで大活躍。ジャケパンルックとも相性がぴったりなので、ビジネスユースで登場回数が増えること請け合いです。もちろん、休日の上品カジュアルなコーディネイトにも使えます。英国のクラシック感とスマートな印象を兼ね備えていて、とても好バランスな1足。もはや、シティコレクションの中でも一番の働き者といっていいかもしれません。
今年で創業131年、ノーザンプトンの老舗は進化を止めない
ジョセフ・チーニー氏によって1886年に創業され、1896年に工場を現在地に移転。以来、ジョセフ チーニーはレザーのカッティングからファイナルポリッシュまでのすべての工程を当時から続く工場で行っています。「Purely Made in England」のポリシーを曲げることなく、モダンな印象も取り入れながら、よりお求めやすい価格設定になっているシティコレクションには、進化を止めないブランドの姿勢が表れています。ジョセフ チーニーが初めての方には最初の1足として、これまでにもジョセフ チーニーをご愛用いただいてきた方には新たな魅力に触れる1足として。ぜひとも選んでいただきたいコレクションです。
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